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10年後の私へ

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10年後の私へ

1 - 10年後の私へ

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2020年06月10日

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4ヶ月ぶりの休日、 絢は久々に実家に顔を出した。

実家に置いてある荷物を 早く持っていけと催促されたからだ。

(そんなに邪魔なら
送ってくれてもいいのに)

そう思いながら押し入れに 押し込んだ段ボールを引っ張り出す。

は…っくしょん…っ

(めっちゃ埃っぽ…)

ん?

段ボールの上に無造作に置かれた 銀色の缶箱が目に止まった。

好奇心から缶箱の蓋を開けてみる。

封筒…?

10年後の私へ

こんなのあったっけ…?

10年も前のこととなると あまり覚えていなかった。

封筒を開けてみると 折り畳まれた紙が入っている。

なになに…?

絢は紙を取り出すと それを広げて拙い文字に目を通した。

10年後の私へ

お元気ですか? 私は中学3年生の倉田絢です。 受験前の大事な時期にこんな手紙を 書かされて少し不機嫌な絢です。

受験と言えば第1志望の K高校には合格しましたか? 私の努力は報われましたか。 私は25歳までに結婚したいけど 恋人か旦那さんはできましたか?

10年後の私は何をしてますか? 私は今美容師か保育士になりたいと 思っていますが どちらの夢を叶えましたか? 大人になってからの人生は 学生生活よりも楽しいですか?

今、幸せですか?

10年前の絢より

授業で書かされたんだ…

(10年前の私って
こんなにキラキラしてたんだね)

10年前の私、ごめんね…

手紙に書かれた理想の絢は 10年後にはいない。

K高校には落ちたよ

結婚どころか彼氏もいない

そういえば彼氏いたの
いつが最後だっけ…

美容師も保育士も
結局諦めた

今の私はブラック企業に務める
冴えない社会人…

10年前に夢見た人生は ひとつも掴めなかった。

キラキラした自分からの手紙が見れず 絢は手紙をくしゃくしゃにして ゴミ箱に放り投げた。

ホントにごめんね、私

情けない大人になっちゃったね

黙々と荷物分けの作業を進め、 日が暮れた頃に立ち上がった。

ふとゴミ箱を見ると 中には丸まった手紙だけがあった。

今、幸せですか?

手紙の文面が目に止まる。

そりゃ学生生活のが楽しいよ

何も考えなくてよかったもん…

(でも、)

残業ばっかだし
始発で行って終電で帰って

仕事きついなって思うし
彼氏欲しいとも思うし
美容師やりたかったけど

(思い描いてた未来じゃないけど)

それでも幸せだよ

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