レントリリー

桃赤

レントリリー

なんか急に赤に目隠しをされて

誘導されています

すっと目隠しを取られる

''お誕生日おめでとう！！''

数人の声がして

パンパンッとクラッカーが鳴り響いた

目の前には飾り付けられた部屋と

ケーキやご馳走

黄先生、紫先生、青さん

橙、そして赤が

ニコニコしながら拍手していた

俺は嬉しすぎて固まってしまった

目にゴミ入ったように

涙が止まらない

赤がぎゅっと抱きしめて慰めてくれる

俺が泣き止むと、誕生日パーティーはスタートした

チョコレートケーキをみんなで食べていると、先生達がニヤニヤしながら釘を刺す

あたふたしながら赤は顔を真っ赤にする

少し悲しそうな青さん

俺は橙に見せつけるように赤を片手で引き寄せる

嬉しすぎて溶けそうだ

わちゃわちゃとみんな好き勝手言って

赤が恥ずかしくて死にそうになっている

すると紫先生が年季の入ったカメラを取り出した

みんなが集まって色んなポーズをする

俺はシャッター音がなる時に、赤の頬にキスをした

赤はぶわっと顔を真っ赤にしたが

ほかの皆は気づいていないようだった

その後赤に仕返しされたのは内緒

誕生日パーティーが終わったあと、

赤は恥ずかしそうに俺の手の平に何かを置いた

それは星型のオシャレなブローチだった

ふにゃっと少し赤面して頷く

その瞬間俺は勢いよく赤に抱きついた

赤は口でそう言いながらも

俺の背中に手を回して強く抱きしめてくれる

幸せで

幸せで

時間が

止まればいいのに

このまま

俺達を閉じ込めて

おとぎ話みたいに

ハッピーエンドで終わらせて

そして

俺の退院の日の前日になった

ベットがきしむ音がして

俺はうっすらと目を開けた

すると赤が病室から出ていこうとしていた

俺はかすれた声を出す

ドアノブに手をかけ、苦笑いする赤

俺は自分の薄いカーディガンを赤に羽織らせる

もう2月終わりとはいえまだ肌寒い

じゃあ、と部屋を出ようとする赤の手を

ぎゅっと絡めた

ぺたぺた、スリッパの音だけが響いて

無言で足の赴くままに歩く

屋上のドアの前を通ると

俺はピタッと立ち止まった

ポケットに忍ばせておいた鍵を取り出すと

赤はびっくりしたように俺を見ている

ドアをゆっくり開けると

ガラス越しだが

そこには1面の星

俺と赤が

初めて会った場所

あそこで俺が赤に話しかけるのは

もう決まっていた運命ならいいなと思った

ポツリと隣の彼が呟く

俺はチラリと赤を横目で見る

少し微笑んで空を見上げる君がとっても儚げに見えて

俺は強く手を握る

不意に赤と目が合い

そっと髪を撫でる

そして頬に手を添えると

赤の目がゆっくりと閉じられた

重なる2人の影。

最後のキスは

甘くて切ない味がした

なんか今更だけど 題名めっちゃ関係ないwwww レントリリーって曲があるんですけど それ聞いて思いついた物語です 良かったら聞いてみてね