レントリリー

桃赤

レントリリー

無事に退院して

学校生活は何事もなかったようにスタート

俺は橙に押されサッカー部に入部

まだ体力は完全に戻っておらず

部活中、タオルを頭にかけて木陰で休んでいた

橙が冷えたペットボトルのスポーツドリンクを渡してくれた

俺ははぁ....と盛大にため息をつく

橙がさっきの俺と同じように盛大にため息をつく

1年はほとんど学校に来ていなかったため

単位をとるために平日、休日も補習づくし

そんな事を話していると

顧問の声が遠くでする

俺は足早に駆け出した

お疲れ様でーす

部員の声がグラウンドに響く

着替えに行こうとすると

女子のマネージャー達がこっちに駆け寄ってきた

1年のマネージャーが真っ赤な顔でモジモジする

顔真っ赤にしてる時の赤....可愛かったな

彼女を見てぼんやりそんな事を考える俺

3年の先輩がニヤニヤしながら背中を押していて

恐る恐る1年のマネージャーが口を開く

今度お見舞いにいちごのショートケーキ....

オムライスも作ってやらなきゃ....

過去一間抜けな声が出た

現実に引き戻されハッと我に返る

....彼女？

少し自慢げにニヤつきながら答える

その瞬間

空気が凍りついた

え？なんか悪い事言った？

ダッシュで去っていく後輩

慌てて他のマネージャーもその子を追いかける

橙がゲラゲラ腹を抱える

まだ橙は俺を見て笑いが止まらない様子だったので

頭をゲンコツで叩いといた

そんなある日の夜

俺は課題に取り組んでる途中で

スマホが鳴った

着信音ですぐ分かる恋人からの電話

俺は急いで画面をタップする

赤の声は酷く小さく震えていた

俺の声に安心したのか甘えた口調になる

声聞きたくなったって....

ホントに可愛すぎる俺の彼女

急にデレるのは寂しいからだろう

....抱きしめたいな

腕の中に閉じ込めて

恥ずかしがる姿がみたい

電話ごしでできる訳もなく

俺はグッと衝動をこらえる

強がっちゃって

赤だって会いたくてたまらない癖に

補習さえなければなぁ....

病院は以外と遠くて

片道に結構時間がかかる

しょっちゅう来てた橙は

凄かったんだなと今更思った

もうすぐ来る赤の誕生日の事

青さんのゲームが上手いこと

俺の部活の事

黄先生や紫先生の事

それから沢山話をして

あっという間に時間が経った

すると、急に赤が黙った

いきなりの不意打ちに俺はスマホを落としそうになった

俺は赤が笑い終わるのを待つと

少し間をおいて囁く

ガッシャンと鈍い音がした

スマホ落としたのだろう

スマホは無事だったようで

赤は大きな声で罵倒してくる

それから俺達は結局寝落ち電話

すぅすぅと規則正しい寝息が聞こえると

俺はそっと電話を切った

それから

何故か分からない

赤との連絡は

完全に途絶えた

どうなるんでしょうね この後.... やべえ話がまとまらないw