雪城葵
やっと最後の現場に着いたね。ここの記憶を見たら事務所に行って、雪翔お兄ちゃんに頼んでたものを見ればこの殺人の繋がりがわかるはず。

雪城葵
薫お姉ちゃん、工場のどの辺に死体あったかわかる?

東雲薫
えーっと、猫が入口近くにいるからあのベルトコンベアーの近くみたいよ。

薫はそう言いながら色んなものが散らばっているベルトコンベアーを指さした。
雪城葵
?随分遠くない?私達のいる入口の付近からだと少し距離があって下の方なんて見えないよね。

東雲薫
私もそう思ったけど端末にはここまでしか書かれてないのよ。雪翔がいたら直ぐに聞けるんだけど…

薫は申し訳なさそうに言い、葵が首を傾げていると丁度話題にでた雪翔が走ってやってきた。
望月雪翔
おーい、かおるー、あおいー、大変だよー!!

東雲薫
え!雪翔?なぜ来た?

雪城葵
雪翔お兄ちゃん。どうしたの?

望月雪翔
2人とも警察の調書貰って被害者の3人の過去調べたら繋がりがあったんだよ。警察も見逃すほどうっすらだけど、この事実に気づいてしまったからには直ぐに知らせなければと思って来ちゃった!

東雲薫
そんなにうっすらとしてるの?

望月雪翔
うん。なんと被害者3人とも同じ中学だったみたいだよ。まぁ、飯田陣平と安田舞が途中で転校していたから分かりにくかったみたい。

雪城葵
お兄ちゃんありがとう。
ちょっと最後の現場読み取ってくる。

葵はそういうとベルトコンベアーに近づき、ベルトコンベアーに手をつけた。
安田舞
ごめんなさい。私知らなかったの…あんなに思い詰めてるなんて。だって一言も嫌とか言わなかったし、百合香も楽しんでると思ってたのよ。まさか死んじゃうなんて思わなかったの。ごめんなさい。許してください。まだ死にたくないよぉー。

犯人
飯田も桃園も同じこと言ってたわ。あんなんで死ぬとは思わなかったってね。あんたたちが拒否させないようにしてたんでしょ?あの子は優しいから言えなかったのよ。まぁここであんたも百合香と同じ苦しみを味わえばいいのよ。さよなら安田舞さん。地獄に堕ちろ。

安田舞
いや、来ないでぇーやめッウ

犯人
うふふふふ、やったわ。安田舞も死んだ。あと1人元島久美を殺ればあの子に報告ができる。もうすぐ復讐は完了するからね。もう少し待ってて百合香。復讐が終われば…

東雲薫
葵!!

望月雪翔
葵!!

直ぐに薫と雪翔は葵に駆け寄る。すると葵は2人の袖を掴んで言った。
雪城葵
ッウハァハァハァケホッケホッハッハァハァやばい…ハァハァあと1人ハァハァケホッハァハァって犯人がケホッハァハァゲホッゲホ止めないと…ハァハァゲホッゲホふ…たり…とも、最後のケホッケホッ被害者になるかもッウハァハァしれないハァハァ元島ケホッケホッ久美さんゲホッハァハァと被害者ハァハァ3人は同じ中学校だったみたい。ッハァハァそれで百合香さんって人が居たみたいなの。その百合香さんのお姉さんを見つけて。それ…でとめな…いとッウお…ねが…い…ッウゲホッゲホポタッボタボタ

葵は必死に最低限伝えたいことを伝えると吐血しながら気絶した。
気絶した葵を薫は受け止め、必死に呼びかけながら応急処置をした。
東雲薫
あおい!!あおい!!

望月雪翔
う…そだろ。葵!!しっかりしろ!!

東雲薫
ダメだわ、応急処置だけして事務所に戻るわよ。葵が気を失う前に言ってた2人を見つけないとだし…

望月雪翔
わかってる。事務所に戻ったら俺は防犯カメラをハッキングする。薫は葵を見ててくれ。

東雲薫
でも2人の居場所なんてわかるの?

望月雪翔
あぁ、調書に次の被害者になる奴のことが書いてあった。廃ビルの件の通報者の名前が元島久美ってね。

東雲薫
そうなのね。とにかく早く事務所に戻りましょう。

話がまとまると2人は立ち上がり、雪翔が葵を横抱きにし、薫は葵のリュックと自分のカバンを持って走り出した。