同僚A
同僚B
同僚B
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羽島 瑞希
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羽島 瑞希
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羽島 瑞希
羽島 瑞希
羽島 瑞希
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羽島 瑞希
羽島 瑞希
名前ははっきりと覚えていないけど、
悪ふざけする男子が多い中で
彼は落ち着きのある子だった。
でも、けして引っ込みじあんというわけでもなく
むしろ誰とでも話せる明るい子だった。
羽島 瑞希
羽島 瑞希
そう言って抱えていたクラスメイトのノートをあっさりと取り、
パタパタと走っていってしまった。
彼は誰にでも優しくて、
足も速くて、
勉強もできる。
欠点のない子だった。
顔も悪くなかった、と思う。
気がつけば私は彼に惹かれていて、
いつの間にか好きになっていた。
ギャー!ギャー!
羽島 瑞希
それは、ある日の放課後のこと。
羽島 瑞希
ギャー!
それにしても異常な鳴き声だと思った。
本当なら先生を呼びに行くべきだったのに、
当時の私は後先考えず中庭に向かってしまった。
小さなチャボ小屋の中に誰かがうずくまっていた。
羽島 瑞希
近づいて、足が止まる。
今でもその光景はよく覚えている。
しゃがみ込んでいた人は顔を上げ、
ゆっくりと振り返った。
そう言って笑みを浮かべたのは初恋の彼だった。
羽島 瑞希
でも、その子の足元には
チャボの赤茶色の羽根が散らばり、
地面はチャボの血で真っ赤に染まっていた。
羽島 瑞希
そして、その子の両手も
血で真っ赤になっていたのだ。
楽しそうに差し出された肉の塊。
チャボの足先がまだピクピクと動いているように見えたのは、
きっと気のせいだろう。
羽島 瑞希
私は泣きながら叫んだと思う。
彼の足元に散らばるチャボだったモノ。
昨日、授業で初めて使った小刀には
チャボの生首が突き刺さっていた。
そのクチバシは大きく開かれ、
今にも悲鳴が聞こえてきそうだった。
羽島 瑞希
羽島 瑞希
羽島 瑞希
そう叫んで私は逃げ出した。
あの場所には居てはいけないと、
彼の側には居てはいけないと本能が警鐘を鳴らしたのだ。
泣きながら走って家に帰って、
何があったのかと親に聞かれても答えられなかった。
布団の中に潜り込んで目を閉じても
彼の足元に散らばったチャボの残骸と
血まみれになって楽しそうに笑う彼の顔だけが
いつまでも頭にこびりついて離れなかった。
翌日、
みんなで大事に育てていたチャボの「ぴーちゃん」は
小屋から逃げ出していなくなったと先生は説明した。
私は、言えなかった。
彼がチャボを殺したと、
誰にも言えなかった。
彼はそのあとも変わらずクラスメイトと仲良さそうに話し、
人懐っこい笑みを浮かべ優しく接していたけれど、
私はあの日以降
彼と言葉を交わすことはなかった。
そして、
小学五年生のとき彼は家庭の事情で転校してしまった。
彼はいなくなった。
それで忘れようとしたけれど、
忘れることは出来なかった。
バラバラにされたチャボのこと、
血まみれの肉の塊を手にして微笑む
初めて好きになった彼のことを。
私の初恋は、
とても血生臭い思い出……。
コメント
3件
YouTubeとかにあるホラーBGMを聞きながら読むといい感じの雰囲気を味わえますが、スマホだとそれがねぇ……
夜中の3時に思い付いて「鶏もも肉www」となって勢いだけで書いた作品。