家を出ると見計らっていたかのようなタイミングで迎えに来た彼の車に乗った
三ツ谷
水琴、具合悪そう
水琴
具合っていうか、
水琴
…なんだろ、よくわかんない
気分転換に、と彼はラジオをつけた
水琴
あ、この曲知ってる
三ツ谷
ふーん?
三ツ谷
水琴も恋愛系の曲聞くんだな
水琴
……
三ツ谷
水琴?
マイキー
俺ね、この曲最近ハマってんだよな〜!
水琴
へぇ、失恋ソングじゃん
マイキー
なっ…!
マイキー
お前とは失恋なんてしねぇからな!
水琴
当たり前でしょ!
脳内で繰り広げられる過去のマイキーは、幸せそうで楽しそう
今とは大違い
水琴
マイキーが教えてくれた曲
三ツ谷
………あー…
三ツ谷
……わり、変えるか?
水琴
んーん、
水琴
やっぱちょっと具合悪いから座席倒すね
三ツ谷
おう、薬局まわるか?
水琴
んー…寝たら治る
三ツ谷
了解
頭までかけたひざ掛けを、彼は引き剥がさないでくれた
寝たフリ何てこと、きっと三ツ谷は気づいてる
水琴
(何で泣いてんだろ)
私が離れたのに