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ご参加ありがとうございます✨ 構成力が高く、心理描写も丁寧なため赤君と桃君の繊細な感情がひしひしと伝わってきますね(^^)今まで生きるためだけにヒトと口付けを交わしていた赤君が桃君と出会ったことによって本当の意味での恋人に巡り会える…というロマンチックな設定にも拍手喝采です♪毎年ハロウィーンに再会できるのも良いですね✨参加謝礼のほうもしばらくお待ちくださいませ😁
涙目ぼろぼろなんですけど、、! ちゅーの表現うますぎっっ!! (இωஇ`。)
okura
okura
okura
okura
okura
okura
okura
okura
チュクッ·····チュクッ·····
りうら
男
静かな暗闇に響き渡る水音
生きる為、好きでもない男と 毎日のようにキスをする
男
りうら
男の唾液から精力を吸い取り 唇を離す
りうら
男
帰ろうとすると腕を掴まれ 引き寄せられる
りうら
男
男
そう言って腰周りを撫で回してくる
りうら
男
りうら
ドンッ
男
りうら
下を脱がされそうになり 男を思いっきり押して逃げた
頭の中は恐怖が埋めつくしていて
捕まらないよう、ただ ひたすらに走った
りうら
情けない
そんな事は自分がよく知っている
淫魔なのに·····悪魔の一種なのに·····
りうら
自分が惨めになる こんな自分が嫌いだ
俺は淫魔でも 普通の淫魔とは特徴が違った
俺は生まれた時から 他の淫魔とは違っていた
通常の淫魔が寝ている人間の 夢の中に現れ、性交をし、 精力を吸い取るのに対して
俺は人間と舌を絡めるキスを 交わすことによって、 唾液から精力を吸い取る
他にも
他の淫魔が持っていない 特有の甘い匂いを持っていて
その匂いは普通の人間には 感じ取れず、''番''となる者にしか 感じ取れない
もし番以外の人間から精力を 吸ってしまった場合、死に至る
人間の精力を吸う事を食事として いる為、番が見つかるまでは 毎日最低一回でも誰かの精力を 貰わなければ餓死してしまう
だから毎日知らない男とキスをし、 精力を吸い取る事によって 生き延びている
その男たちも最初はキスだけという 条件を受け入れてくれたが、 何度かキスを交わしていくうちに 俺の身体を求めるようになってきた
毎日、精力を吸い 抵抗しては逃げる日々
こんな生活に嫌気がして 毎晩泣くことしか出来なかった
りうら
りうら
今日も、人の目につかない 路地裏で泣いた
りうら
北風が吹きつけ、孤独感が漂う
もういっそ死んだ方がいい
その気持ちは日に日に 強くなる一方だった
辛い、苦しい
誰か助けて_
ないこ
街中に騒音が響き渡り 人混みが耐えない
さすがに自宅付近まで来ると 人気も少なくなっていた
フワッ
ないこ
ないこ
ないこ
空気に紛れて漂う 蕩けるような甘い香り
匂いのする方向へ行くと そこは暗い裏路地だった
グスッ···グスッ···
ないこ
ないこ
泣き声が聞こえる方向と 匂いがする方向はどうやら 同じみたいだ
ないこ
ないこ
香りが増していてクラクラする
同時に泣き声も近づく
りうら
ないこ
ふと、辺りを見回すと奥の方に 膝を抱え、泣いている男の子が居た
どうやらこの甘ったるい 匂いは彼からするらしい
ないこ
りうら
りうら
ないこ
長時間泣いていたのか 目が少し腫れている
りうら
りうら
分かる?どうして泣いている事が 分かったのかという事だろうか
ないこ
りうら
ないこ
急に声を上げ、目を見開く
ないこ
りうら
りうら
りうら
ないこ
ないこ
りうら
りうら
ないこ
番?どういう事だ? 頭の中で混乱が生まれる
りうら
りうら
ないこ
何を言っているのか さっぱり分からない
りうら
するといきなり、俺の方に 体を向け涙を目に溜め、 袖を掴んできた
ないこ
りうら
りうら
ないこ
戸惑っていると両手で頬を 掴まれ、キスをされた
ないこ
クチュッ···クチュッ·····
りうら
ないこ
脳が溶けるような甘く深いキス
彼の放つ甘い匂いと 口の中を満たす快感が 思考を停止させた
ないこ
りうら
銀糸を引きながら ゆっくりと唇が離れる
何気に人生初のディープキスだった
りうら
ないこ
りうら
りうら
ないこ
ないこ
りうら
ないこ
会話は進んでいくが 頭が追いついていない
りうら
りうら
ないこ
りうら
りうら
ないこ
サラリと告げられたその言葉
ないこ
ないこ
ないこ
りうら
りうら
ないこ
りうら
りうら
ないこ
言われてみればやけに 舌を絡めてきた気がする
りうら
りうら
りうら
りうら
ないこ
だから俺が番って言ってたのか·····
確かに納得がいく
りうら
りうら
ないこ
りうら
ないこ
りうら
ないこ
無邪気に飛び込んでくるりうら
とても淫魔とは思えない
ないこ
ないこ
りうら
ないこ
軽はずみな気持ちで 聞いた俺が馬鹿だった
りうら
りうら
ないこ
ないこ
きちんとりうらの表情を見ていれば こんな事を言わずに済んだのに
ないこ
りうら
りうら
ないこ
りうら
ないこ
りうらの肩を掴み 真剣な眼差しでそう伝えた
りうら
ないこ
ないこ
ないこ
ないこ
りうら
りうら
ポロポロと目から 涙を零すりうら
ないこ
りうら
りうら
俺の袖をギュッと握り 喋る声は少し震えていた
ないこ
ないこ
ないこ
りうら
抱きついてきた体を きつく抱き締める
淫魔(りうら)を守りたい
いつの間にか脳内は混乱から その気持ちに変わっていた
静かなハロウィーンの夜
怪しく甘い香りに誘われ
俺は「淫魔」の「番」になった
5ヶ月後
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
りうら
りうら
ないこ
ないこ
りうら
バタン
りうら
りうら
毎日ない君が仕事に 行っている間ソファに 座り、足をブラブラさせては寝る
それの繰り返しだ
りうら
まだない君が行ってから 5分も経っていない
りうら
そのまま横になり、眠りについた
りうら
りうら
p.m. 9:45
りうら
普段ならもう帰ってきてる時間
けれどない君の 姿は見当たらない
りうら
ないこ
上司に無理矢理 仕事を押し付けられ
残業をしていたら こんな時間になってしまった
ないこ
ガチャ
ないこ
ないこ
いつもなら 笑顔で出迎えてくれる
だが、今日は夜遅くという事も あり、りうらの姿は見えなかった
ガチャ
ないこ
ないこ
りうら
酷く顔色が悪いりうら
ないこ
ないこ
りうら
ないこ
俺は慌てて 青ざめるりうらの唇に触れた
チュッ·····クチュッ·····
りうら
ないこ
やがて体調が回復したのか 腰をグイッと寄せられ さらに舌を絡め合う
ないこ
りうら
唇を離すと、頭がふわふわし その場で眠りについた
俺とない君はただの「番」
俺が餓死してしまうのを防ぐため ただ精力を貰うだけの関係
ない君が俺の事を どう思っているのかは知らない
でも、
「ない君が好き」
別れはいつも唐突に来るものだ
もし俺がない君(番)以外の 人間の精力を、謝って 吸い取ってしまったら
もうこの世には居られなくなる
そんなのは嫌だ
これ以上好きになっても 別れが辛くなるだけ
ない君を好きでいるか その気持ちを改めるか
判断に迷う
俺はこの先 どうしたらいいのだろう
ないこ
ないこ
大声で名前を呼ばれ気がつく
りうら
りうら
ないこ
ないこ
りうら
この曖昧な気持ちを伝えても 戸惑われて終わるのが目に見える
ないこ
りうら
勘の鋭いない君には 隠し事は難しいらしい
りうら
ないこ
りうら
少し心が痛むが、彼の問いに頷く
ないこ
ないこ
りうら
りうら
ない君からは ''ヒト''の温かさを感じる
俺とは違う温かさ
本当にこのまま番として 一緒にいていいのだろうか
りうら
少し頭を冷やした方がいい
そう思い、いつもの場所に向かった
りうら
そこに着いた頃にはもう 辺りは暗くなっていた
りうら
自分に嫌気がさして泣いたのも ない君と出逢ったのも
全部ここだ
俺にとってこの路地裏は 特別な場所だった
りうら
相変わらず静かで落ち着く
だが、落ち着いて いられたも束の間だった
男
りうら
りうら
後ろから突然声をかけて きたのは前に精力をもらって いた男だった
男
りうら
股の間に足を入れられ グリグリと動かされる
男
りうら
男
りうら
耳元で喋られ、嫌でも感じてしまう
男
りうら
男
りうら
男
両手を掴まれ、抵抗できないまま 無理矢理口を開けられ、キスされる
りうら
男
りうら
舌を絡められる どんなに噛んでもやめてくれない
りうら
このまま男の勢力を吸って しまったら俺はどうなるのだろう
男
男
りうら
男を睨みつけ、逃げようとするも 身体に力が入らず、その場に倒れた
ないこ
ないこ
俺が見にしたのは壁に もたれかかるりうらと りうらを見て何か言っている男
ないこ
男
男
ないこ
男
ないこ
男
男
ないこ
ないこ
りうら
呼吸はしているが 目を閉じたまま返事がない
ないこ
なかなか帰ってこないから 心配でここに来てみたらこれだ
愛する人が犯されそうに なっていたこの状況で 冷静にしていられる訳が無い
りうら
りうら
ないこ
ないこ
ゆっくりと瞼を開き こちらを見つめるりうら
りうら
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
急に呻き声を上げ、泣き出す
りうらはその後も ただ、ひたすら泣いていた
りうら
ないこ
ないこ
きっとあの男にされたことを 思い出したのだろう
泣き続けるりうらを 優しく腕で包み込んだ
りうら
ないこ
りうら
ないこ
りうら
りうらの表情が曇る
りうら
ないこ
りうら
りうら
ないこ
突然告げられた 「もう一緒に居られない」 という言葉
疑問しか頭に浮かんでこない
りうら
りうら
ないこ
何で、なんでそんな事言うの
生きられないなんて 分かんないじゃん
りうら
ないこ
ないこ
ないこ
りうら
突然こんなことを言われて 戸惑わないはずがない
りうら
ないこ
りうら
ないこ
徐々に咳き込み始め 苦しむりうら
俺はただ抱きしめる ことしか出来なかった
りうら
ないこ
ないこ
りうら
りうら
震える手のひらで俺の頬に 手を当て親指で涙を拭う
ないこ
りうら
りうら
か細い声で微笑み そう言うりうら
ないこ
りうら
ないこ
頬から崩れ落ちる手
ないこ
ないこ
彼の呼吸が段々と 遅くなっていく
ないこ
りうら
それが最後の言葉だった
ないこ
ゆっくりと瞳を閉じるりうら
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
嘘だ、こんなの嘘だ。
ないこ
ないこ
ないこ
冷えきった彼の体を 強く抱き締め大声で泣き叫んだ
ないこ
数分後、徐々にり うらの体が透けてきた
ないこ
ないこ
透けていく体を抱きしめる
すると次の瞬間
一瞬で灰になり、空気に紛れ 飛ばされて行った
ないこ
ないこ
ないこ
これ以上の悲しみは無いだろう
突然の恋人の死
当然のことだが すぐには受け入れられなかった
静かなハロウィーンの夜
薄れゆく怪しい匂いに包まれ
大切な恋人を亡くした
でも何故か、心のどこかで また会えるような気がしていた
一年後
ないこ
今日は10月31日 ハロウィーン
別に俺はハロウィーンだからと いって特に何もすることは無い
ないこ
ピロンッ
ないこ
突然、スマホの通知が鳴る
ないこ
通知内容を見て全てを思い出した
ないこ
通知には
10月31日 ハロウィーン りうらと出逢ったあの路地裏
と記されていた
ないこ
俺はもう会えるはずがない 彼と会いたいが為に その場所に向かった
ないこ
間違いない、ここだ
暗く、静まり返った路地裏
ないこ
帰ろうとした瞬間
りうら
ないこ
ないこ
頭上に響く、聞き覚えのある声
りうら
ないこ
目に映る愛しい彼の姿
思わず抱きついた
りうら
りうら
ないこ
りうら
俺の頭を優しく撫でるりうら
ないこ
ないこ
りうら
りうら
りうら
顔を赤らめ、優しく微笑む彼
ないこ
死んだはずの彼とまた会える なんて夢にも思ってなかった
りうら
ないこ
りうら
りうら
ないこ
お互い身を寄せ合い 番としてではない
''恋人''としてのキスをした
大好きな彼と会える特別な日
「ハロウィーン」
ハロウィーンは昔から 死者が蘇り、現世に来れる日 と言われている
俺たちは毎年 このハロウィーンに
淫魔である彼と静かな路地裏で
番としてではない 恋人としてのキスをした
kiss me again ~もう一度キスをして~