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修学旅行
昼過ぎの清水寺は、修学旅行生と観光客でにぎわっていた。 境内を包むのは、赤く燃えるような紅葉と、はしゃぐ人々の声。
秋保 楓花
清水の舞台から見下ろす景色に 楓花が小さく感嘆の声をあげる。
及川 徹
秋保 楓花
頬をほんのり染めて、彼女はそう言った。 秋の光がその横顔をふわりと包み込む。
隣では、岩ちゃんが絵梨奈と地図を見ながら、次の目的地を相談していた。 あからさまに“時間作ってくれてる感”がありすぎて、思わず苦笑する。
及川 徹
秋保 楓花
少し照れながら 俺たちはお互いを見て笑った。
そのあと、音羽の滝で並んで水をすくったり、 お土産屋でふざけてキーホルダーを選んだり。
ほんの少し“普通の高校生カップル” みたいな時間を過ごせたことが、 俺にはたまらなく嬉しかった。
午後3時過ぎ、伏見稲荷大社。
秋保 楓花
朱塗りの千本鳥居の前で 彼女が声を上げた。 その横顔は、どこか幻想的な光に照らされているようだった。
秋保 楓花
及川 徹
秋保 楓花
及川 徹
秋保 楓花
小さく笑いあって 肩が触れるくらいに近づいた。
鳥居のトンネルをくぐりながら 俺はふと手を伸ばした。 彼女の手に触れて、握る。
及川 徹
ふたりだけの時間が ゆっくりと流れていた
岩泉 一
絵梨奈
岩泉 一
絵梨奈
岩泉 一
絵梨奈
岩泉 一
絵梨奈
絵梨奈
岩泉 一
絵梨奈
*゚♡o+:;;;:+o♡o+:;;;:+o♡o+:;;;:+ 楓花ちゃんが、浴衣の袖をたくしあげながら、畳にごろんと寝転んだ。
秋保 楓花
絵梨奈
くすっと笑い合う。 修学旅行の夜って、どうしてこう ちょっと魔法がかかったみたいに 心がふわっと軽くなるんだろう。
秋保 楓花
絵梨奈
秋保 楓花
楓花ちゃんは、まっすぐこっちを見ていた。 目をそらさずに。
あたしは少しだけ笑って 正直な気持ちを口にした。
絵梨奈
楓花ちゃんの目が、すこし潤んだように見えた。
絵梨奈
楓花ちゃんは、少し驚いたような顔をして でもすぐに笑ってくれた。
秋保 楓花
秋保 楓花
絵梨奈
秋保 楓花
絵梨奈
ふたりで、声を上げて笑った。 気づけば夜は更けていて ほかの子たちはもう寝息を立てていた。
修学旅行 二日目
嵐山の空は高くて、澄んでいて 雲一つない。 渡月橋のたもとに立って、川のせせらぎを耳にしながら 俺は彼女の横顔をそっと見つめていた。
岩泉 一
絵梨奈
絵梨奈は、橋の欄干にそっと手を置いたまま、向こう岸の紅葉を見つめていた。 風に揺れる髪が、ほんの少しだけ細くなった頬をなでている。
及川 徹
秋保 楓花
及川 徹
俺たちはそのまま ゆっくりと橋を歩き出す。 少し後ろで、岩ちゃんと絵梨奈が軽くじゃれ合っている声が聞こえた。
及川 徹
秋保 楓花
俺は、彼女の手をそっと握る。 一瞬だけ戸惑ったように目を見開いたけど、それから静かに指を絡めてくれた。
及川 徹
秋保 楓花
ふたりの影が、渡月橋の上に寄り添ってのびていく。
流れる川の音が、まるで未来へと続くメロディのように響いていた。