リョウ
これはエジプトの旧い呪術の話なんだけどな。
毎年恒例の怪談大会。今年はリョウの家に集まって、散々遊んだ日の夜、待ちに待った階段大会が始まった。そして、リョウは神妙な面持ちで語り始めた。
ナギ
外国の話なんかよく知ってるな。
ケイ
エジプトってどこだ?なんかピラミッドとかでよく聞く国だけどよー知らんなw
リョウ
まぁ聞けよw
リョウ
まぁそれで、エジプトのとある村のはずれに薄暗い薬屋をやってる婆さんがいたんだと。
リョウ
だけどまぁ、その婆さんのことを村の奴らは気味悪がって、薬屋の植木に火を放ったり、大吹雪の時に店の扉や窓を壊したりしたり、まぁ散々な事をやったそうだ。
ナギ
クソ野郎たちだなwそんなんやるくらいなら転居してもらうなり話つければいいのに。
ケイ
それなw
リョウ
でもな、その婆さんが一歩も引かないんだよ。
リョウ
立ち退きもしなけりゃ、村の奴らに仕返しをするわけでもなかった。
リョウ
それを面白くないと思った村の男たちはとうとう婆さんを殺そうと考えた。
ナギ
まじクソだなー。
ケイ
自分勝手すぎて引くわwまぁとはいえそこまで来るレベルだったら婆さんもとっととそんなクソみてえな村出てけばいのにとは思うけどなw
リョウ
男たちは計画を立て、薬屋に忍び込んだある晩だった。
リョウ
薬屋のカウンターでうたた寝をする婆さんを見て、
リョウ
男たちはしめた、と思ったんだ。
リョウ
息を殺して婆さんにナイフを振りかざした時、
リョウ
男たちの中の一人があることに気がついたんだ。
ナギ
なぁ、おい、この婆さん…
ケイ
Tnitterしてんぞー!!
ナギ
現代かよwwwwww
ケイ
メンヘラwwwwww
リョウ
なぁ、聞く気あるんかwww
ナギ
おうwあるぜw
ケイ
いやなに、リョウがあまりにも真剣だからさw
ケイ
ちょっとふざけたくなっちゃったっていうか?w
リョウ
おいw
リョウ
んで、なんだっけ?w
リョウ
あー
リョウ
そうそう。
リョウ
ナイフを振りかざした時、男たちの中の一人が言ったんだ。
リョウ
「おい、なぁ、この婆さん
リョウ
なんか言ってねえか?」
リョウ
男たちはギョッとして耳をすました。すると、
リョウ
婆さんは同じ言葉をずっと繰り返して言ってたそうだ。
ナギ
なんて言ってたん?
リョウ
レントサニハニーデンス
リョウ
アフトゥルカ
リョウ
だったかな。
ケイ
どゆ意味?
リョウ
えっとー、殺してやるみたいな意味だったかなw
ナギ
テキトーだなwそこ重要なのにw
リョウ
すまんw
リョウ
それでな、
リョウ
うずくまってずっとその言葉を繰り返していた婆さんが、ピタッと読むのをやめて、凄い速さで首を回転させて男たちの方を向いたんだ。
リョウ
そして、今までブツブツと頑張らなきゃ聞き取れないような声で唱えていたのとは打って変わって
リョウ
「レイラ」と言った。
ナギ
女の子で居そうな名前だな。どういう意味?
ケイ
レイラちゃんか〜いいねぇ〜
リョウ
その言葉を言ってから、その婆さんはバタッと倒れた。もうその時点で脈はなく、息もしていなかった。
リョウ
婆さんを殺そうと思っていた男たちだったが、自分たちが手を下す前に死んでくれて、これはラッキーだと思った。
リョウ
男たちは婆さんを布でぐるぐる巻きにしてとても深く掘った穴に埋めた。
リョウ
それから数十年経った時の事だった。