ゆう
…ん、んん…?……あれ、れるち…と、こえくん、くにお、こったん…
ゆう
…なんで?…そういえば…ここは…
れるちがゆうさんの手を握って、涙目でこちらを見つめている。…本当は、申し訳ないと思わないといけないんだけれど、その光景が、美しく、この状況がとても幸せに思えた。
れる
ゆうくん!…ゆうくん、ごめんな。
れるのせいやろ。
こえ
みんな、ゆうくんが辛いことに気付けなかった…ごめん!
くに
俺ら、仲間が大事なんて言っときながら…ごめんね、ゆさん。
こったろ
ゆうくん、つらいときはちゃんと相談して、でも…気づいてあげられなくてごめんね。
みんなが口々に謝ってくる。皆のせいじゃないのに。
自分の体調管理ができなかった僕が全部悪いのに。
それなのに、今までにないほど喜んでいる自分がいる。
ゆう
…みんなのせいじゃないよ。自分の体調管理ができなかった僕が悪いから。謝らないで。皆に言わなくてごめんね。
ゆう
(れるちが僕"だけ"を見つめていることに感謝しかしてないじゃん。ごめんねなんて嘘じゃん。)
ーこえくん、そんな悲しい顔見せないでよ。
ーこったん、僕のことで悩まなくて良いんだよ。
ーくにお、考えすぎだよ。僕もみんなの事大事なのに。
ーれるち…れるち、ごめんね。
ゆう
(…っはは…最低だなぁ、僕。やっぱり、僕なんて…)
れる
生きててくれてありがとう。ゆうくん。
ゆう
……え
れる
死ななくて、生きてて、本当に良かった
れる
皆、ゆうくんのことが好きで好きで仕方なくて、心配してるんやで。
ゆう
(すー…え?……どうしよう。そういう意味じゃないって分かってるのに。…嬉しい。れるちが、今、好きってー。)
ゆう
(みんなにバレたらやばい。でも…なんだか、幸せだなぁ。)
ゆう
(れるちに大好きって言われただけじゃん。なのに。ものすごく、嬉しい。)
その後、お医者さんから、少し休んでから帰るように説明を受けた。
ゆう
(と、とりあえず、れるちと話をしなきゃな気がする…。れるち、まだショック受けてるし…。)
ゆう
…みんな…えと、れるち以外、一回病室の外に出てくれない?少し、話したいことがあるんだ。ごめんね、あんまり聞かれたくないから…。
こえ
わかったー
くに
はーい
こったろ
了解。
ゆう
(よし、これで万全に話せる準備が整った。…でも、これはこれでちょっと気まずいかも…。)
れる
…やっぱり…れるが悪いよなぁ…。
ゆう
え
れる
好きでもない人にDキスされて、嬉しいわけないし…ゆうくん、ほんとごめん。れるが考えなしやった。
ゆう
(僕が勝手に悩んだだけだよ。違うんだよ。れるち。僕が勝手に舞い上がっただけなんだよ。)
れる
ごめん、もうしないから。
ゆう
…え?
ゆう
っ嫌だ!!
れる
……え
ゆう
(嫌だ。なんでそうなるの、ちがう。)
ゆう
れるちは身勝手だよ!!
れる
ど、どうしt
ゆう
ゆうさんが!いつ!れるちにされるのは嫌ですって言ったの!!
ゆう
れるちは言われた覚えあるんですか!!
れる
っだって、あのとき、ゆうくんのこと、困らせちゃってー。
ゆう
質問に答えてから喋ってください!!れるちはゆうさんに嫌だって言われたんですか!!
れる
いや、言われてはないけど…でも
れる
じゃあなんで…栄養失調なんて…
ゆう
(…れるちのわからず屋。なんでここまで来て好きだってわかんないの!)
ゆう
(鈍感すぎて話にならない。ゆうさんは不貞腐れましたー。)
れる
てか、なんでゆうくん、怒ってるの?
ゆう
…れるちのばか。
れる
え"、なんで。
ゆう
(ばかだよ。ゆうさんから言わせないでよ。)
ゆう
(言いたくないのに。確かにれるちと話をしようと思ったのはゆさんからだけど!)
ゆう
(でもなんでゆさんから言わなきゃなんないのさ!ほんとばか。ひどい。…でも……)
ゆう
好きだから
れる
……へ?
ゆう
っもー!だーかーら!好きなの!れるちのことが!!
れる
それは…まさか
ゆう
……うん。恋してます。れるちに。ゆさんが。
れる
………
れる
っ………嘘っ………