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ふぁ~う~ん…

朝起きて背伸びをする主

ムー

主様おはようございます。

おはよう。ムー。

何の変哲もない朝の何の変哲もない あいさつ。

ムー

主様、今日は、フェネスさんが主様とお出かけされる日でしたよね?

うん。そうだよ~。
ムーも行きたいの?

ムー

主様とフェネスさんがいいのなら、ぜひご一緒したいです。

私は全然いいよ~。

数日前に遡る。

コンコン

(ん?誰だろ?)

フェネス

主様、お部屋に失礼してもよろしいでしょうか?

(フェネスか。どうしたんだろ?)
いいよ。どうぞ。

フェネス

失礼します。

どうしたの?

フェネス

あの…。
(今日こそは言わなきゃ。主様とお出かけしたいって。)

何か言いにくいこと?
無理に話さなくても大丈夫だよ。ゆっくりでいいからね。

フェネス

(やっぱり主様はお優しいお方ですね。なら、俺はちゃんと言わなきゃ。)

フェネス

主様、俺と一緒にお出かけしませんか?!////
(言っちゃった////)

え?今から?!

フェネス

あっ、いや、予定を組んで別日に。

それならいいよ。
フェネスは、どこに行きたいの?

フェネス

主様はボスキとこの前、街に行かれましたよね?俺も主様と2人で街に行ってみたいです。
ダメでしょうか…?

(あ~、この間、ボスキと2人で…////ってまた、思い出しちゃった///)

赤くなる主にフェネスは

フェネス

お顔が真っ赤ですよ?
もしかして、俺と2人でお出かけって聞いたからですか…?///

(ボスキのことはバレちゃいけないし。話を合わせなきゃ!)

うん。

フェネス

では、一緒に行ってくださいますか?

いいよ。

そして、今に至る。

ムー

楽しみです。どんな物があるんでしょう。

色々あったから、一緒に見て回ろうね。

ムー

はい。

コンコン

あっ、来たみたいだよ。

フェネス

主様、お部屋に失礼してもよろしいでしょうか?

うん。いいよ。

フェネス

失礼します。主様。
おはようございます。

ムー

フェネスさんおはようございます。

おはよう。

フェネス

ムーもいたんだね。
おはよう。

ムー

はい。あの、フェネスさん。

フェネス

ムー

今日は、主様と街に行かれるんですよね?僕も行っても良いですか?
主様には先程、許可をもらったのですが。

フェネス

(え?どうしよう。2人でだと思ってたから、ムーが行けないような場所までピックアップしちゃった...。それよりも、主様が許可した手前、今更、2人きりがいいなんて、とてもじゃないけど言えないし////)

と困り顔のフェネスに

ムー

やっぱりダメでしょうか?

ダメだった?!

そう逆に悲しそうにするムーと焦る主。

フェネス

(いやいや、俺の気持ちよりも主様がしたいことをさせてあげなきゃだよね。主様を困らせてたんじゃ、気持ちを伝えたところで、伝わるわけがないし。)

フェネス

いえ、大丈夫ですよ。では、ムーと主様と3人でお出かけしましょう。一応、他の執事にもムーが、俺たちと出かけてくることを伝えてくるよ。

ムー

フェネスさん、ありがとうございます。

ありがとう。フェネス。

そう笑顔になる主に

フェネス

(よかった。笑ってくれた。うん。きっと、どこかで伝えるチャンスはあるはずだし、このまま行こう。)
では、主様、少しお待ちいただけますか?ムーのことをほかの執事に伝えましたらすぐ戻ってきますから。

わかった。待ってるね。

ムー

はい。
お待ちしております。

そうして、フェネスが考えていたお出かけではなくなったが、今日1日が始まろうとしていた。

そして、フェネスがムーのことを他の執事に伝え終わり、主とムーを部屋に迎えに行った後、3人は街まで来ていた。

フェネス

主様、どちらに行かれたいですか?

う〜ん。前回もそうだったんだけど、私、あんまり街に詳しくないから、前回はボスキの行きたいところって提案して、街をぶらぶらしたんだよね。
だから、今回もフェネスさえよければ、フェネスの行きたいところに行きたいな。あとは、ムーの行きたいところにもね。

二人を見て微笑む主。

ムー

主様、ありがとうございます。僕は、食べ物があるところがいいです。

相変わらずだね…。

苦笑する主。

フェネス

ムーったら、夕方には戻るんだから、食べ歩きしすぎないようにね。

ムー

はい。フェネスさん。

フェネス

でも、そうですね。主様が特段行きたい場所がないのであれば、今日は俺が主様にこの街を案内させて頂ければと思います。実は、主様が気に入りそうな場所をいくつか見つけたので。

そうなんだ。行きたい。

ムー

僕もフェネスさんがおすすめする場所なら行きたいです。

フェネス

では、参りましょうか。

そうして案内されたのは、なんと水族館らしき場所。

フェネス

こちらは、この街名物のお魚が見られる場所です。この中を泳いでいる子たちの知識を学んだり、気に入った子は連れて帰れますし、館内の別エリアでは、食事も堪能できます。

わぁ~。すごい!!向こうの世界の水族館みたい!!

フェネス

水族館?なるものもこのような感じなのですか?

うん。大きな水槽にたくさんの海のお魚がいるんだよ。

ムー

本当にすごいですね。
美味しそうなお魚がいっぱい泳いでいます。

フェネス

こらこらムー。ここのお魚は食べ物ではありませんよ。

ムー

残念です。

ふふっ。

ムー

でも、別のエリアではご飯が食べられるんですよね?もう、今から待ちきれないです。

ムーったら。食べることしか考えてないんだから。ふふふっ。

フェネス

(主様楽しそうだな。連れてきてよかったのかも。)

フェネス

主様。では、経路があるみたいなので、まずこちらから回って行きましょう。

うん。

それからひとしきりお魚やクラゲ等を見て回った後、お昼になったので、別エリアへ食事をしに3人で向かう。

へぇ~。食事をする場所にも水槽があるんだね~。

フェネス

はい。こちらは、館内で埋め込み式の水槽にしているそうで、壁1面にお魚等が見られるんですよ。

ムー

すごいですね。こんなにすごいの見るの僕、はじめてです。

うん。なんだか、向こうの世界にフェネスたちと来てるみたい。

フェネス

本当に俺も主様の世界に行けたらよかったのですが...。

あっ、全然!!気にしないで。むしろ、同じものが見られて嬉しいし。

フェネス

主様…。ありがとうございます。

ムー

僕も主様とここに来られて同じものが見られて嬉しいです。

連れてきてくれてありがとう。フェネス。

フェネス

いえいえ。こちらこそありがとうございます。
一緒に来て下さって。

そして、3人は、癒しの空間でお魚を見ながら食事をした。

ムー

美味しかったですね。

本当に美味しかったね。

フェネス

それは、よかったです。

ムー

また、来たいですね。
主様。

うん。

フェネス

(すごい喜んでくれてる。よかった。)

ムー

あっ、主様、フェネスさんすみません。そのおトイレに行って来ても良いですか?

もちろんだよ!!
我慢しないで。
体に悪いから。

ムー

ありがとうございます。行ってきます!!

フェネス

(これってチャンスなんじゃ…。)

フェネス

あっ、主様!

?!

フェネス

(わぁ~。思ったより大きい声出しちゃった。
主様もびっくりされてるしどうしよう。)

ど、どうしたの…?
急に大きな声出して。

フェネス

ごめんなさい。

全然、大丈夫だけど…。

フェネス

主様。その、俺…主様のことが…。

タッタッタッ

ムー

すみません!
お待たせしました!

ムーおかえり。

フェネス

(もう、俺なにしてるんだよ。せっかく、主様に伝えるチャンスだったのに…)

フェネス

はぁ…。

フェネス?

フェネス

いえ、なんでもありません。それより、次は、俺が行きたいところへ向かってもよろしいですか?

ムー

どこに行くんですか?
楽しみです。

うんうん。

フェネス

それは…。

そして、3人は本屋へ向かう。フェネスのたっての希望だったからである。

フェネス

主様、すみません。

え?なんで謝るの?

ムー

そうですよ。なんで謝っているんですか?

フェネス

だって、俺が行きたいところが本屋だなんて、主様たちは全然楽しめないでしょう?

そんなことないよ。
私も本好きだもん。

ムー

そうなんですか?

フェネス

そうだったんですか?

ほぼ同時に驚くフェネスとムー。

うん。普段、あんまり見せないものね。私ね、本を読んでいるとその世界の主人公やヒロインになったみたいに、その世界に入り込めるんだよね。

ムー

え?

フェネス

なんか主様が言ってることわかる気がします。

ムー

どういうことでしょうか?

つまりね。夢中になっちゃうってこと。本を読むとね、その世界に夢中になって辛いことや苦しいことを忘れさせてくれるから。

フェネス

主様…。辛い時には俺を頼ってください。確かに2階の執事の中で俺は弱い方ですが、それでも主様を癒すことにかけては、俺は、誰にも負けませんから。

フェネス…。
ありがとう。その時は頼らせてもらうね。

フェネス

はい。

ムー

でも、フェネスさんは本屋さんに何かお探しに来られたのですか?

フェネス

実はね。最近ハマってる小説があって。れん…いえ、なんでもありません////

え?なに?

顔を真っ赤にするフェネスに主が聞くが、

フェネス

いえ、本当になんでもないんです。今言いかけたことは忘れてください///

おかしなフェネス。ふふっ。じゃぁ、私は、恋愛小説でも探そうかな。

フェネス

(ドキッ!)

ムー

僕は絵本ないか見てきます。

あんまり遠くへ行かないようにね。ムーすぐ迷子になるんだから。

ムー

はい。主様。

フェネス

(主様。わかっててわざと言ってる?///)

そして、主様とムーが別々の本棚に向かうのをフェネスは見逃さなかった。

フェネス

(主様は、確かこちらに来られたような。)

フェネス

(あっ!いた。)

どれがいいかな?こっちの本かな?こっちかな?フェネスに聞いたら教えてくれるかな…?

フェネス

お呼びですか?主様。

【ビクッ】

フェネス

すみません。驚かせてしまいましたか?

大丈夫。ちょっとびっくりしただけだから。
ははっ///

フェネス

何やら、そちらの本とこちらの本で迷われているようでしたが、よろしければ、俺がご一緒にお選び致しましょうか?

本当に?!嬉しい。ちょうど今、フェネスにどっちがおすすめか聞きに行こうと思ってたところだったんだ~。

そう笑顔で話す主にフェネスは得意げに本をおすすめした。

そして、フェネスのおすすめで恋愛とミステリーの融合した小説を読むことにした主。

一緒に選んでくれてありがとうね。

フェネス

いえ、俺も本が好きですから。それに悪魔の力で1度読んだ本の内容は覚えてしまうので。

そういえば、そんなこと言ってたね。すごいね。フェネスは。

フェネス

いえ、そんなことは…。主様の方がすごいですよ。あちらの世界とこちらの世界を両立できていて、尊敬します。

そんな…。フェネスの方が色々、知識豊富で、優しくて、いつも2階の執事を陰ながらサポートしていて、なのに鼻にかけるようなことはなくて、本当にすごいし、かっこいいと思うよ。

フェネス

主様…。
(そんな風に、俺のことを見てくれていたんだ…。でも、俺は主様が思っているようなかっこいい人間なんかじゃないのに…。)

フェネス?

フェネス

主様。俺の話を聞いていただけますか?

(改まってどうしたんだろ?)
うん。

フェネス

主様。俺、主様のことをずっと…。

その時、突然 ヴーヴーヴーヴー と聞きなれたサイレンが聞こえてくる。

フェネス

(こんな時に…本当にタイミング悪いなぁ…。)

住人の男性

大変だ!!天使が現れた!!

住人の女性

街の西エリアに天使ですって!!早く逃げなきゃ!!

店の店主

子供たちを安全なところへ!!

貴族女性

天使が出たのに悪魔執事はまだなの?!

タッタッタッ

ムー

主様~!

ムー!ここだよ!

主とフェネスのところに合流するムー。

フェネス

大変だ。街の人が混乱している!!早く天使を倒さなきゃ!!主様はムーと一緒に屋敷へお逃げ下さい!!そして、この事をみんなにお伝えください!!

フェネスはどうするの?!

フェネス

西エリアに行きます。天使はそこにいるとさっき住人たちが行っていましたから。

ムー

そんな!!フェネスさん1人でなんて危険すぎます!!

フェネス

でも、今すぐ駆けつけられるのは俺だけだから。大丈夫です。必ず無事に戻りますから。だから、主様はこの事をみんなに。そして、俺の悪魔の力を解放してください。みんなが来るまで必ず住人たちを守り抜きますから。

わかった。それなら…。私も行く。

フェネス

主様!!

ムー、急いでみんなを呼んできて!!

ムー

わっわかりました!
すぐ戻りますから、主様もフェネスさんもお気をつけて!

タッタッタッ

フェネス

何を考えておられるのですか?!

守り抜いてくれるんでしょ?

フェネス

それは…そうですが。

なら、フェネスを信じる。

フェネス

わかりました。その代わり決して俺の傍から離れないでくださいね。

うん。

そして、悪魔の力を解放する。

来たれ。闇の盟友よ。我は汝を召喚する。ここに悪魔との契約により、フェネスの力を解放せよ。

パァーと光る本

フェネス

ありがとうございます。では、急ぎますよ。

うん。

一方屋敷では…。

ヴーヴーヴーヴー

ボスキ

ちっ…。また天使か。
主様が出かけているってのに。主様は、大丈夫なんだろうなぁ?

ベリアン

どうやら、西地区で天使が2体現れたようです。今、屋敷にいるメンバーでは私とボスキさん、アモンくん、ハウレスくん、フルーレくん、ミヤジさん、ラトくんですが…。

ボスキ

西地区って…。主様が向かったすぐそばじゃねぇか!!

ベリアン

ボスキくん…。えぇ。
そう伺っています。

ベリアン

でも、今、主様はフェネスくんといますから、すぐにどうこうはないと思いますが、念の為、以下のメンバーは西地区に向かってください。

ベリアン

ボスキくん。

ボスキ

あぁ。

ベリアン

ハウレスくん。

ハウレス

はい。

ベリアン

以上の2名はすぐ、西地区に向かってください。

ハウレス

わかりました。

ボスキ

おう。任せてくれ。主様も街の奴らも俺が守る。

ベリアン

ボスキくんは頼もしいですね。

ハウレス

ボスキあんまり無茶するんじゃないぞ。

ボスキ

はっ。俺は無茶なんかしねぇ。どちらかと言ったら、今、主様といるフェネスの方が無理してるんじゃないか?

ハウレス

それは一理あるな。急ごう。

タッタッタッ

ムー

みなさん!!天使です!!
すぐ来てください!!

ボスキ

ムー。お前、主様はどうした。

ムー

それが…。

ハウレス

ボスキ、今は話している暇は無い。急ぐぞ。ムー、主様の居場所はわかるか?

ムー

はい!!

ハウレス

案内してくれ。

ムー

わかりました。

ボスキ

ちっ。

ボスキ

(主様。無事でいてくれよ。すぐ行くからな。)

そうして、屋敷を飛び出すハウレス、ボスキ、ムーを見送るベリアン。

ベリアン

どうか、みなさんご無事でお戻りくださいね。

その頃、主とフェネスは天使と対峙していた。

天使

死になさい。
命のために…。

フェネス

はっ!!

ブン! 大斧がすごい勢いで天使を目掛け振るわれるが、天使もスピードが早く避けられる。

フェネス!!右!!

ヒューン とフェネス目掛け突進してくる天使。

フェネス

はっ!!

ガキン!! と天使をはじくフェネス。そして、その勢いで近くの民家に突っ込む天使。 ドゴーン!!!! と辺りに響く衝突音。

次は、後ろ!!

フェネス

はっ!!

後ろから来た天使は避けきれず、 フェネスに破壊される。

天使

死に…なさ…い…ために

フェネス

はぁぁぁ!!

ゴチュリ。 パァー 1体消える天使。

フェネス

(まさか、天使が2体いるなんて…。俺一人で持つかなぁ…?でも、主様だけは、〇〇さんだけは絶対に守りきらなきゃ!!)

すると、民家に突っ込んでいた天使が、主目掛けて突進してくる。

天使

死になさい。
命のために…。

主は、フェネスの大斧が当たらないよう、はじめから少し離れた建物のそばに居た。

(マズイ。
これじゃ当たっちゃう!!)

目をぎゅっとつむる主。

フェネス

〇〇さぁぁぁぁぁん!!!!!!

ガキン、キーン

その時、主は自分に突っ込んできた天使が自分に当たらず何かに弾かれる音を聞き、目をあける。すると主の目の前には、見慣れた者の姿が映し出された。

ボスキ

よう。主様。
無事か?

ボスキ!!

ボスキ

フッ...。大丈夫なようだな。危ねぇから主様は下がってろ。今、片付けるからよ。

というとボスキは天使に刃を向け切りかかる。

ムー

主様ご無事ですか?!

うん。ボスキが助けてくれたから。

ハウレス

よかったです。お怪我もされていませんか?

うん。

そういうとハウレスは主を庇うように主の前で武器を構える。そして、ムーも小さな体で主を庇おうと主の前に立つ。

フェネス

ボスキ。ハウレス。

ボスキ

フェネス、ありがとうな。主様を守ってくれて。

フェネス

ううん。俺は、ボスキが来てくれなかったら、主様を守りきれないところだったから…。悔やんでも悔やみきれなくなるところだったよ。

ハウレス

いや、フェネスがいてくれたからこそ、今、主様はこうして生きて目の前にいてくれるんだ。俺からも言いたい。ありがとう。フェネス。

ムー

主様が無事でよかったです。

ムー。ボスキとハウレスを呼んできてくれてありがとうね。

ムー

いえいえ。主様とフェネスさんのお役にたててよかったです。

ボスキ

けど、フェネス。主様の名前を口にするのは執事としてどうなんだ?

フェネス

それは…。

ハウレス

おい。来たぞ!!
前を見ろボスキ!!

ボスキ

ちっ。言われなくてもわかってる。

天使

死になさい。
命のために…。

ガキンキーン、ズシャッ

天使

死…さい…いの…た…に…

ボスキ

うるせぇ。ちりやがれ。

グシャッ パァー

そして、天使は討伐された。

それから、主はハウレス、フェネス、ボスキ、ムーと屋敷へ戻ってきた。

ベリアン

おかえりなさいませ。
主様。
そして、みなさんご無事で何よりです。

ベリアンが迎えてくれた。

ただいま。ベリアン。

ボスキ

あぁ。ただいま。
ベリアンさん。

フェネス

ただいま戻りました。
ベリアンさん。

ハウレス

ありがとうございます。ベリアンさん。
無事に戻って参りました。

ムー

ただいまです。
ベリアンさん。

ベリアン

心配しておりました。
みなさんがもし天使に…。

ハウレス

大丈夫です。主様がいる限り、俺たちは絶対に負けません。

フェネス

はい。俺も主様やみんながついていてくれたので頑張れました。

ボスキ

あぁ。主様を守れなきゃ、悪魔執事になった意味がねぇ。絶対守りきるし、全然に死にやしねぇ。

ムー

僕もです。主様に拾われていなきゃ、僕は執事になるどころか生きていくことすらままならなかったと思います。だから、僕を救ってくれた主様やみなさんのお役にたてるなら僕だってササミ1年分、いや2年分かけてもいいです!!

ボスキ

いや、そこは命じゃないのか?

フェネス

ムーらしいね。

ハウレス

食い意地がはっているのは、バスティンにそっくりだな。

ベリアン

フフ...。

ぷっ。あはははっ。

フェネス

フフフッ…。

ボスキ

フッ...。

ハウレス

ふふっ…。

そうしてみんなで笑う。とにかく、無事に戻れたことをみんな安堵し、ロノが作った夕食を食べると、主は部屋に戻り、ベッドサイドに座った。

(今日は、濃い一日だったなぁ~。)

ムー

主様、今日はお疲れ様でした。

ムーこそ、お疲れ様。

ムー

ところで主様、今日はいっぱい動きましたから、体が痛くなったりしていませんか?

言われてみれば、ちょっと、足筋肉痛かも…。

ムー

では、僕が、ルカスさんのところに行って、何か主様の筋肉痛に効くものをもらってきますね。

ムー。ありがとう。じゃぁ、お願いしてもいい?

ムー

はい。お任せください。では、ちょっと行ってきますから。主様はゆっくりお過ごしくださいね。

うん。ありがとう。

そして、ムーがルカスのところへ行った後、

コンコン

(ん?ムーかな?
早いな。)

フェネス

主様。お部屋に失礼してもよろしいでしょうか?

(フェネス?)
いいよ。どうぞ。

フェネス

失礼します。主様。
今日は、お疲れ様でした。お怪我はなかったですか?

うん。フェネスとボスキとハウレスが守ってくれたから、怪我はしてないよ。

フェネス

怪我はということは、どこか別のところが痛いのですか?

あっ、ちょっと足が筋肉痛になっちゃって。普段、あんまり動く仕事してないからさ。

フェネス

大丈夫ですか?あまり、痛むようならルカスさんに言って塗り薬を頂いてきますが…。

大丈夫だよ。今、ムーが取りに行ってくれてるから。

フェネス

そうでしたか。今日は、たくさん歩かせたり、走らせたりしてしまいましたからね。申し訳ありません。主様。

全然!!気にしないで。元々、私が運動不足なのがいけないから。

フェネス

いえ、主様は悪くありません。俺が悪いんです。あまり、運動されない主様に合わせて行動できなかったから…。きっと、ハウレスやボスキなら主様に合わせて、適度に休憩できるところを探して、動けていたはずですから…。

フェネスだって、私に合わせてくれたじゃない。水族館みたいなところへ連れて行ってくれて、癒してくれたり、ご飯休憩作ってくれたり、ゆったりできる本屋さんに連れて行ってくれたり。私、すごく楽しかったし、癒されたよ?

フェネス

主様…。
(やっぱり、主様は優しいな。俺、やっぱり主様…〇〇さんが好きだ。誰にも譲りたくない。)

今日は、本当にありがとうね。また、よかったら誘ってね。

フェネス

はい。もちろんです。
主様。

フェネス

それで、主様。本屋で言いかけたことですが…。

あっ、そういえば、何か言いかけてたよね。天使のことでごたついて、忘れていたけど…。

フェネス

はい。俺、主様…〇〇さんのことが好きです!誰にも譲りたくありません。〇〇さんには俺だけをみてもらいたいです。

フェネス…/////

(まさか、フェネスがそんな風に私を見ていたなんて…////でも、私にはボスキが…。)

フェネス

でも、この事への返答は今はしないでください。

え?

フェネス

今日、俺は、ボスキがいなかったら主様を守りきれなかった。いや、確実に死なせていたでしょう…。そんな弱いままの俺で主様の隣を歩くことは、俺にはできません。だから、もっと強くなって、俺1人でも主様を守り切れるようになった時に、もう一度、告白します。だから、その時まで返答をしないでください。
今、主様に告白したのは、俺が強くなるための宣言みたいなものなので。ただ、主様には俺の気持ちだけは知っていてもらいたいです。

うん。わかったよ////
じゃぁ、今は何も言わないね。

フェネス

はい。
はぁ~。ようやく言えた。スッキリした。
主様、聞いて下さりありがとうございました。
では、今日もゆっくりお休み下さいね。
失礼します。

うん。おやすみ。
フェネス。

フェネス

はい。おやすみなさい。主様。

そして、部屋を後にするフェネス。

フェネス

(今はこれでいい。)

ボスキ

よう。フェネス。

フェネス

ボ、ボスキ?!どうしたの?こんなところで…。

ボスキ

ん?主様の様子を見に行くところだが、どうかしたか?顔真っ赤だぞ?

フェネス

あっ、いや別に…。

ボスキ

そうか。今日は、悪魔の力を解放したんだろ?無理せずにゆっくり休めよ。

フェネス

ありがとう。ボスキ。

ボスキ

それと、主様は譲らねぇぞ。

フェネス

ボスキ?////

ボスキ

コソコソ夜中に調べ物して、主様と今日出かけてただろ。それに、主様が危険にさらされたとき、フェネスは主様の名前を呼んでいたからな。フェネス、お前も主様が好きなんだろ?

フェネス

…うん////

ボスキ

だろうな。だが、譲らねぇ。

フェネス

俺だって、譲る気はないよ。絶対に強くなって、主様を振り向かせてみせる。ボスキと主様がどんな関係であろうと俺は、負けるつもりはない。

ボスキ

はっ。その時は、いつでも受けてたってやるよ。

そう、語り合う2人は互いに別々の方へ歩いていく。

フェネス

(まさか、ボスキにあんな宣言されちゃうとはね。俺も負けていられないな。頑張らなくちゃ!)

ボスキ

(フェネス。やっぱり、そうだったか…。まぁ、あの主様だ。そりゃそうだよな…。でも、俺もフェネスに負けねぇように主様を全力で守らなきゃな。)

それぞれの胸で火花が散る。 そんな夜の出来事だった。

(フェネス…。私、これからどうしたらいいのかな。さすがにボスキには言えないよね。言ったらきっとフェネスとの仲悪くしちゃうし。それに、今すぐ答え出すってわけじゃないから…うん。だまってよ。)

1人自己解決をする主であった。

おわり

この作品はいかがでしたか?

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コメント

1

ユーザー

もう好きっ!主様可愛んだけどcute( ◜𖥦◝ )

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