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音ノ小路 奏
先生さようなら
音ノ小路 響
さよぉーならー
先生
はい、さようなら
先生
気を付けて帰るのよ
音ノ小路 奏
はい
いつも通りのこの会話
ずっとこの会話を続けていたい
家に帰りたくない
だけど、
音ノ小路 奏
（帰らなくちゃ)
音ノ小路 奏
た･･･ただいま
母
……
音ノ小路 響
奏、行こう
音ノ小路 奏
うん……
私達姉妹は小さい頃から家庭内暴力を受けていた
こういうのを「虐待」と言うのだろう
音ノ小路 奏
お姉ちゃん……
音ノ小路 響
なに？
音ノ小路 奏
お腹すいたよ･･･
音ノ小路 響
……我慢すればその内にお腹いっぱい食べれるから
音ノ小路 奏
…………
小さい頃からそれしか言わない
助けなんて……来ないのに……
音ノ小路 奏
行ってきます
母
早く出てって
音ノ小路 奏
…………
音ノ小路 響
奏、早く行くよ
音ノ小路 奏
うん
知恵袋 雪花
オッはよー！
音ノ小路 奏
おはようございます
音ノ小路 響
おっはー
知恵袋 雪花
あれ？心做しか2人とも元気ない？
知恵袋 雪花
どうした？
音ノ小路 響
な、なんでもないよ！
音ノ小路 奏
…………
いつもそう言ってきた
だけど、
もう我慢できない！
音ノ小路 奏
虐待
知恵袋 雪花
え？
音ノ小路 奏
私達虐待されてるんです
音ノ小路 響
ちょっと奏！
知恵袋 雪花
それは本当なの？
音ノ小路 奏
はい
音ノ小路 響
…………
音ノ小路 響
そうだよ
音ノ小路 響
私達は物心着いた時から暴力を受けていた
知恵袋 雪花
なんでもっと早く言ってくれなかったの！？
音ノ小路 奏
迷惑がかかると思ったんです
知恵袋 雪花
……分かった
知恵袋 雪花
私が行くよ
音ノ小路 響
え？
知恵袋 雪花
私が2人のお母さんに会って話す！
音ノ小路 奏
そんな！
知恵袋 雪花
今から行ってくる
知恵袋 雪花
先生には私は病院に行ってるから遅れてくるって言っといて！
音ノ小路 響
ちょっと待って！
私達が手を伸ばした時にはもう遅かった
音ノ小路 響
……行こう
音ノ小路 奏
え？
音ノ小路 響
せっちゃんに任せよう
音ノ小路 奏
うん！
トントン
知恵袋 雪花
すいませーん！
知恵袋 雪花
響さんと奏さんの友達です
母
あら？お友達？
母
どうしたの？学校は？
知恵袋 雪花
あの、あなた、
知恵袋 雪花
虐待してませんか？
母
…………え？
知恵袋 雪花
あの2人から聞きました
知恵袋 雪花
小さい頃から暴力を受けていたって……
母
…………
母
ちっ）
知恵袋 雪花
え？
母
いいえ、なんでもないわ
母
あの二人が何を言ったかは知らないけど、
母
私はそんなことしてないわ
知恵袋 雪花
はぁ……
母
ほら！学校でしょ！もっと話したいんだったら違う日にしてちょうだい
バタン
知恵袋 雪花
（……なんにも聞けなかったけど
知恵袋 雪花
手がかりは掴んだし、
知恵袋 雪花
あとは大人に任せよう）
音ノ小路 奏
ただいま
音ノ小路 響
ただい･･･
母
ねぇ
母
喋ったそうね
母
私の事
音ノ小路 奏
そ･･･それは･･･
母
もう口開けなくしてやろうか！
バン！
音ノ小路 奏
痛いよ･･･
母
うるせぇ！口答えするんじゃねぇ！
音ノ小路 響
待って！
母
は？
音ノ小路 響
私なの……
音ノ小路 奏
え？
音ノ小路 響
私が言ったの･･･
母
自分から言うなんていい度胸してんな！
音ノ小路 響
奏！早くこの部屋から出て行って！
私はお姉ちゃんに押し出された
バン！バン!
肌を叩く音とお姉ちゃんへの暴言
それを聞いているだけで胸が張り裂けそうになった
音ノ小路 奏
イヤァァァァァ
私は耳を塞ぎながら叫んだ
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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