テラーノベル
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秋の風が、少しづつ冷たくなり始めた頃。
青葉城西バレー部は
次の大会へ向けて練習に熱を帯びていた。
葵も正式にマネージャーになり、
部の中に居場所を築きつつあった。
だが、その平穏を破るように1本のLINE通知が届いた。
(なんで今更…)
通知の名前を見た瞬間、葵の心棒は跳ね上がった。
あの時味方だったはずの人の名前。
裏切りの発端となった子だった。
行かなければという気持ちと行きたくないという本音。
それが何度もせめぎ合う。
岩泉 一
気づけば、岩泉が隣にいた。
朝霧 葵
岩泉 一
朝霧 葵
岩泉 一
朝霧 葵
岩泉 一
あまりに率直で、あまりに熱いその言葉に、胸がぎゅっと痛くなった。
同窓会当日。
会場に入った瞬間、ザワっと空気が揺れたのを感じた。
視線。
噂。
記憶の中と何も変わらない。
(なんで私来ちゃったんだろう。)
そう思った瞬間、声を掛けられた。
目の前にいたのは、かつて1番中が良かった子
そして最後に最も冷たく背を向けた子だった。
朝霧 葵
一瞬相手が驚いた顔をした。
朝霧 葵
朝霧 葵
自分でも驚く程に言葉は自然にでてきた。
青葉城西で学んだ本音の重みが今ここにある。
朝霧 葵
その告白に涙が出そうだった。
けれどここで泣くのは違う気がした。
朝霧 葵
そういった葵の顔にはかつての作り笑顔ではない。
心からの笑顔があった。
その帰り道。
スマホを開くと岩泉からのメッセージが届いていた。
岩泉 一
朝霧 葵
葵は短く返信を打つ。
風が冷たかったが、胸の得は不思議と暖かかった。
コメント
4件
これは岩ちゃんとくっつくか?
もう岩泉さんが…ねえ? ヤバいよ…惚れてまうやろっ!