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監督
監督の声に選手達が一斉にベンチへと戻ってくる。
彼らの顔は汗と気迫にまみれ、誰一人として気を抜いていなかった。
(すごい。これが勝ちたいって顔なんだ。)
県大会準決勝。
相手は因縁ある伊達工業高校。
鋼のブロックと評されているその守りに、
エース達は苦戦を強いられていた。
でも、それでも。
誰も諦めていない。
朝霧 葵
朝霧 葵
朝霧 葵
朝霧 葵
朝霧 葵
朝霧 葵
緊張感漂うベンチで、葵は懸命に支える。
マネージャーとして、選手と同じ熱量で戦場にたっていた。
岩泉が、水を飲みながらぼそっと言った。
岩泉 一
朝霧 葵
岩泉 一
岩泉 一
ここ。
青葉城西バレー部。
汗と声と、本気が交差する場所。
(ここが私の居場所なんだ。)
試合は最終セット。
点差は一点差で青葉城西がリードしている。
最後の一点を取れば、決勝進出。
だが、もし取られればデュースに連れ込む。
コートの中じゃない。
ベンチも観客席も、全ての空気が止まった。
朝霧 葵
あおいが叫んだ瞬間、及川のトスが宙を舞い_
及川 徹
どんと響いたスパイクの音。
床に打ち付けられるようなボールの音。
朝霧 葵
歓声。
喜び。
涙。
葵の頬を、いつの間にか涙が伝っていた。
朝霧 葵
チームの一員として。
ヒロインじゃなく、
脇役でもなく
自分自身として。
試合後、誰よりも先に葵に駆け寄ってきたのは、及川だった。
及川 徹
及川 徹
朝霧 葵
及川 徹
ニヤリと笑う及川に、葵も苦笑いする。
朝霧 葵
その時に答えたのは、岩泉だった。
岩泉 一
そう言って、彼はグータッチを差し出した。
葵はその手に自分の手を重ねた。
コメント
4件
青葉城西いいやつおおすぎるだろぉぉぉ
いいなあ…青春してる… まじキラキラ✨