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➰ ✿ nrkr
32
りおん
5,264
みかんのかんずめ
246
夜。
患者たちが、眠りについた病棟は、昼間とは違う静けさに包まれていた。
🦈
🍍
📢
三人の病室の灯りが消える。
けれど、___病院の奥では、まだ人の気配が消えることはなかった。
カツ、カツ、カツ
白衣の足音が、廊下に響く。
🍵
すちは一人、普段患者たちが通ることのない廊下を歩いていた。
突き当たりの扉の前で足を止める。
カードキーをかざす。
ピッ
重い扉が開いた。
その先に広がっていたのは、患者たちが一度も見たことのない空間だった。
白い壁。
無機質な機械。
壁一面に並べられたファイル。
そして、いくつものモニター。
研究員
🍵
研究員
研究員
🍵
渡されたタブレットを受け取り、画面を確認する。
そこには、三人分のデータが並んでいた。
『こさめ』
『なつ』
『いるま』
すちの指が、いるまの名前のところでとまる。
🍵
研究員
🍵
研究員
🍵
研究員
🍵
研究員
すちは黙ってしばらく画面を見つめていた。
🍵
研究員
研究員が部屋を出ていく。
静かになった研究室。
すちはタブレットを机の上に置いた。
🍵
小さく名前を呼ぶ。
その声は、いつもの優しい声だった。
けれど、その表情には、苦しさが滲んでいた。
その時。
カチャ。
後ろの扉が開く。
🌸
🍵
らんが研究室へ入ってくる。
机の上に並んだ資料を見ると、すぐに表情が曇った。
🌸
🍵
🌸
🍵
🌸
🍵
🌸
すちは答えない。
らんが一枚の資料を手に取る。
そこには、いるまの身体データと、投与記録が並んでいた。
🌸
🍵
🌸
🍵
🌸
らんの声が低くなる。
🌸
すちは目を伏せる。
🍵
🌸
🍵
🌸
🍵
🌸
🍵
すちは静かに笑う、
けれど、その笑顔はどこか、寂しかった。
🍵
🌸
🍵
すちの視線が、古い棚へ向く。
そこには、一冊のファイルが置かれていた。
🍵
🌸
🍵
🌸
🍵
一瞬だけ、二人とも黙る。
幼い頃のらん。
白い部屋。
何も知らないすち。
そして、あの頃の記憶。
🌸
🍵
🌸
🍵
🌸
すちは目を閉じる。
🍵
その声は、ほんの少し震えていた。
一方。
別の研究室では、モニターを見つめる研究員たちがいた。
研究員
研究員
研究員
研究員
研究員
画面に、いるまのデータが大きく表示されている。
研究員
研究員
研究員
研究員
研究員
その言葉を、偶然廊下を通ったみことが聞いていた。
👑
研究員たちが振り返る。
研究員
👑
研究員
👑
研究員
研究員
👑
みことは何も言えなくなる。
研究員たちは、そのまま作業へと戻った。
みことは一人、廊下に残される。
👑
拳をギュッと握る。
👑
その頃。
患者区域では、いるまが静かに眠っていた。
何も知らない。
自分の身体に何が起きているのかも。
なぜ自分だけが、他の二人と違うのかも。
そして____。
自分が、この研究施設にとって、大切な特別な存在だと言うことも。
病室の外を、すちが通りすぎる。
🍵
足を止める。
閉じた扉を見る。
🍵
その名前を呟いてから、すちは歩き出した。
その先には研究室。
その手には、いるまの記録。
そしてその記録には、新しい一文が追加されていた。
『追加検査対象』
その下に小さく、
『研究区域への移動を検討』
白い世界の裏側で。
三人の知らないところで。
少しずつ、何が動き始めていた。
コメント
1件
ああ、このエピソード…すちの優しい声と、裏側で進む冷たい研究の対比がたまらなかったです。特に「いるまちゃん」と呼ぶときの、苦しさの滲んだ表情が目に浮かびました。らんの「この場所がなんなのか分かる」という台詞も重くて。すちが「逆らえない」と語るシーンでは、彼の育った環境ごと抱えている哀しみが伝わってきて、胸がぎゅっとなりました。三人の知らないところで動き出す何か…続きが気になります🌷