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甘くにがく

10 - 甘くにがく10話

♥

45

2019年12月01日

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一ノ瀬亜喜

どうしたの?話って

万智野 咲空

あ、ごめんね?

万智野 咲空

練習終わりで疲れてるのに

一ノ瀬亜喜

いや、大丈夫

一ノ瀬亜喜

あ!咲空的確なアドバイス本当にありがと

一ノ瀬亜喜

地区大会で自分の攻撃パターンにメリハリとバリエーションをって思ってたから

一ノ瀬亜喜

咲空が来てくれて助かった

万智野 咲空

あ…うん、亜喜はもともとがすごくいいからあとは攻撃の成功率をあげることだけだね。

一ノ瀬亜喜

うん…そこが問題。

万智野 咲空

それより…

万智野 咲空

遥のことなんだけど…

一ノ瀬亜喜

え?

一ノ瀬亜喜

(なんで、遥のこと知ってるの。)

万智野 咲空

遥って、亜喜の彼氏なの?

一ノ瀬亜喜

え?

万智野 咲空

ごめん、この学校に転校しようって思ったのは

万智野 咲空

バレーをやりたかったって思ったから

万智野 咲空

でも、それより、

万智野 咲空

遥が好きだからなの

一ノ瀬亜喜

(咲空の目は私をはっきりと写した)

万智野 咲空

でも、遥と亜喜が付き合ってることを知った

万智野 咲空

それは、転校してからだから

万智野 咲空

ふたりの仲を壊しにきたわけじゃない。

一ノ瀬亜喜

そう…なんだ。

万智野 咲空

それで…

万智野 咲空

亜喜は遥のことが好きなの?

一ノ瀬亜喜

え、。…それは

万智野 咲空

私にとられてもいいって思う?

万智野 咲空

わたし以外の誰かでもいい、

万智野 咲空

他の人にとられてもいいって思う?

一ノ瀬亜喜

一ノ瀬亜喜

わたし以外の誰かといて、

一ノ瀬亜喜

そっちの方が幸せなら

一ノ瀬亜喜

いいと思う。

一ノ瀬亜喜

(なんだろ、今心から出た言葉は)

一ノ瀬亜喜

(この言葉だった。)

万智野 咲空

…それ…

一ノ瀬亜喜

え?

一ノ瀬亜喜

(咲空は顔を伏せた)

万智野 咲空

なにそれ

万智野 咲空

それってすきじゃないじゃん

一ノ瀬亜喜

…咲空?

万智野 咲空

ほんきで好きじゃないじゃん。

一ノ瀬亜喜

(咲空はうつむいたままだった)

一ノ瀬亜喜

ごめん…

一ノ瀬亜喜

でも本当に幸せになってほしいって思うの

一ノ瀬亜喜

そのための選択をしてほしい

万智野 咲空

ばか言わないで!!

一ノ瀬亜喜

(そういいきり咲空は顔をあげた。)

一ノ瀬亜喜

(その顔には涙が浮かんでいた)

一ノ瀬亜喜

(まばたきをしたら頬を涙が伝ってしまうほど…)

万智野 咲空

あのね、本気で好きなら誰にも渡したくないってなるの

万智野 咲空

本気なら自分が幸せにしてあげたいって思うの

万智野 咲空

本気ならなにごとも二人で分け合いたいって

万智野 咲空

ふたりでたくさんのことを一緒にやりたいって思うの!!!

万智野 咲空

亜喜は遥のことなんとも思ってないんだよ。

一ノ瀬亜喜

え、、。

万智野 咲空

ごめん、

万智野 咲空

こーなったのは自分が悪いのに…

一ノ瀬亜喜

咲空…

万智野 咲空

幼馴染みなの、

万智野 咲空

遥はわたしの…

一ノ瀬亜喜

そう…だったんだ

万智野 咲空

小さい頃から一緒にいて友達よりも深い関係になって

万智野 咲空

なんでも話せる唯一の人だった

万智野 咲空

困ったときはいつも遥が側にいてくれたし、

万智野 咲空

泣きたいときはそばで慰めてくれた。

一ノ瀬亜喜

(なんか、華みたいだな。)

万智野 咲空

それが恋だって気づいたときにはもう…

万智野 咲空

遅かったんだなぁ…

一ノ瀬亜喜

(亜喜は顔を伏せたままだったが)

一ノ瀬亜喜

(亜喜の目からなにかが落ちたのが)

一ノ瀬亜喜

(私には見えた)

万智野 咲空

これでも必死に追いかけたつもりなんだけど

万智野 咲空

遥は私の想像より早かった。

万智野 咲空

ばかだなぁわたし、

一ノ瀬亜喜

…咲空…

一ノ瀬亜喜

(咲空の気持ちがいたいほど分かる自分が)

一ノ瀬亜喜

(なにより一番怖かった)

万智野 咲空

もし、亜喜が遥のこと本気じゃないなら

一ノ瀬亜喜

(そのあとの言葉は想像がついた)

万智野 咲空

遥とは別れて…

一ノ瀬亜喜

万智野 咲空

どんな事情であれ

万智野 咲空

遥が亜喜と付き合ってること

万智野 咲空

納得できない。

万智野 咲空

亜喜と別れたことで遥の気持ちが

万智野 咲空

私に向くことはないって分かってる。

万智野 咲空

それでも、

万智野 咲空

自分は好きなのに、相手から返ってこないのは、

万智野 咲空

やっぱり辛いよ…

一ノ瀬亜喜

(そうか…)

一ノ瀬亜喜

(わたし、勘違いしてた)

一ノ瀬亜喜

(自分だけが辛いって勝手に思ってた)

一ノ瀬亜喜

(誰よりも一番我慢してたのは)

一ノ瀬亜喜

(遥だったんだな。)

一ノ瀬亜喜

咲空の気持ちもわからずに、

一ノ瀬亜喜

本当にごめん

万智野 咲空

謝罪が聞きたい訳じゃない。

万智野 咲空

謝るなら、遥に、謝ってよ。

一ノ瀬亜喜

ごめん…

万智野 咲空

じゃあ、わたしはこれで

万智野 咲空

ごめんね、呼び出して

万智野 咲空

気をつけて帰ってね

そして、全国大会

ベスメンは変わらず、さくらの代わりに 咲空が入った。

その後の練習ではなにも変わらず バレーをやっているときは咲空と亜喜は 素晴らしいパートナーになっていた

一ノ瀬亜喜

咲空、明日の決勝なんだけど…

万智野 咲空

んー、とりあえず3番狙っていこう

万智野 咲空

あそこが穴だと思う

一ノ瀬亜喜

わたしもそう思ってた

一ノ瀬亜喜

ねぇ、咲空…

万智野 咲空

ここまできたんだから

万智野 咲空

優勝しよう

万智野 咲空

私は亜喜を許せた訳じゃない

一ノ瀬亜喜

うん

万智野 咲空

でも…

万智野 咲空

バレーを全力でやってきたことは

万智野 咲空

ちゃんと認めてる。

一ノ瀬亜喜

咲空…

万智野 咲空

私たちなら大丈夫

万智野 咲空

私たちには…バレーしかないんだよ。

一ノ瀬亜喜

そうだね。

一ノ瀬亜喜

絶対勝とう。

一ノ瀬亜喜

必ず日本一になる

万智野 咲空

よし、いこう。

確かに咲空の言う通りだった

今の私には…

私たちには…

一ノ瀬亜喜

バレーしかないんだ。

そして試合が始まった。

第1セットは亜喜のチームがとり

取り返すように次のセットは 相手チームがとる。

その繰り返しで、第5セット…

万智野 咲空

亜喜!

一ノ瀬亜喜

はい!

一ノ瀬亜喜

よっしゃ!!!

万智野 咲空

ナイス!

私たちのセットポイント

このままいけば…

しかし、

ピーーーーーー!

試合終了の笛がなり

一ノ瀬亜喜

負け…た…

万智野 咲空

亜喜…

万智野 咲空

私たちよくやったよ。

一ノ瀬亜喜

負けちゃった…

一ノ瀬亜喜

私のスパイク、入らなかった。

万智野 咲空

亜喜…

一ノ瀬亜喜

ごめん咲空…

一ノ瀬亜喜

わたし…

万智野 咲空

亜喜は悪くない。

万智野 咲空

わたしが…うまく…その…

一ノ瀬亜喜

(咲空はわたしを励まそうと)

一ノ瀬亜喜

(必死に言葉を探していた)

一ノ瀬亜喜

(それがとても辛かった)

一ノ瀬亜喜

ごめん、トイレ。

万智野 咲空

亜喜…

藍沢 華

あ…

一ノ瀬亜喜

華…

一ノ瀬亜喜

(男子は日本一になったんだよね。)

一ノ瀬亜喜

(おめでとうって言わなきゃ)

藍沢 華

亜喜…泣いてるのか?

一ノ瀬亜喜

泣いて…ない。

一ノ瀬亜喜

(わたしと華はなんでもないんだから)

一ノ瀬亜喜

(こんなことで華に甘えたら)

一ノ瀬亜喜

(さくらに…彼女に悪いよ。)

藍沢 華

おい、どーしたんだよ

一ノ瀬亜喜

ほっといて。

一ノ瀬亜喜

日本一、おめでと。

藍沢 華

待てよ

一ノ瀬亜喜

(華はその場を離れようとしたわたしの腕を掴んだ。)

藍沢 華

亜喜…まさか、

藍沢 華

自分のせいで負けたとか思ってないよな

一ノ瀬亜喜

藍沢 華

おい、なんとか言えよ

一ノ瀬亜喜

わたし、わたしね、

一ノ瀬亜喜

私にはバレーしかなかった

一ノ瀬亜喜

今の私にはバレーしかなかったのに…

一ノ瀬亜喜

なのに…

藍沢 華

亜喜…

一ノ瀬亜喜

バレーもダメじゃんわたし。

一ノ瀬亜喜

(気づいたときには涙が溢れていた)

藍沢 華

一ノ瀬亜喜

自分に向き合わないで

一ノ瀬亜喜

遥のこと傷つけて

藍沢 華

亜喜…どーしたんだよ…

一ノ瀬亜喜

しまいには咲空のことも…

一ノ瀬亜喜

わたし、自分のことしか考えてなかった

一ノ瀬亜喜

自分だけが辛いんだって

一ノ瀬亜喜

ねぇ、華…

一ノ瀬亜喜

私、最低だよ。

一ノ瀬亜喜

わたし、最低な人間…

華は亜喜を抱き締めた

藍沢 華

うるせぇ

藍沢 華

それ以上なんも言うな

藍沢 華

亜喜はたくさん持ってる

藍沢 華

優しさだって、諦めない心だって

藍沢 華

信念だって…

一ノ瀬亜喜

華、離して…

一ノ瀬亜喜

(華の腕は私をさらに強く抱き締めた)

一ノ瀬亜喜

ねぇ、華は…華は

一ノ瀬亜喜

さくらの彼氏だから。

藍沢 華

亜喜…

一ノ瀬亜喜

ごめんね…さくら…

一ノ瀬亜喜

ごめんね…

一ノ瀬亜喜

(そのとき私は倒れてしまった。)

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