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Ground Zeros

第3話 - 悪夢と約束

2025年06月18日

#ウマ娘

#ウマ娘プリティーダービー

#ウマ娘プリティダービー

○

トレセン学園　屋上

シリウスシンボリ

……。

カツラギエース

……。

ミスターシービー

んー……。

マルゼンスキー

………？？

マルゼンスキー

…お通夜でもあったの…？

カツラギエース

違ぇ！つーか不謹慎だぞ！

シンボリルドルフ

こほんっ…とにかくまずは状況整理をしよう。

シンボリルドルフ

混乱している者もいれば初対面の者もいる。自己紹介も兼ねて…どうかな？

ミスターシービー

さんせーい。

シリウスシンボリ

…ふんっ。

カツラギエース

…えっと……そんなら…喧嘩の経緯について説明しなきゃな。

カツラギエース

……ってわけで、アタシはシリウスに自分の夢を否定されたって思っちまって、つい手を…

マルゼンスキー

なるほどねぇ…。
ちなみにあの時、ルドルフとシービーちゃんまで連れていかれたわよね？

マルゼンスキー

あれはどうして…？

シンボリルドルフ

我々まで喧嘩に加担していると思われたそうだ。だが、何とか説得できたよ。

ミスターシービー

もう…だから面倒事には巻き込まれたくないって言ったのに～。

ミスターシービー

ま、でもこうしてこの2人と出会えたんだし結果オーライかな？

マルゼンスキー

良かったわ…2人とも特待生なんだから、問題児扱いされるところなんて見たくないもの。

カツラギエース

…！？と、特待生なのか！？

ミスターシービー

そーだよっ。アタシはミスターシービー。この子はマルゼン、それと…

シンボリルドルフ

シンボリルドルフだ。

カツラギエース

すげぇ…エリート軍団じゃねぇかよ…！

マルゼンスキー

あらあら～、嬉しいこと言ってくれるじゃない♪ね？チョベリグよ、チョベリグっ！

カツラギエース

ちょ、ちょべり…なんだぁ？

マルゼンスキー

あら？知らないの？
チョベリグは「超ベリーグッド」の略で、今からだいぶ昔に使われてて…

ミスターシービー

はいっ、とにかくこれで一件落着だね！とにかくもう喧嘩はダメだよ？

シリウスシンボリ

(「無視されてやがる…。」)

カツラギエース

とにかくすまねぇ…皆。アタシのせいでこんなことになっちまった。もうこれからはしねぇって誓うっ！

シンボリルドルフ

過ちは誰にでもある。反省しているならもう責めたりしないよ。

カツラギエース

ルドルフ……

マルゼンスキー

そうだっ、せっかくのご縁だし…良かったら放課後にお茶でもどうかしらっ！

ミスターシービー

お、いいね。他の皆は？

カツラギエース

アタシも…！アタシも行きたいっ！

シリウスシンボリ

断る。

マルゼンスキー

はにゃ…？

ミスターシービー

連れないなぁ…どーしたのさ、何かこの後用事とかあるの？

シリウスシンボリ

…ケジメは付けた。これ以上は馴れ馴れしくするつもりはねぇ。

ミスターシービー

……へぇ。

カツラギエース

シリウス…

シリウスシンボリ

勘違いするなよ、拗ねたりだとか恨みだとか子供染みた理由じゃねぇ。

シンボリルドルフ

……。

シリウスシンボリ

…じゃあな。

カツラギエース

なっ…お、おい…！！

マルゼンスキー

気難しい子ね…根は悪い子じゃなさそうなのに。

ミスターシービー

だねぇ……でもいつか心開いてくれるさ。でしょ？

ミスターシービー

そーだ、ルドルフは来る？

シンボリルドルフ

…。

シンボリルドルフ

…すまない、急用を思い出した。
誘ってくれてありがとう。お茶はまた今度行くよ。

ミスターシービー

わぉ…行っちゃった。

カツラギエース

…アイツらってさ。

カツラギエース

何であんな、ギスギスしてんだ…？

ミスターシービー

……。

ミスターシービー

……さぁね。

トレセン学園　昇降口付近

シリウスシンボリ

………。

シリウスシンボリ

………自分の夢、か。

10年前

シリウスシンボリ

はぁ……！はぁ…！！

シリウスシンボリ

る、ルナ…！待ってくれよ～っ！

シンボリルドルフ

ゴールは木の下だ！行ってるぞ、シリウスっ！

シリウスシンボリ

はっ…！！はっ……！！

シリウスシンボリ

……はぁ…！つ、疲れたぁ…

シンボリルドルフ

ははっ、またわたしの勝ちだな…！

シリウスシンボリ

ぐっ…も、もう一回しょうぶ！しょうぶしろ！ルナっ！

シンボリルドルフ

そうしたいところだが…もうかえる時間だ、お母さんが心配してしまう。

シリウスシンボリ

えっ……で、でも…！まだわたしは…！

シンボリルドルフ

今日はもうやめよう？また明日駆けっこすれば…

シリウスシンボリ

やだ！いやだっ…！！ルナに勝つまで諦めるもんか！

シンボリルドルフ

シリウス…。

シリウスシンボリ

っ……私だって…勝ちたいんだっ…

シリウスシンボリ

ルナは…速いから……私の気持ちなんてっ…

そうだ。

シリウスシンボリ

……え？

君は負けた。

シリウスシンボリ

る、ルナ…？

私には勝てない。

シリウスシンボリ

ち、違うっ…！私だってルナに勝てるっ！速く走ってルナと楽しく…

敗者に同情など要らない。

私の理想の邪魔をするな。

シンボリルドルフ

…？シリウス…？そんなに走りたいなら、もう一度だけ…

シリウスシンボリ

やめろッ！！

シンボリルドルフ

！！

シリウスシンボリ

ぁ…ぅ…

シリウスシンボリ

(気のせい……か…。)

シリウスシンボリ

……ごめん、やっぱり今日はもう…

シンボリルドルフ

シリウス…？

シリウスシンボリ

………じゃあ…また今度な…

シンボリルドルフ

……

シンボリルドルフ

どうしたんだ…一体…

シリウスシンボリ

……ﾁｯ。昔のことだろ…もう。

シンボリルドルフ

シリウス…！！

シリウスシンボリ

……！お前…着けてきたのか…！？

シンボリルドルフ

君が心配だからだ…それよりどうして断った？せっかく皆から誘いを受けたのに…

シリウスシンボリ

…私に指図するな。

シンボリルドルフ

…なぁ、いい加減訳を話してくれたらどうだ。

シリウスシンボリ

……。

シンボリルドルフ

私への嫌悪も、エースへの挑発も理由は私には分からない。

シンボリルドルフ

前者はいい。が、後者に関しては見逃すわけにはいかない。エースも皆も君のことを受け入れてくれたのに、あんな仕打ちは…

シリウスシンボリ

違ぇよ。

シンボリルドルフ

なに…？

シリウスシンボリ

"アンタ"だ。

シリウスシンボリ

アンタがいるから行かないんだ。それだけのこった。

シリウスシンボリ

エースへの挑発の理由は…アンタに話したところで変わるわけでもねぇしな。

シンボリルドルフ

……

シリウスシンボリ

…用件はそれだけか。

シリウスシンボリ

アンタももうすぐ"皐月賞"だろ。アイツらと絡む時間も大事だが、練習もしっかりするんだな。ルドルフさんよ。

シンボリルドルフ

……待て。

シリウスシンボリ

あ？用件はないんじゃねぇのかよ。

シンボリルドルフ

皐月賞…私は1着を取る。

シンボリルドルフ

もし有言実行ができたなら、話してくれないか。

シンボリルドルフ

君が私に…嫌悪する理由を。

シリウスシンボリ

……。

シリウスシンボリ

…はぁ。お前、本当に馬鹿だよな。ルドルフ。

シンボリルドルフ

…？

シリウスシンボリ

そういう所だってのに。

シンボリルドルフ

…？今、何か言ったか…？

シリウスシンボリ

何でもねぇ。
それに指図するなって言ったろ。だが…暇してたところだ。見に行ってやる。

シリウスシンボリ

ただし、それで私がペラペラとアンタに話すとは限らねぇ。あくまでも暇潰しとして行くだけだ。期待すんなよ。

シリウスシンボリ

…じゃあな。

シンボリルドルフ

……シリウス……。

シンボリルドルフ

一体……

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