テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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わたしの推しさま人殺し

第2話 - 人質になって

104

2024年07月07日

#花里みのり

#桐谷遥

#モアモアジャンプ

#モモジャン

#みのはる

#はるみの

おだんご

ピコンッ

わたしのスマホの通知が鳴った

逃走をはじめて3日目

モアモアジャンプの配信の通知だ

『大切なお知らせ』

おそらく、わたしたちのことだろう

愛莉

『今日の配信では、とても重要なお知らせがあります』

画面内で、いつものような元気がない愛莉ちゃんが話し始める

それに続き、雫ちゃんも口を開いた

雫

『実は…』

雫

『みのりちゃんと遥ちゃんが行方不明なんです…』

『え？！？！』

『どゆこと』

『やばい死にたい』

『みのはるうううう！！😭』

『心配すぎる…』

『流石に釣りやろwwww』

色々なコメントが飛び交う中、2人は話し続ける

愛莉

『警察にもすでに連絡してあります。これを見ている皆さんも、なにか情報があれば、教えていただければ嬉しいです。』

『神回確定』

『早く見つかって欲しい』

『心配だよおおお😭』

雫

『わたしとしても、とても心配です…ほんの少しでも、勘違いかな？くらいでもいいんです』

雫

『何か…なんでもいいので情報があれば教えてください…！お願いします…！』

『雫さま…』

『マジで早く見つかってくれ』

『これ愛莉ちゃんたち辛いだろうな…😢』

涙ながらに語る2人を心配するコメントも流れながら、この配信は終了した

遥

……

配信を見終わっても、遥ちゃんは黙ったままだった

みのり

遥ちゃん…

遥

…ごめんねみのり

遥

もう…どうたらいいのかわからなくて

遥

私が、殺したのに…ｯみのりまで巻き込んで…ごめんｯ

みのり

大丈夫だよ、遥ちゃん

みのり

わたしが遥ちゃんを助けたいと思ったの、それだけだから

みのり

わたしの意思だから、ね？

遥

…うん

みのり

流石にいつまでも車中泊ってわけにもいかないよね

みのり

ホテル予約したから、行こう

遥

バレ、ない？

みのり

偽名使ってるし、ほら、ウィッグとメイク道具あるから

みのり

ある程度は変装できると思うよ

わたしは、茶色ボブのウィッグ、少し暗めの化粧

遥ちゃんは、黒髪セミロングのウィッグに清楚系の化粧

2人でマスクもして、完璧、とまではいかなくても、かなりクオリティの高い変装になったと思う

みのり

じゃあ、行こっか

わたしは遥ちゃんの手を引き、歩き出した

受付員

ご予約の、矢野口さまと倉科さまでよろしかったですか？

遥

矢野口？倉科？

遥ちゃんが小声で聞いてきたので、慌てて答える

みのり

矢野口はわたしで、倉科が遥ちゃんだよ

みのり

偽名…

遥

あぁ、なるほど

そんな会話を高速で交わし、受付員さんに顔を向ける

みのり

はい、そうです

受付員

それでは、304号室に…

遥

……え

…した疑い。防犯カメラに桐谷遥と思わしき人物が田村を刺殺した現場が写っていました。最新のモモジャン配信によると、桐谷遥とそのメンバー、花里みのりも共に行方不明とのことで、警察は、共犯と見て2人の行方を追っています。

遥

そんなっ

受付員

…どうか、なさいました？

みのり

あ、い、いえ！その

みのり

こ、この子、桐谷遥ちゃんの大ファンで…！今のニュースショックみたいで

受付員

それは…お気の毒さまです

なんとか誤魔化せた…のかな？

わたしたちは部屋へ向かった

遥

な、なん…で、バレ…

みのり

防犯カメラ…？あの公園に…？

みのり

…だったら

-----花里みのりも共犯とみて、調査を…

みのり

共犯と、「みて」？

みのり

防犯カメラがあったなら、わたしが死体遺棄した現場だって映ってたはず…

遥

モモジャンが…荒れてる…

『桐谷遥人殺しwwww』

『みのりちゃん信じてたのに…』

『愛莉と雫が可哀想』

みのり

……

みのり

ねぇ遥ちゃんやっぱり変だよ

みのり

もし、遥ちゃんがあの芸人さんを殺した現場が見つかったなら

みのり

遥ちゃんと言い争ってるところだって映ってたはず

みのり

なんで遥ちゃんだけ…

遥

…私の記憶があってればだけど

遥

ツチノコさん、確か

遥

所属事務所の社長の息子さんなんだよね

みのり

…え？それって

遥

社長さんの息子だから、隠そうとしてるのかも…

みのり

っ！そんなの…！

遥

…でももう、どうしようもないよ…

みのり

うぅ…どうすれば…

遥

今日はもう、考えるのやめよう？

遥

3日も神経貼り続けて逃げてきたんだもん、疲れたでしょ？

遥

みのり、先お風呂入ってきて

みのり

…うん、そうだね

みのり

また明日、考えよっか

みのり

じゃあお風呂もらうね

遥

うん、いってらっしゃい

遥ちゃんの言葉に甘え、わたしはお風呂に向かった

遥

…やっぱり、みのりを巻き込むんじゃなかった

みのりがお風呂に向かった後、私は1人、この先のことを考えていた

遥

みのりはなにも…悪くなんてないのに

遥

…自首…しようかな

逃走を始めた日から、ずっと考えてた

やっぱりみのりを巻き込むのは…違う

でも、ただ私だけ自首しても、みのりはきっと私の後を追う

……それ…なら

もうきっと、こうするしかない

お風呂から上がり、スマホの通知がなったので、なんとなく目をやる

みのり

………え…？

ガタンッ

脱衣所のドアが勢いよく開き、遥ちゃんが顔を出した

みのり

は、遥ちゃん、！この呟き…

みのり

ひっ、！

遥ちゃんは無表情で、私にハサミを向けていた

みのり

遥…ちゃ

遥

ごめんみのり

遥

人質になってくれる？

わたしの推しさま人殺し

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こういうのってメディアの闇だよなぁ…ってそれより人質！？

おだんご

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