そして、2人の戦いは激戦となっていた。
長い間戦っていて、お互いに体力の限界が近付いていた。
翠
龍斗?
翠
出された拳を避け、咄嗟に腹部に蹴りを入れる。
龍斗?
しかしギリギリ避けられてしまった。 奴の尽きぬ体力に、変わらぬ力。
翠は、そろそろ体力の限界を迎えていた。
翠
翠
龍斗?
翠
翠
そして私は、渾身のストレートパンチを決めようとして...
龍斗?
翠
龍斗?
...ガラ空きだった足元に足払いをかけた。
流石にそこまでは回らなかったのか、あっさりと引っ掛かった。
翠
倒れた奴を身動きが取れないように押さえ込む。成功したのだ。
翠
龍斗?
翠
龍斗?
翠
後ろに気配を感じて避けようとするが、侵入者の方が少しだけ早かった。
翠
私の背中に、深々と包丁が刺さる。
でも、私が侵入者に気付けなかった理由があった。
それは、侵入者の正体が。
翠
彰?
ずっと大好きな彼だったからだ。
私の体は、なんとか避けて地面に倒れる。
しかし、地面に倒れた拍子に大量の血を吐き出した。
翠
龍斗?
彰?
彼は、意思の無い人形のように佇んでいるまま、虚ろな目をしている。
翠
龍斗?
彰?
その姿に初めて彼に恐怖を覚えた。
翠
彼がゆっくりとこちらに近付いてくる。
彰?
翠
歪み始めた視界に、彼の顔が悲痛に歪んで映った。
翠
彼は正気を取り戻そうとしている。
その事実に心が少し救われた。
彰?
翠
彼を人殺しにしないための方法。
翠
それは、自殺だった。
私の腹部に刺さった包丁は、どんどん私の服を赤く染めていく。
彰?
私の元に駆け寄ろうとした彼が頭を抱えた。
私は、朦朧としていく意識の中、手を伸ばす彼にゆっくりと手を伸ばした。
翠
ずっと同じ時を刻む時計を睨み付ける。
私は、すぐに家を出る支度をした。
翠
翠
翠
頭を抱えていると、ふと思い出す。
このマンションに閉じ込められている、仲が良い幼なじみ2人を。
翠
最悪の展開がよぎるが、ふと思い出す。
さっき、洗脳に抗っていた愛おしい彼を。
翠
翠
私は、恐る恐るトーク画面を開く。
そして、祈るようにメッセージを送った。
翠
翠
ここから私達の、絶望への反撃が始まろうとしていた。
コメント
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多すぎ
次読みたいよー
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