TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

ベアトリーチェ

はっ……

私は見慣れた場所で目が覚めた。

ベアトリーチェ

夢……?

ベアトリーチェ

随分嫌な夢ね……

私は自分の足元をみて驚いた。

ベアトリーチェ

火傷……?
うそ……

それは、先程までの出来事が現実だと突きつける。

ロメオ

失礼致します。

ベアトリーチェ

ロメオ!

ロメオ

…?はい。

ベアトリーチェ

今って何年?

ロメオ

X歴126年です。

ベアトリーチェ

っ……!
(あの日から5年前!?)

ロメオ

如何なさいました?

ベアトリーチェ

い、いえ。
今日もお願い。

ロメオ

はい。

私は背中だけ見えるように服を脱ぎ、服の裾をめぐって足を出した。

相変わらず背中には無数の鞭の後と生傷。

ロメオは慣れた手つきで薬を塗っていく。

ロメオ

……!これは…

普段表情を変えないロメオの眉が少しピクッと動いた気がした。

ベアトリーチェ

どうしたの?

ロメオ

昨晩奥様は、火も使われたのでしょうか?

ベアトリーチェ

あ……それは……

なんて言えばいいのだろう。

ベアトリーチェ

うっかりロウソクを足に落としてしまったの……。

ロメオ

……

ロメオはまた無言で薬を塗ってくれる。

ロメオ

それでは、お食事に参りましょう。

ベアトリーチェ

ええ、いつもありがとう。

そして私は、まだ混乱しながら広間へ向かった。

ベアトリーチェ

早く来てしまったわね。

食事に来たら広間に誰も居ない。

ベアトリーチェ

嫌な事を思い出した……。

ルーク

どうしたの?

突然後ろから声をかけられ私は咄嗟に振り返る。

ベアトリーチェ

っ……!!!ルーク!!

ルーク

姉さんおはよ〜。
何立ってるの?早く座ろ!

ルークが生きてる……。

貴方さえ幸せになってくれたら、 私はもう何もいらないわ。

あんな未来なら、

私が力ずくで変えてやる。

母ヒストリア

あら、二人とも早いのね。

ベアトリーチェ

っ……!

未来を変えると決意したばかりなのに、 今でも母の声に怯えて……。

弱くて哀れなベアトリーチェ。

父アルムス

みんな揃ってるな。

母も父も、毎晩私を虐待するが、ルークの前では何事もなかったように振舞っている。

ベアトリーチェ

(私が魔女ならこの人達は悪魔ね)

父アルムス

ルーク。そういえばもうすぐ王都の名門学院へ入学する時期だったな。

母ヒストリア

三年間会えなくなるのは寂しいわ……。

ベアトリーチェ

(ルークの進学……!)

たしかこの時、ルークが剣術と勉学をさらに学ぶために、三年間王都の寮で生活を始める時期。

私は存在を隠す為に学校に行かせて貰えなかった。

ベアトリーチェ

(だけどこの時期なら……"あの人"に会えるはず)

食事が終わり私は部屋に戻った。

ベアトリーチェ

ルークが学園に入学するこのタイミングで、"あの人"がこの村に訪れる。

ベアトリーチェ

ここで私が動かなくては…!

ロメオ

失礼致します。
お嬢様、奥様がお呼びです。

ベアトリーチェ

(きた……)

ロメオ

それと、こちらの服に着替えて頂きたいとの事です。

ベアトリーチェ

わかったわ。

私は用意された服を着て広間に足を運んだ。

母ヒストリア

遅かったわね。
この方が貴方に話があるそうよ。

私は母の向かいに座る人物に視線を移す。

ベアトリーチェ

(やっぱり……!)

シュガ

お嬢様、初めまして。

シュガ

王都から来ました、私
宮廷薬剤師のシュガ・レインと申します。

ベアトリーチェ

(シュガ……)

彼は私に魔法を教えてくれた、 王都の宮廷魔術師。

王都では今魔法の発展が凄く、戦にも魔術師を編成するなど魔術師の活躍が著しいと昔シュガが言っていた。

その中でも、やはり魔法を使える者が少なく、今回は王都から遠く離れたこの村に人材探しの為に訪れている。

シュガは私が魔法を使える事を知って、役職を偽って会いに来てくれたのだ。

この村では魔術師と言えば絶対に受け入れて貰えないから。

ベアトリーチェ

初めまして、
ベアトリーチェです。

母ヒストリア

この方はレイン公爵家のご子息様で、今は王宮で取り扱う新薬の研究をしているらしいの、そして今回はその研究の協力者を探しているらしいのよ。

母の言う"協力者"とは、"実験台"の事だ。

ベアトリーチェ

私で良ければご協力致します。

シュガ

……

母ヒストリア

話が早いわね!
レイン公子様、我が娘で良ければご協力致しますわ。

シュガ

それは、ありがたいです。

相変わらず硬い人。

いつも冷たい表情をしていて、私の痛みなんか気づいてくれなさそうな鈍臭い人。

ベアトリーチェ

(だけど……)

「いつか俺が王都に連れて行ってやる」

あの言葉だけは、私がまだ少し生きたいと思ったきっかけだった。

母ヒストリア

それでは早速、レイン公子様はまだこの村に滞在されますよね?

母ヒストリア

良ければ娘の部屋の隣をお使いください。

いつにも増して上機嫌な母。

ベアトリーチェ

(大体何考えてるか予想がつく)

私が薬の実験でどうにかなるか、シュガとどうにかなるかを狙ってるのね。

公爵の出の彼と私が結婚出来れば、私もこの家から居なくなるし、我が家ももっと強化される。

ベアトリーチェ

(この人はとことん私が嫌いなのね。)

その後母は私の部屋と、シュガの部屋を案内した。

場所は三階にある部屋。

人が使ってなかったとは思えないほどに整っていて、ほんのり香りもいい。

そして、私が1度も使ったことない綺麗な部屋を私の部屋だと案内した。

シュガ

ありがたくこの部屋を使わせて頂きます。

シュガ

薬の服薬時間内は出来れば誰も部屋に通さないで頂きたいです。

シュガ

静かな環境ではないと効果が発揮されないものもありますので。

母ヒストリア

ええ、勿論よ。

そういって母は、私とシュガを残し部屋を出た。

シュガ

……

ベアトリーチェ

……

シュガ

その、すまない。

シュガ

いきなり新薬の協力者なんて、怖かったよな。

ベアトリーチェ

……(この人は、本当に不器用で、人想いな方ね。)

私が彼にあった時、完全に母に見捨てられたと思って暫くずっとショックを受けていたわね。

でも、 本当は私を助けに来てくれてた。

ベアトリーチェ

あの……お願いがあります。

シュガ

…?

ベアトリーチェ

私を、王都に連れて行ってください!

私が呪われた館の魔女です。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

22

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚