第一章-3
じとりと睨まれ
得も言われぬ圧力が皮膚を突き刺してくる。
俺は大人しくあぐらを組んで
言葉の続きを目で促した。
紫
少年は分かりやすく困惑した様子を見せる。
とはいえ
最初から分かりきっていた事実だ。
少年の姿は半透明だし
いきなり俺の部屋に現れた状況から察しても
この世のしんげ人間ではないのは明らかである。
紫
紫
呆れた口調でツッコミが入るが
ここは古来より鬼や式神が駆け回る京都の町だ。
少年の幽霊が現れたとしても
不思議でもなんでもない。
それに
ノリで生きる男子高校生にとっては許容範囲内だった。
紫
紫
紫
紫
瞬時に切り捨てられたが
俺の疑問は至極当然だろう。
紫
紫
紫
紫
俺は重々しく頷く。
自分自身にそっくりな容姿をしており
本人がそれを見ると死に至ると言われている存在だ。
ドッペルゲンガーは死んだ人間に成り代わった後
何食わぬ顔で生活を続けるようだ。
大抵は幻覚の症状として片付けられてしまうが
エイブラハム・リンカーンや芥川龍之介などの著名人が
ドッペルゲンガーを目撃した記録があるらしい。
頷いて見たものの
よく分からなかったのでスマホで調べている。
エイブラハムが何か知らんが
アメリカではさぞかし有名なハムなのだろう。
なんせアメリカは肉の国だ。
全ての牛肉は
アメリカから輸出されているとテレビで聞いたことがある。
紫
紫
紫
次回作❤×210
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