サボテン
はーいサボテンです
サボテン
今回から始まります
サボテン
意味がわかると怖い話
サボテン
それでは行ってみよう
マサル
俺が住むマンションには、エレベーターが1基しかない。
マサル
それもなんだか薄暗いし、定員は5人となっているが、3人も乗ると窮屈に感じる
ような手狭なものだ。
ような手狭なものだ。
マサル
だから気持ちは分かるのだが、他の住人と乗り合わせるときに、
嫌な顔をしたり、混んでいるとあからさまに舌打ちするような奴もいて、
それはどうなんだと思ってしまう。
嫌な顔をしたり、混んでいるとあからさまに舌打ちするような奴もいて、
それはどうなんだと思ってしまう。
マサル
俺が内心狙っている、清楚な感じの女子大生っぽい女の子がいるんだけど、
彼女なんか扉が開いて、俺が中に乗っているのに気づくと、すごい顔で見てくる
彼女なんか扉が開いて、俺が中に乗っているのに気づくと、すごい顔で見てくる
マサル
俺がなにか悪いことでもしたか?と聞きたくなるが、
視界にも入れたくないとばかりにこっちに背を向けてしまう。
視界にも入れたくないとばかりにこっちに背を向けてしまう。
マサル
毎回、足早に降りる彼女の背中を見送るたびに、俺がそんなに気に食わないなら
エレベーターを使わなきゃ良いのに……
と思うのだが、10階の住人である彼女としてはそうもいかないのだろう。
エレベーターを使わなきゃ良いのに……
と思うのだが、10階の住人である彼女としてはそうもいかないのだろう。
マサル
俺は心に決めていた。
いつか、ちゃんと彼女に声をかけよう。
話しかけて、会話を交わせばきっかけになる。経験から分かっていた。
いつか、ちゃんと彼女に声をかけよう。
話しかけて、会話を交わせばきっかけになる。経験から分かっていた。
マサル
その日は、3階に住むカップルと7階の老夫婦と一緒だった。
彼女も二人きりでなければ良いのか、こちらを睨むようなことはなかった。
彼女も二人きりでなければ良いのか、こちらを睨むようなことはなかった。
マサル
彼女は、自分が住む最上階まで乗らず、
夫婦の後を追うように7階で降りてしまった。
夫婦の後を追うように7階で降りてしまった。
マサル
俺は思わずそれを追いかける。
マサル
非常階段を上る彼女に、下から声をかける。
マサル
なんでそんなに僕を避けるんですか?
女子大生
ねえ、あなたと仲良くなりたいんです
マサル
僕が何かしましたか?
女子大生
聞いてくださいよ。見えてるんでしょ?
マサル
結局彼女は、俺と会話を交わしてはくれなかった。
マサル
なんだ、ルールを知ってたのか。
サボテン
短いけど
サボテン
終わりです
サボテン
それでは解説をします
サボテン
最上階に住む彼女がエレベーターを下りていく背中を見送っている「俺」が最上階まで上ったエレベーターから降りていないこと、「定員5人」のエレベーターに「彼女」「カップル」「老夫婦」と乗っても定員
オーバーになっていないことから「俺」がこの世のモノではないことはすぐに分かります。
オーバーになっていないことから「俺」がこの世のモノではないことはすぐに分かります。
サボテン
ポイントは、「俺」がそれを自覚しているということ。死んだことに気づいていないのではなく、意図して「彼女」をこちら側に引きずり込もうとしていると、最後の一行で分かります。つまり「怪異と会話を交わしてしまうことが、引き込まれるきっかけになる」というルール。彼は自身が怪異の呼びかけに応えてしまった経験から、それを知っていたのでしょう。
サボテン
でした
サボテン
この意味怖は怪異のことを知っていないと難しかったね
サボテン
それじゃあAuf Wiedersehen