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ぶくしつです!
マイリスト&ブクマ失礼します!!
さとみくーん!!!!!!! えぇぇ想像してなかった展開が! 続き楽しみにしてます!(* ´ ꒳ `* )
俺が他とは少し違うこと
それは
本当に少しの差
その兆しは
俺が5歳の時
𝑅.
𝐶.
母さん
母さん
𝐶.
𝑁.
ころんが3歳の頃
やけにくしゃみが多くて
それがきっかけで喘息を起こすため
病院で検査をしたところ
重度の犬アレルギー ということが発覚して
長年飼っていた犬を
お隣の家庭に譲ることになった
𝑁.
𝑁.
𝑅.
𝐶.
母さん
母さん
しょんぼりしたり
泣いたりする兄たちと裏腹に
俺は
目の前の犬に
静かに別れを告げていた
𝑆.
兄弟の中で
恐らく1番可愛がっていた犬
大好きだから
いなくなるのは 寂しいような気がしたけれど
犬が死んでしまう訳ではないし
それ以外は特になんとも思わなかった
ボロ泣きの兄たちと弟を横目に
犬を隣の家に送り出した
母さん
その様子を見ていた母さんは
次の週から
俺に柔道を習わせた
あの時にはもう
母さんは気づいていたんだろう
入れられた道場は
それなりに厳しくて
ただ
明確なルールがある競技は
俺にとっては好都合で
かなりの勢いで段級が上がっていった
そして
俺が
万事に通じる理由
そしてそれは
非日常では
危険な特性になると知ったのは
小6の冬
𝑁.
𝑅.
母さん
𝐶.
𝐶.
𝐽.
みんなが驚き悲しんでいるのに
俺だけ
妙に冷静だった
それどころか
母さんがいなくなることが
悲しいのかすらもわからなかった
違う
母さんのことは大好きだし
いなくなっていいなんて思ってない
わからない
なんで俺は
こんなに冷静でいられる?
襲う嫌悪感
吐きそうなほどの周りの目
怖い
自分が怖い
なんで
大切な人が
死を宣告されたのに
泣くことはおろか
驚くことすらできない
自分が怖い
唇を噛んでいる長男
彼にしがみつく五男
声を上げて泣く四男
四男を抱きしめて 自らも声を殺して泣いている次男
そんな兄弟たちに
母さんは微笑みかけて
母さん
母さん
𝑁.
立ち上がった兄に続いて
一刻も早く
この場から立ち去ろうとする
と、
母さん
母さんに止められた
部屋に2人になって
何を言えばいいのか分からず
嫌な汗だけが
額に浮かぶ
母さん
何故か母さんは笑って
俺の頭を撫でた
母さん
𝑆.
口から出てきたのは
たどたどしい日本語
母さん
母さん
母さん
その言葉を聞いて
荒くなっていた息が
段々と整う
母さん
母さん
眉を下げて残念そうに笑う
母さん
母さん
母さん
𝑆.
母さん
母さん
母さん
母さん
𝑆.
母さん
母さん
母さん
𝑆.
𝑆.
母さん
母さん
母さん
𝑆.
母さん
母さんは いたずらっ子のように笑って
胸の前で手を合わせた
母さん
母さん
母さんが亡くなった時も
父さんとお母さんが 亡くなった時も
やっぱり俺は泣けなかった
でも
だからこそ
あの日
ころんが誘拐されたあの日
初めて殺意という感情を知ったあの日
その時に
失うことが怖いと思ったから
初めて、
失いたくないと思えたから
不謹慎極まりないけれど
嬉しいと思った
″ 自分の手から 大切なものが 零れ落ちないような選択を ″
咄嗟だった
傘を投げ捨てて
兄を抱きしめる
思いっきり 後ろから前に体をねじって
前方へ抱きしめていた兄を離す
𝑁.
下腹部に重い衝撃
赤く染まっていく服
数秒置いて
襲ってくる気絶しそうな激痛
まだ倒れない
俺の家族に手を下そうとしたやつは 許さない
背後に立っている通り魔を
力の限り
蹴り飛ばす
吹っ飛んでいくのを確認して
横に倒れないよう
残っている力で
どうにか膝を折る
足元に
赤い池が出来る
𝑁.
ようやく状況が掴めたのか
真っ青な顔で
こちらに駆け寄ってくる兄
𝑁.
𝑁.
笑おうと思っても
全身に力が入らなくて
力ない笑みになる
さらに強くなった雨は
2人をびしょ濡れにする
𝑆.
ひゅーひゅーとなる喉から
どうにか言葉を紡ぐ
𝑁.
𝑆.
青白くなった彼の頬を
血の気が引いてきた右手で包む
𝑆.
𝑆.
𝑆.
絶句したように
彼は黙ったまま
𝑆.
𝑆.
𝑆.
𝑆.
𝑆.
𝑆.
父さんとお母さんが亡くなった時
葬式はせず、お通夜だけにすると 決めたのは兄ちゃんだった
𝑆.
𝑆.
雨は
彼が泣いているのが分からないくらい
強くなる
𝑆.
𝑆.
𝑆.
𝑆.
𝑆.
𝑆.
𝑁.
𝑁.
いよいよ限界か
意識が朦朧としてくる
𝑆.
𝑆.
兄ちゃんも
ころんも
おいていくなんて
るぅとにお母さんのこと すら話してないのに
𝑆.
𝑆.
ちゃんと、
急所からは外したからさ
𝑁.
前にしゃがんでいた兄ちゃんに
倒れ込む
𝑆.
𝑆.
𝑁.
𝑁.
𝑁.
𝑁.
𝑁.
途切れ途切れの意識の中
兄の手を握る
𝑁.
𝑁.
𝑁.
遠のく意識の中
サイレンの音と
兄の声が
頭で混じった
𝑡𝑜 𝑏𝑒 𝑐𝑜𝑛𝑡𝑖𝑛𝑢𝑒𝑑...