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俺と…委員長と…

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俺と…委員長と…

17 - 俺と…委員長と…17

♥

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2020年02月10日

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カナタくんが入院して3日経った

ぼくはいつもと同じ日常に戻った

とは言えカナタくんがいない学校が 違う世界に感じた

ケンシ

おはよう
田上くん

ヒカル

おはようございます
会長…

ケンシ

元気がなさ過ぎだよ

ケンシ

下手すると
以前より暗いんじゃないかい?

ヒカル

そう…ですかね

ヒカル

今まで当たり前にあるものが
急に無くなってしまうって

ヒカル

こんなにも虚無感なんですね

ケンシ

田上くん
広坂くんがあたかも死んでしまったような
表現だが

ケンシ

まだ生きてるぞ

ヒカル

えぇ…まぁ…そうなんですけど…

ヒカル

なんか………

ヒカル

つまんないです……

ケンシ

まぁ仕方ないよ

ケンシ

君が心配しても
何か変わるわけでもないからね

ヒカル

はい………

学校にいると病院にもいけないし 夕方行こうか…

そんなにしょっちゅう行くのもよくないかな…

ぼくの頭の中は そんなことばかり考えていた

ピッピッ…

機械の音が静かな病室に 自己主張するかのように鳴っている

時刻は19:30を回っていた

ケンシ

………

看護師

あなた毎日来てるわね

ケンシ

はい…

看護師

広坂くんは体は大丈夫なのよね

看護師

でも目を覚まさないのは
彼の意識下の問題というか

ケンシ

そうですね…

そんなことは言われるまでもなく わかっている

看護師

不思議よね…

看護師

長いこと看護師をしてても
患者さんがいつ目を覚ますかなんて

看護師

誰もわからない

ケンシ

本来なら麻酔が切れれば
覚醒しますからね…

看護師

どうやってもわからないのは
たぶん人が踏み入れることの出来ない

看護師

絶対的な領域なんでしょうね

ケンシ

でも…俺は…

ケンシ

ケンシ

もしかしたら
このまま
目が覚めない彼を

ケンシ

こうやって
見続けてる方がいいのかも

ケンシ

…………っ

ケンシ

そんな愚かなことを
考えてしまっています

看護師

人の気持ちは十人十色
だからあなたの気持ちを否定はしない

看護師

そう言うご家族が
居ないわけではないからね

ケンシ

…………はい…

看護師

まぁいいわよ
面会はあと20分くらいだから

看護師

時間になったら
気を付けて帰って下さいね

ケンシ

ありがとうございます

経験豊かな医療関係者は 100%否定などしない 肯定もしない

でもおれはそれでよかった 無責任に「わかる」とか「そんなこと言うのはよくない」だとか

ありきたりな言葉を発せられるより

ケンシ

俺がここにくれば…
会える

ケンシ

田上くんを追ってるキミを
目で追ってる時が…

ケンシ

凄く俺の中で…
嫌だなって…

動いてる姿を見ると それは俺に向いてるわけじゃない

だから平静を装いたい 嫉妬したいわけでもない

ただ自然とこっちに向いてくれないかなと 淡い期待を抱いてるだけ

ケンシ

ってかっこよく…
キメたいんだけどなぁ…

ケンシ

なんか俺でもわからないくらい
急に触れたいって

ケンシ

衝動に駆り立てられると
止まらないんだよな…

人に惹かれるのに 何でかなんて理由は 正直わからない

ただただ 気になって 好きかもしれないという 感情が出て来て

いつの間にか その姿を 目で追うようになる

ケンシ

俺はお前に
何か出来る訳じゃない

ケンシ

でもお前が喜ぶなら

ケンシ

俺に出来ることをしてあげたいよ

おれは 横たわるカナタに キスをした

こんなやり方 卑怯だけど…

ケンシ

またくるよ
きみの望む人間じゃない
かもしれないけど

おれは名残惜しくも病室を出た

おれが廊下にでてすぐ 目の前に立っている奴がいた

ケンシ

……………

アヤメ

よぉ

ケンシ

………………

目を合わせる前に さっさと出口に向かおうと 早足に通り過ぎる

はずだった

アヤメ

なぁ
無視するなよ

ケンシ

アヤメ…もう面会時間過ぎてるから

ケンシ

病院をさっさと出たいんだよ

アヤメ

あ、わりぃね

そう言いながら 付いてくるアヤメを横目に エレベーターに乗る

嫌な気分だ

アヤメ

ケンシよ~

ケンシ

………

アヤメがここぞとばかりにおれに 近付いてくる

狭いエレベーターの中でおれは すぐに角に追い詰められた

ケンシ

やめてくれ

アヤメ

ほんと前は
悪かったって

ケンシ

もう俺の中では終わってることだ

アヤメ

そうかもしれないけど…

ずいずいと寄ってくるアヤメから できる限り離れたくて 体を壁に強く押しつけた

アヤメ

おれさ…

ちょっと表情を曇らせながら アヤメが話を始めようとしたとき エレベーターは1階に着いた

ケンシ

も、
離れてくれ

一目散に出口に向かった

100mはあるんじゃないかというくらい 遠く感じる

アヤメはしつこく付いてくる

アヤメ

なぁ
ケンシってば

ケンシ

……

そして玄関を出た

おれは全力で逃げるために走り出した

が…

読まれていた

そして腕を掴まれた

アヤメ

本当に待ってくれよ

ケンシ

おれは用がない!

アヤメ

俺はあるっ!

何を言おうが恐らく 自分の言いたいことを言わなければ 気が済まない感じが ひしひしと伝わってくる

だがそんなことに 付き合うつもりは なかった

アヤメ

お前さ…
あの入院してる子

アヤメ

好きなんだろ?

ケンシ

……………

俺は黙秘権を行使した

アヤメ

でも
前いた可愛い子の方が…
たぶんそう言うことなんだろ

もはや見透かされすぎて 怖いし恥ずかしいし

ケンシ

お前には何の関係もないだろ!

アヤメ

あるっ!
たぶん!

ケンシ

ねーよ!

ケンシ

明日も学校だし
早く帰りたいんだけど!

アヤメ

俺も学校あるっ!

ケンシ

知らねーよ…

そう

過去は所詮 過去

こいつと何かあったであろうが おれは今を生きている

ケンシ

本当に
関わらないでくれよ…

アヤメ

いや
だってよ…

アヤメ

お前が毎日あの彼の病室に
来てるの知ってるんだぜ?

ケンシ

っ!?

ケンシ

だからなんだよ
お前には関係ないだろ

アヤメ

ないけどさぁ~

アヤメ

俺は…

ケンシ

あー
いい

ケンシ

いらないよ
そういうの

アヤメ

なぁ…
俺さ…

アヤメ

本当に…後悔してるんだよ

ケンシ

そう言うの
よく聞くセリフだな

ケンシ

マンガでもドラマでも
よくあるやつ

アヤメ

実際本当だし…

アヤメ

確かに…

アヤメ

他に男が寄ってきて
流されちゃったけどさぁ…

アヤメ

俺はお前に振り向いてもらいたくて…

アヤメ

結果…
浮気というか…

アヤメ

そういう風になっちまったけど…

ケンシ

………………

ケンシ

あの時の俺はまたまだ子供だった

ケンシ

今でも子供かも知れないけど

ケンシ

………………

アヤメ

あのさ…
経験上って言うのもおかしいけど

アヤメ

あの彼はお前の望むような

アヤメ

事にはならないんだろ?

わかっている そんなことぐらい

おれが卑怯な手を使ってる そんな気がするのも

全て自分でわかってる

アヤメの言っていることが 間違いじゃないからこそ

余計 腹立たしいし

こいつに見透かされている そう言うのが嫌だった

ケンシ

例えそうだとしても…

ケンシ

俺は………

思ってる言葉は言いたくない

特にコイツに言うのは…

アヤメ

いや、いいよ
無理に言わなくても

アヤメ

俺はお前の心が
純粋なのは知ってる

アヤメ

それを踏みにじった俺は
最低だっていうことも

ケンシ

わかってるなら
尚更…関わらな…っ

アヤメはおれに…

キスをした…

アヤメ

俺…
今は誰とも付き合ってない

アヤメ

ケンシ…お前が
忘れられなくて…

俺は目を丸くした

そしてアヤメはそんなおれを 残して

とぼとぼと…背中を向けて 闇の中に消えていった

ケンシ

アヤメがそんなこと言うなんて…

俺と…委員長と…

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