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私の初恋泥棒

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私の初恋泥棒

1 - 私の初恋泥棒

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2021年10月17日

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 AM: 7時30分 、 目覚まし時計が勢いよく体を震わせ音を鳴らした。 私は落ちてくる瞼を必死に擦りながら秒針を指で追って読む。5 、6 、 7 ...、 7時 を 余裕 で すぎている。3秒ほど時空が止まり、ふわっと体が浮く感覚をふと覚える。...当たり前に遅刻だ。バタバタと体を起こし、制服の袖にやや雑に腕を通す。乱れた髪を手で抑え、勉強机に自由気ままに広がっているテキストを選別なく革のバッグに詰め込んだ。今出せる最大の速度で階段を降りる。

夢主

行ってくる。

夢主兄

ちょ、お前 、メシは ?

夢主

いらない、今急いでる。鍵閉めといて。

靴を履けばそう言い残しバタン、と外へ飛び出した。

自分で言うのも何なのだが、私は傍から見ればどうやらドライな性格なようで友達は全くいたことはない。そもそも1人が好き、というのもあるだろう。だから遅刻はしたくない、周りの目が普段に増して気になるからだ。それに足して風紀委員の副委員長って言うのもあり、余計プレッシャーが伸し掛る。

夢主

やばいほんと遅刻する、最悪。

夢主

あー、言い訳でも考えとこ。猫拾った?お年寄り放っておけなかった?

夢主

んー、どれでも結局怒られるか。

AM: 8時10分 、当学校は8時15分までに校門を通っていればセーフである。急ぎながらスマホを開き、時間を確認すればとりあえず安堵。本当ギリギリだった。1日分の労力を使った感じがする。

モブ

おはようございまーす、

夢主

...。

モブ

あは、ほんと毎日あいつ愛想悪くねー?まじイラつくわ。(笑)

モブ2

それな〜、(笑)何考えてんのか分かんねぇわ。

これも日常。

sm

お〜はよ。夢主ちゃん、時間ギリギリなんて珍し 。

思わず体が固まった。話かけられるのもあまり慣れていないので、誰かと思い振り向く。

夢主

あ、志麻先輩。はい、私急いでるんで。すいません。

志麻先輩は我が風紀委員会の委員長の3年生。いわゆる陽キャの分類で、モテる。

sm

えー、夢主ちゃんさ、ちょっと待ってや(笑)俺と一緒に教室まで行かんー?

夢主

すみません、私課題提出しなければならなくて職員室寄らないとなんで。

思わず変な口実を捻じつけてその場を立ち去ろうとした。

sm

ね〜ね、それ嘘でしょ。夢主ちゃん。

sm

夢主ちゃんと同じクラスの後輩に偶然聞いたんだけどー、課題ないよね?(笑)そんなに俺と関わるん嫌なん〜?

夢主

、?!

嘘を見抜かれていた。我ながらポーカーフェイスには自信があったのに。志麻先輩の人脈の広さには勝てなかったようだ。

夢主

ぐ、別にそう言う意味で言ったんじゃないですけど。

夢主

私と話すことなんてないですよね? なら 、ほら...あ、あそこに 〇〇 先輩 いますよ 。志麻先輩 、 〇〇先輩と仲良いですよね?

〇〇先輩

〜♪

〇〇先輩は志麻先輩と同じクラスの陽キャギャルだ。 見た目は完璧だが、私はあまり得意ではない。

sm

なんで 〜 ? 別にそーゆー意味じゃないなら良いよね。

sm

今日は夢主ちゃんと話したい気分なんやけど、ダメ?(笑)

夢主

そ〜言うの結構です。

sm

えー、

〇〇先輩

...チッ、

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