空っぽの検索履歴

ﾀﾝ...ﾀﾀﾀ...ﾀ...

気になるなら調べる

そのために検索機能を使う

ﾀﾀﾀ..ﾀﾀ...

調べて理解する

でも調べた事がスマホに残る事はない

電車がやって来る合図がホームに響く

スマホの検索履歴を消すことになにか特別な意味があるわけじゃない

なんとなく消してるだけ

調べてもそれを残すことに必要性を感じないから

だから消すだけ

今日いつもより遅くなっちゃったな

いつもの弁当屋、まだ開いてるかな

一人暮らしの安いマンション

鍵を刺し回す

いつもの音がならない

自分にしては珍しい

鍵をかけずに出てしまうなんて、疲れてるんだな

扉の向こう、リビングの電気がついていた

ここまで来ると、自分が怖くなってくる

玄関には俺の靴しかない

つまりこの家には今俺以外いないはずだ

それなのにする人の気配

覚悟を決めて扉を開けた

扉を開けると知らない人といい匂い

毛先が金髪のグラデションになっている長い髪を一つにまとめた男

身長は俺と同じくらい...いや、ちょっと低い...かも.....？

いや、今はんな事どうでもいい...

関西の人か...

ポケットを探りスマホを取り出す男

やがて1つのトーク画面を見せてきた

母さんとの会話

どうやら俺の家にこの男"悠佑"がしばらく泊まるらしい

"ご飯の用意出来たら呼ぶからそれまで部屋で待っててええでー"

スマホを起動する

検索画面を開いた

居候 追い出し方___

一斉に出てくる検索結果

どれも自分の求める答えでは無い

消すか

消すのは後にして今はご飯食べに行こ

なんすかこの連載

スマホの検索履歴を全て消してしまう ↓ あー、やったかも ↓ でもこれ連載にしてみよかな ↓ 姉貴がピヨニキ連載してるし、私もやってみようかな

んー、わかんない