橙 。
帰宅後、ベッドに寝転がって天井を見つめながら、私はぽつりと呟いた。
"好き"という気持ちを自覚してから、私は少しだけ変わった気がする。
彼の声に敏感になって、笑顔に喜びを覚えて、他の女子と話している姿に、嫉妬も覚えるようになった。
だけど_
言葉にしてしまったら、壊れてしまう気がする。
友達として隣にいられる今の関係は、もしかしたらとても奇跡的で、告白というひと言で全てが終わってしまうかもしれない。
橙 。
橙 。
私はノートを取り出して、そこにまた仮説を書いた。
【仮説】 ・"片想い"は、言葉にしなければ続けられる。 ・告白=関係性の変化=リスク ・いまの関係が保てるなら、感情は秘めておくべき? 結論:想いを伝えることがすべてじゃない。
だけど、そう書いても、自分を納得させられなかった。
好きな人と話せるだけで幸せ。
でも、隣にいるのに"彼女"じゃない現実が、少しずつ心を苦しめていく。
翌日。
教室で緑と目が合う。
緑 。
橙 。
緑 。
橙 。
断れなかった。
というより、断りたくなかった。
彼と過ごせる時間が増えるだけで、私は嬉しくて、切なくて、でも_どこか、怖かった。
"伝えない"という選択。
それは、恋の終わりを先延ばしにするだけなのかもしれない。
コメント
1件
伝えちゃったらね~ッ関係変わるの怖いもんね~ッ 勇気を出して橙彡のタイミングで良いんだよ!!