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「夏」

それはこの世界にはない

いや…

なくなった…

そういった方が正しいか…

夏というものは

「セミ」というものが鳴いていて

暑くて

虫が沢山いて

肝試しやお祭り

そういった行事があるらしい

私は夏というものに強い憧れを持っていた

夜菜

ねぇ…お母さん!

お母さん

あら…どうしたの?

夜菜

夏の話聞かせてっ!

お母さん

ふふっ…本当に夜菜は夏が好きね

夜菜

ダメ…?

お母さん

いいわよ。

お母さん

夏って言うのはね___

いつもお母さんは夏について話してくれた

ザッ

ザッ

古びた街灯にチカチカと明かりがつき気味が悪い

小走りで歩いていると

風が

ビュウ

と吹きブルッと体を震わせた

夜菜

上着…持ってくれば良かったな…

後悔しながら歩く

あの…

突然後ろから肩を叩かれ驚きのあまり飛び跳ねる

夜菜

ぎやぁっ!!

変な声が出た…最悪だ

そんなことを考えていると急に笑い声が聞こえてきた

クスクス…あはははははは

夜菜

え?なに?

少し…心配になった

急に笑った…頭がおかしい人なんだな…

そう思っていたら

俺の名前は

夏月

夏月!

夏月

そっちは?

夜菜

え…んっと…夜菜…

夏月

よろしくね。

夜菜

う、うん…よろしく…

夏月

お父さんの転勤でここに引っ越してきたんだ…!

夜菜

そうなんだ…。

夏月

お父さん転勤多くてさ…

夜菜

それは大変だね…

夏月

まぁ辛いこともあるけど楽しいこともそれ以上にあるからさっ!

夜菜

そーなんだ…

夏月

ねぇ!明日さ同じ時間にここに来れる?

夜菜

……

一瞬どうしようかと思ったけど私は頷いて

夜菜

うん!いいよ!

そう答えた

そして私たちは毎日遊んだ。

彼も夏が好きなようでいつもその事で盛り上がっていた

そしてだんだん彼に惹かれていった…

けれど1年経った頃から彼は

ピタリと来なくなった

1週間後も

1ヶ月後も

1年後も…

彼が来ることはなかった

私の心の時計が

ピタリと

凍り、止まってしまった

10年後

私が憧れていた夏が来た

嬉しさもあったけど

悲しさもあった…

夜菜

久しぶり!

お母さん

あら。いらっしゃい

夜菜

あっ!ちょっと待って!行きたいところがあるの…!

そう…彼といつもあっていた場所…

お母さん

えぇ。いいわよ。楽しんでらっしゃい

ミーンミンミンミン

夜菜

はぁ…

大きめのため息をつく

あの頃に戻りたい

心からそう思う

いなくなった2年後

彼が死んだことを耳にした

事故だったらしい

思い出すと涙が出る

視界がぼやける

この夏を一緒に見たい

心からそう思える人は

この世界には

いないから

君がいなくなった世界は

どんなことよりも苦しい

大声で泣いた

けれどその声は

セミの鳴き声にかき消されてしまった

この作品はいかがでしたか?

2,034

コメント

23

ユーザー

泣くぞ←ガチめに泣いてる

ユーザー

ヤバッ…… 私も見習わなきゃ←お前には無理だ

ユーザー

低クオとは……

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