テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
雲しかない空には寂しさまでもを 感じさせる
なのに心がこうも満たされていくのはどうしてだろうか。
綺麗な青色の空に白色の雲がよく映えている
じっと見つめていると雲が少しずつ 流れていくのを感じられる
風の音と共に、草が踏まれていく音が聞こえる
他にも人がいたのかと顔をあげようとする
ずっと寝ていたせいか体が思うように 起き上がらなく、顔だけあげた
蒼
思わず出てしまった言葉は呪化のように僕の頭の中で流れ続けた
自然の中に綺麗な黒髪が靡いている
腰まで伸びている黒髪は 毛先まで綺麗に手入れされていた
思わず見とれてしまい彼女を困らせる
佳奈
我に返った自分は一瞬で焦りを取り戻す
蒼
正真正銘のコミュ障な自分にはこんな場面の適応能力などもっていない
何か言う言葉が見当たらず、ただひたすらに彼女の方へ視線を向けた
顔は見れない。
よく見ると同じ学校の制服だ
蒼
蒼
蒼
どうしてか自己紹介をしてしまった僕に彼女もそれを返してくれた
佳奈
これが彼女との出会いであった
朝の教室は誰もいなくて心地がいい
誰もいないのに、静かに椅子を持ち上げ 席に座る
窓側という特等席を獲得してからは毎朝 早くからきている
窓を前回に開けると風が一気に中に入ってきて髪の毛がそれに持っていかれる
オールバックになってしまい少しの 恥じらいを感じて急いで髪の毛を手で 下ろした
すると廊下の方から足音が聞こえた
雑音は嫌いだ。
車やバイクの音は勿論。足音までも 苦手意識がある
蒼
だけど心地良さを感じてしまった
早くも遅くもなく一定の安定した足音からは自然を感じさせられ落ち着いた
佳奈
学級委員の彼女は朝早くからきて掃除をしているようだ
佳奈
佳奈
この時間が好きだ
自分からおはようと言えることは無いけどいつもおはようと声をかけてくれる
蒼
平然を装っておはようと返す 緊張は隠せているだろうか
佳奈
蒼
蒼
佳奈
そう柔らかい笑顔で話す彼女を見ると 彼女の心の優しさがじわじわと伝わってくる
佳奈
佳奈
確かにその通りだ
彼女には出会った時から緊急してしまい もう少しでお尻の辺りまで行きそうな髪の毛からは大人っぽさを感じてしまう
蒼
そういう事しか言えない自分が恥ずかしい
佳奈
佳奈
佳奈
佳奈
気を使ってくれているのか笑顔で 去っていった
そんな彼女を無言で目で追うことしかできない僕は出会った頃の初々しさをどうしても思い出してしまう
どちらも対等でいられた
でも彼女と僕では次元が違う
蒼
彼女を独り占めさせてください