私
あ〜今日も疲れた
私
受験勉強とかまじでしんどい…
私
気分転換になんか買おっと
私
あ、自販機でジュースでも買おうかな
自動販売機に近づいたその時だった
???
ねえねえ
???
俺を選んでよ
幻聴だと思った
だって
私
自販機の中から、声?
私
嘘でしょ
???
嘘じゃない
私
じゃあ君は誰?
おれお
教えてやろう
???
俺の名前は
おれお
かふぇ おれお
私
は?
私
かふぇ おれお?
私
えっと
私
カフェオレだよね?
私
だ、ダサい…
おれお
ダサいって言うな
おれお
そう、俺はつまりカフェオレだ
おれお
まあ、声が聞こえたんだ
おれお
俺を買ってけ
彼の声は私にしか聞こえないらしい
何故かは分からないけど。
私
わかった
私
じゃあ、これからよろしく
私
君、ちょっとはカフェイン入ってるよね?
私
眠くなった時はよろしくね
おれお
任せとけ
おれお
もうすぐ受験なんだろ?
おれお
一緒に頑張ろうな
現在
孫
ねえねえ、ばあちゃん
孫
そのあとどうなったの?
私
そうだねぇ
私
実はね
私
受験勉強中ずっと一緒にいたからさ
私
いつの間にか恋しちゃってね
私
だから約束して貰ったよ
私
「志望校に合格したら、私とずっと一緒にいてください」
私
ってね
孫
飲み物なのに恋したんだ?
私
そうだねぇ…
孫
ちなみにさ
孫
ばあちゃんは合格したの?
孫
志望校に
私
さあね
私
それは想像にお任せするよ
孫
ちぇーっ
孫
まあいいや
孫
俺、友達と遊んでくる!
私
はいよ
私
いってらっしゃい
私
門限はちゃんと守るんだよ
孫
うん!
タッタッタッタッ
私
……
私
私ね
私
後悔はしてないの
私
貴方とずっと一緒にいられたこと
私
あの時貴方に会えて良かったわ
私
約束、守ってくれてありがとう
コップの氷が、カランと鳴った
それはまるで
誰かが返事でもするかのようにーーーー