コメント
3件
フォローありがとうございます!フォロバ失礼します🙇♀️
この国の夏は長い。
カセットから流れる音楽に 憂いを求めても それはひと時の慰めにしかならない
26歳、子供の頃から夢も希望も 持たない世の中を斜めから 見ていた人間だった。
小3の時に父が他界 母はその後男と蒸発 俺は祖母に育てられた。
この性格はそのせいかもしれない 変なことを思い出してしまう悪い癖 昔から治らない ふと、煙草を吸った
俺はこの瞬間だけ、この過去や つまらない日常から解放される。 鉛色の目がオレンジに変わる瞬間だ。
この瞬間が あの日からより濃いモノになった。 10日前のあの日から。。
会社の飲み会には辟易する。 飲めない酒まで飲まなければ 上に行くことはできない。 この日は苛立っていた。
鉛色の目の男
蓮
鉛色の目の男
何が旦那だ、軽い野郎が。 でも女はこんな男が好きになるらしい 今まで生きてきた経験でそう思う
鉛色の目の男
手渡された名刺には 日本たばこ(J○)と書いてあり 名前は竜崎というらしい
蓮
竜崎
確かにそうだ。 俺がガキの頃、大人たちは そこかしこで吸っていた。 今は喫煙所すら減った 喫煙者の俺には辛すぎる世界だ
竜崎
蓮
俺がそう言うと男の目が仕事をする 目の色に変わった
俺が煙草を吸う時のオレンジとは違い 混沌としたような泥臭いような色に。
竜崎
蓮
竜崎
蓮
竜崎
竜崎
蓮
竜崎
竜崎
蓮
竜崎
蓮
蓮
竜崎
蓮
しかし、帰ろうとすると 竜崎は小さな声で こう呟いた。
竜崎
竜崎
竜崎
そう言うと、絵に書いたような 作り笑いで俺を見送った
竜崎の最後の言葉は何だ あの自信はどこから来る?
しばらく考えていたが いつの間にか、どうでも良くなって 眠ってしまった