TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
桃 青 短 編 集

一覧ページ

「桃 青 短 編 集」のメインビジュアル

桃 青 短 編 集

1 - 浮 気

♥

101

2025年01月12日

シェアするシェアする
報告する

どうした青、わざわざ呼び出して。

うん。あのさ、

桃君、…浮気してるよね、?

あ、いや……

ちょっと前から知ってたの、もう僕のこと好きじゃないって

でも僕は…好きだったから……

次第に声が震えていく。

泣かないって、決めたのに、

でも、もう辛いのは、嫌…

はあ…、

桃君、別れよっか。

何度も言おうとした言葉。

勇気が出せず何度も言うのをやめた言葉。

別れよう。

僕のその言葉を聞いた桃君は

やっと、こっちを見てくれた。

っ…、

こっちを見て、驚いた顔をしていた。

……あの子と、幸せになってね。

…いや、まって

ごめん、俺が悪かったよ、

別れるなんて言わないで、なあ

無理だよ…!

僕、どれだけ我慢したと思ってんの!!

っ……ごめん

もう、いいよ…

最後くらい明るく終わろうよ………。

またね、とか

幸せになってねとか

最後くらい……

青……

…またね、桃君

おう…

またが来るなんて思ってない。

でも、最後くらい

笑い合ってお別れしたかったから。

っはあ……はあ……

僕は店を出てから走り続けた。

現実から逃れるように。

悲しさから逃れるように。

…っ…

目頭が熱くなって

顔がゆがむ。

泣いちゃだめ、泣いちゃだめだよっ…………

その場にしゃがみ込んでしまう。

っはあ……やだ、…いやだよ桃君………

いかないで…別の人のところになんて

行かないでよ………!

桃君は僕と別れても、あの子がいる。

でも、僕に残るのは

桃君との思い出だけなんだ。

ちょっと、こんなところで何してるんですか!?

黄くん………

ちょ…、とりあえず

僕の家行きましょ

何があったんですか?

…桃君と別れたの。

浮気してたの、桃君。

え…、

そんな…

いつから、…

僕が知ったのは、一ヶ月前…

…最低です、浮気するなんて最低すぎます……!

……

本当、桃くんは最低だよ。

愛するって決めたんなら

最後まで愛してよ。

数日後

ピンポーン

?誰だろ…

インターホンを見ると、立っていたのは

桃君だった。

どうして……

……はい、

“青、話がしたい”

…ちょっとまってて

ガチャ…

…話すことなんてないよ。

冷たくそういう。

こうでもしないと、許してしまいそうだから。

…俺が、話したいの

今、外出れない、?

…家でいい、?

うん、青が良いなら。

入って。

お邪魔します…

……

捨てたんだね、写真とか…、

…当たり前じゃん。

そうだね、ごめん…

嘘。嘘だよ。

捨てられるわけがない。

そんな簡単に捨てられるわけないよ。

…話って?

俺、ちゃんと謝りたくて。

…、

本当にごめん

青のことたくさん傷つけた。

それに気づけなくて、ごめん

傷つけてごめん

うん、…

……もういいよ

許すかどうかは置いといて

桃くんの気持ちはわかった。

もう、いいよ。

これ以上、君の言葉を聞きたくなかった。

許してしまいそうになるから。

な、なあ青…

なに?

もっかい、やり直したい…

…え、?

家帰っても、青はいなくて

青がいた形跡も無くて…

匂いも、なにも……残って無くて…、

…なんで桃くんが泣くのっ……

泣きたいのは僕だよ…、やめてよ……

せっかく、僕、離れたのに………

ごめん…ごめんなっ……

桃くん、段々僕のこと見てくれなくなって…

僕は桃くんしかいないのにっ……

桃くんには僕だけじゃなかった……

僕じゃないって、分かってるのに……

偽りの愛でも、それでもいいやって……

それが、どれだけ辛かったか…、わかんないでしょ?

ごめん、ごめんっ……

はぁっ……ごめん、言い過ぎた

いや、謝んないで…。

…青、こんなこと聞くの、間違ってるってわかってる。

…なに?

青、まだ俺のこと好き、?

……わかんない

そっか…

本当は好きだよ。

でも、ここでやり直せたって

僕は幸せになれる、?

…これ、返すよ。

桃くんが記念日にくれたペアリング

ほんとは、別れた後もなかなか外せなくて

外したくなくて

でももう、僕たちは終わりだよ。

……

少しの沈黙が続いた。

…おう、

受け取る君の手は、震えていた。

僕たちの恋は、本当に終わってしまったんだ

そう思った。

…今までありがとう。

うん。…僕も、ありがとう。

楽しかった、幸せだった。

…桃くん、幸せになってね。

…青も、な…

…、うん

桃くんが言わないでよ。

桃くんとじゃないと、幸せになんかなれないよ。

じゃあ…。

ガチャッ…バタン

君が出ていった後の部屋は、すごく静かだった。

あの日から、僕たちの間には気まずい空気が流れていた。

これからも一緒に活動するんだから

このままではいけない。

そう思い、桃くんを呼び出した。

…どうしたの、?

うん、あのさ

もう、過去のことは忘れよ、?

楽しかったことだけでいいんだよ。

…うん

友達に戻ろう、?

でも…

…僕は、友達に戻りたい

今までみたいに笑ってたい。

…桃くんは、違うの、?

いや、…俺も青と笑ってたい。

うん

ねえ、桃くん

こっち向いて?

ん、

桃くんは気まずそうにこっちを見る

笑ってよ、桃くん!

おう…笑

ーーーー!

ーーー?

ーーーー笑

ーーーーー!!

ああ、僕今

幸せ!

loading

この作品はいかがでしたか?

101

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚