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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

蘇枋

恥ずかしい所見られちゃったなぁ

珍しいな
お前が顔面にボールを
受けるなんて笑

蘇枋

ちょっと、
笑ってるでしょ

笑ってねぇって笑

笑いを隠そうと俺と目を 絶対合わせない様に そっぽを向いている桜君 それでもクスリと小さな笑いが 堪えきれていない。

蘇枋

俺と目を合わせて
話してくれないと
説得力がないんだけど。

ごめんごめんって笑

ほらちゃんと顔見せろって

蘇枋

嫌だ

蘇枋

絶対に見せない

お前、見せねぇと
ちゃんと手当できねぇって

蘇枋

……。

本当に申し訳なさそうに 話す桜君を もう一度フンっと顔を合わせぬ様に そっぽを向いた。

蘇枋……ごめん……

その…いつも
大人っぽいお前が、

怪我1つしないで喧嘩している
お前が……その……

年相応に怪我してんの見て、
安心したというか、…

その…

蘇枋

はぁ、もういいよ…

猫の様につんつんしていた あのころの君が こんなにスラスラと自分の 言葉を出せる様になったのか。 きっと元級友達の おかげなのだろう。 そう思ったらどこか嬉しく なったのと同時に、 その中に、きっと俺は居ない んだと、どこか虚しくなった。

擦り傷だらけだな…

鼻血こそは出ていないものの、 少し赤くなっている顔。 顔は擦り傷だらけ となっていた。

何か考え事でもしてたのか?

蘇枋

特に考え事は
してなかったなぁ

嘘を着いた。 だって、君のことを ずっと考えていたなんて 言ってしまえば、 俺の気持ちがバレてしまう かもしれないから。

綺麗な顔してんだから、
あんま傷つけんなよ

そっと桜君の 俺よりも少し大きくなった手が 体温の高い手が、 俺の頬にそっと触れた。

ほら、手当終わったぞ

その離れていく体温が 少し寂しいと思ってしまった。 名残惜しく思いながら じっとその手を見つめたが、 自分の熱い視線を 彼に向けぬ様に 彼から目線を逸らした。

俺はちょっと呼ばれてっから、
ここ空けるけど

お前はどうする?

蘇枋

俺はここに残るよ

りょーかい

すぐに戻ってくっから

蘇枋

うん。

そうして保健室のドアを 開けてこの場から桜君は 去っていった。 白いTシャツに学ランの代わりに 来ていた白い白衣 彼の俺よりも小さかった 背中は、とても大きくなっていた。

保健室から足音が去っていくのを 聞いてから、 はぁっと1つ浅いため息を 着いた。

蘇枋

ずるいよ……桜君……

元から赤かったはずの顔は 彼の行動や、 さっきの言葉で 熱が昇っているだろう。

恥じらいのないサラッと 出てきた桜君の言葉は 片思いである俺を 赤く染めあげるのは そう難しいことじゃなかった。

蘇枋

桜君が帰ってくる前に、
なんとかしないと…

この顔の熱が早く引く様に 窓を開け、 少し冷たい風に当たった。

呼び出された場所に 向かおうと足を動かした。 1歩1歩確実に踏み出して 保健室を離れた。

そして少し離れた所で、 俺は盛大にしゃがみ込んだ

顔は見られない様に 下に向ける。 はぁっと1つ浅いため息が出た。

やっちまったやっちまった
やっちまった……

無意識だった。 アイツに綺麗と言ってしまったのも その陶器の様に白い肌に 触れてしまったのも。

顔が暑く火照って、 先程のことを思い浮かべると 羞恥心が湧き上がってくる。

これじゃあ、 隠すと決めたこの気持ちが バレてしまうでは無いか。

せめてアイツが、 学生を終えるまでは 絶対にバレない様に しようと思っていたのに。

アイツの負担にならないように しようと思っていたのに。

絶対バレた……

~っ!!!

どんな顔してもどりゃ
いいんだよっ!!!

赤く染めた顔で、 独り言を呟く俺に、 風鈴生徒達は どうしたさく先~ 等と笑って話しかけていた

うっせぇ!ほっとけ!

「また蘇枋にでも 揶揄われたのか~?」 と、更に追い討ちをかける様に 話しかけてくる生徒達 ここでうだうだしていても仕方がないと、心を入れ替え、 とっとと呼び出された場所へと 向かった。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

9

ユーザー

今回も素敵なお話ありがとうございます🙇‍♀ たくさんリクエスト来ていた中でも一番初めにリクエストに応えて頂いて嬉しく思います😊 無理の無い程度に頑張ってくださいね。 ポiンiコiツ駄目なんですね!初めて知った… いつも同じ様なコメントですみません💦 これからも頑張ってください✨

ユーザー

両片思いってめっちゃキュンキュンする…♡

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