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一之瀬 理鈴

わぁ……!

一之瀬 理鈴

ここがその海? なんだよね?

天月 芦愛

そのとーーーーり!!

天月 芦愛

今日はここで思いっきり遊びまーす!

天音 ゆい

うぇーいひゅーひゅー

白峰 ユウ

(別に今海の季節でもないけどなぁ……。)

白峰 ユウ

(……楽しいならそれでいいか。)

一面真っ青な海が見えてはしゃいでいる3人。 その様子をユウが見守っていた。

以前来た時のことを思い出しながら、ぼんやり海を見つめる。 はしゃぎっぱなしの3人は、ユウのどこか憂いを帯びている顔に気付いていないのかもしれない。

一之瀬 理鈴

──白峰さん?

白峰 ユウ

ん? あ、あぁ。

一之瀬 理鈴

本当に体調悪いなら無理しない方がいいと思うよ……大丈夫なの?

天音 ゆい

思い切り楽しまないと〜、とか言ってたのはユウ達なのに。

天音 ゆい

その本人が体調不良で楽しめないなんてつまんないじゃん。

白峰 ユウ

ゆいはゆいで切り替えが早いな……。

白峰 ユウ

……てかそもそも海ではしゃぐような歳じゃないんだけどな

一之瀬 理鈴

えっと……

一之瀬 理鈴

それじゃあ天月さ──

天月 芦愛

理 鈴 ち ゃ ん ?

天音 ゆい

理鈴、それ以上はやめておきな。

一之瀬 理鈴

あ、あはは……。

白峰 ユウ

俺は荷物とか置いとくから、3人は着替えたりしたらいいじゃん。

白峰 ユウ

そもそも俺泳がないし。

一之瀬 理鈴

……え、いいの?

一之瀬 理鈴

白峰さんがそうなら僕も──

天音 ゆい

まぁまぁ理鈴、ここはお言葉に甘えるってことで。ね?

天月 芦愛

あ、下までは持って行くよ!

天月 芦愛

だから今は大丈夫!

白峰 ユウ

……そうか

海から離れた砂浜にパラソルを差してぽつんと座るユウ。 3人が来るのを待ちながら、波打っている海水を眺めていた。

白峰 ユウ

(3人を不安にさせたり心配させない為に手がかりを探していたのに……)

白峰 ユウ

(そのせいで心配されてるんなら元も子もないな。)

白峰 ユウ

(……何か、あったらいいのに)

天月 芦愛

ユウく〜んおまたせ〜!

天月 芦愛

本当に着替えなくてもいいの?
もしかしたら濡れるかもしれないし。

白峰 ユウ

……いや、俺はいい。

白峰 ユウ

そもそも水着持ってきてないし。

天音 ゆい

え? マジで?

天音 ゆい

海来たのに水着なしって……。

白峰 ユウ

いやだからそもそもまぁまぁ季節外れなんだっての。

天音 ゆい

まぁそうだけど……。

白峰 ユウ

こんな時期に海入るとか風邪引かない?

白峰 ユウ

てかそもそもなんで海水浴出来んの?

天月 芦愛

常時解放してるとか何とか……。

天月 芦愛

まぁ寒くなるだろうしあんまり泳ぐつもりはないんだけどね。

天月 芦愛

泳がなくても、写真撮るとか海の家でご飯とか色々な楽しみ方はあるしね!

その時、それまで何も喋っていなかった理鈴が「そういえば」と口を開いた。

一之瀬 理鈴

──あの海の家のメニュー、全部美味しそうだったよね。

一之瀬 理鈴

特にカレーとか。

天月 芦愛

あ〜、あのカレー!
確かに美味しそうだったよね!

天月 芦愛

それじゃあお昼はあそこにしよっか?

天音 ゆい

あり〜。

天音 ゆい

あーし、あそこのハリケーンポテト食べてみたいかも。

一之瀬 理鈴

あれ、凄く大きそうだよ。
食べ切れるの?

天音 ゆい

まぁお腹すいてたら余裕っしょ。

白峰 ユウ

(海の家……カレー……)

白峰 ユウ

(海の家…………?)

海の家が何故か引っかかったユウは、何かあっただろうかと 自身の記憶を探っていた。

……そして、ふと思い出した。

白峰 ユウ

……あ。

天月 芦愛

……???

天月 芦愛

ユウくん、どうしたの?

天月 芦愛

まさか朝ご飯食べてないとか……?

天音 ゆい

いやいやそんな訳──

白峰 ユウ

……ちょっと思い出したことがある。

白峰 ユウ

あっちの方行ってくるから、待ってて。

天月 芦愛

え……ユウくん!?

一之瀬 理鈴

本当に朝ご飯食べてなかったのかな……?

天音 ゆい

いや流石にそれはないっしょ。

カランコロン……

老婆

いらっしゃいませ──おや?

老婆

その見た目、もしや……
ユウくんかい?

白峰 ユウ

……久しぶりです

白峰 ユウ

少し、大切なことを思い出して。

老婆

あらあらまぁまぁ……。

老婆

そんなに真剣な顔をして、とても大切なことなのかい?

白峰 ユウ

……はい。

この老婆──海の家の店主と出会ったのは数年前。

両親が立派な水泳選手になっていて、「お前も水泳選手になれ」と圧をかけられていた。

それは違う、自分にはなりたいものがあると言いたいのに、 そのなりたいものが何なのかは分からなかった。

きちんと意思表示することも出来ずにただ息苦しさだけを感じていた時、俺は音楽に出会った。

なんとなく、現実逃避をしに海の家に入った。 その瞬間、店の中で演奏をしている1組のバンドが目に飛び込んできた。

白峰 ユウ

……!!

汗を流しながら、笑顔で仲間と歌い、演奏する。 そうか、俺がなりたいのは水泳選手じゃなくてこんな姿なのかもしれない、と直感した。

……もちろん、親が成功したのだから、子にも水泳選手になって 成功してほしいという気持ちも分かる。

だけど、俺は言われるがままになりたくなかった。

白峰 ユウ

あの、お婆さん。

老婆

どうしたんだい?

白峰 ユウ

……あの人達って?

老婆

あぁ、あのバンドのことかい。

老婆

最近メジャーデビューしたばかりの地元のバンドさ。

老婆

いつの間にか大きくなってね……。

老婆

母親ヅラって言うのかもしれないけど、私も誇らしいよ。

老婆

あの子達は私らの誇りだ。

白峰 ユウ

……!

白峰 ユウ

(俺も、いつかあんな風になってみたい……!)

そう、俺はああなりたかった。

1回壁に激突しただけでバラバラになって、夢を叶えられずに消えてしまうなんて。

まだ希望はある。まだ輝ける。

白峰 ユウ

(──思い出した)

白峰 ユウ

(そういえば、スマホの動画に“あの曲”を歌った時のものがあったはず。)

白峰 ユウ

(カレンダーも動画内に映っているし、あれを投稿すれば──!)

一之瀬 理鈴

あ、白峰さん!

一之瀬 理鈴

よかった、突然居なくなったから何事かと思ったよ……。

天音 ゆい

海の家……。

天音 ゆい

まさか、本当にお昼食べてなかったの?

白峰 ユウ

いや、違──

天月 芦愛

それならそう言ってくれればよかったのにー!

白峰 ユウ

だから違うって……

白峰 ユウ

……くっ、ふはっ。

白峰 ユウ

いいや、朝ご飯を食べなかった訳じゃないんだ。

こんなことでも本気で心配してくれる皆がおかしくて、 それでも何だか暖かくて。

俺が守らなくちゃいけない場所はきっとここだ。 皆も、きっと同じことを思っている。

白峰 ユウ

ちょっと……思いついたことがあるんだ。

白峰 ユウ

……例のパクリ疑惑のことで。

【参加型】Stellar Symphony〜sky-high編〜

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