校舎裏、放課後
いつもそこには、彼女がいる。
樋口 美玲
七宮 凛月
凛月(りつ)は美玲(みれい)の隣に腰を下ろす。
猫
七宮 凛月
凛月は無邪気に笑いながら「ねこ」の頭を撫でた。
樋口 美玲
樋口 美玲
樋口 美玲
七宮 凛月
七宮 凛月
樋口 美玲
七宮 凛月
七宮 凛月
正直、何を考えているかわからない
俺が冗談を言って、笑うことも
ツッコミなんてもちろんされない
「ねこ」は美玲の足にスリスリと頭を擦り付ける。
猫
樋口 美玲
美玲は優しく微笑む。
ドキッと心臓がはねた。
七宮 凛月
七宮 凛月
俺には見せてくれねーくせに……
七宮 凛月
七宮 凛月
樋口 美玲
樋口 美玲
冷たく言い放たれた言葉。
七宮 凛月
七宮 凛月
七宮 凛月
樋口 美玲
七宮 凛月
凛月はニッと笑った。
樋口 美玲
美玲は少し頬を紅潮させ、目を逸らした。
七宮 凛月
樋口さんは不思議な人だ
綺麗で、儚くて
少しでも目を離すとどこかへ消えて行ってしまいそう
中学三年生
これが俺の初恋だった
七宮 凛月
七宮 凛月
凛月は一呼吸置いて口を開けた。
七宮 凛月
樋口 美玲
美玲は口角を上げて優しく微笑んだ。
風に揺らされる黒髪から匂うサボンの香りが胸をドキドキと高鳴らせた。
初めて見せてくれた、俺への笑顔
それが、覚えている最後の記憶だった
立川 小春
小春(こはる)はスクールバッグを肩にかけて全速力で走っていた。
立川 小春
唯は可愛い2つ結びを髪を揺らして振り向いた。
佐伯 唯
立川 小春
佐伯 唯
佐伯 唯
立川 小春
立川 小春
佐伯 唯
佐伯 唯
唯はニコッと笑った。
佐伯(さえき)唯(ゆい)
同じ中学で大親友の女の子
私よりも背が低くて、女の子っぽいふわふわの髪型で
クリっとした目に守りたくなるような笑顔
私の親友はめっちゃめっちゃ可愛いの!
立川 小春
佐伯 唯
佐伯 唯
佐伯 唯
唯は小春に顔を近づけた。
佐伯 唯
立川 小春
小春の顔はカッと赤くなる。
立川 小春
立川 小春
立川 小春
立川 小春
佐伯 唯
佐伯 唯
佐伯 唯
立川 小春
立川 小春
高校1年生
私、立川(たちかわ)小春(こはる)は
新しい環境に胸を躍らせていました!
卒業式が終わり、__
立川 小春
立川 小春
小春は泣きながら唯に抱きつく。
佐伯 唯
佐伯 唯
立川 小春
立川 小春
佐伯 唯
先生
先生
立川 小春
佐伯 唯
クラスメイトたちはゾロゾロと席に着く。
立川 小春
立川 小春
先生
立川 小春
立川 小春
小春はガタリとその場に立ち上がった。
立川 小春
立川 小春
立川 小春
立川 小春
ぱちぱちと拍手が鳴る。
立川 小春
立川 小春
小春は隣の席をチラリと見た。
男の子は机に突っ伏して自己紹介中、ずっと寝ている。
立川 小春
先生
先生
先生は座席表を読みながら男の子の名前を声に出した。
先生
先生
立川 小春
凛月は自分の名前を呼ばれ、体をムクリと起こした。
七宮 凛月
立川 小春
立川 小春
立川 小春
小春はコソリと凛月に教える。
七宮 凛月
先生
凛月はだるそうにその場に立ち上がった。
七宮 凛月
……
立川 小春
立川 小春
七宮 凛月
七宮 凛月
七宮 凛月
立川 小春
先生
先生
凛月は座ったかと思えば、また机に突っ伏して寝てしまった。
立川 小春
絶対、仲良くなりたくないよこんな人!
ー放課後ー
佐伯 唯
立川 小春
立川 小春
立川 小春
佐伯 唯
立川 小春
2人は玄関から外へ出た。
ビュッと風が吹く。
立川 小春
佐伯 唯
唯がスクバをガサガサと何かを探して声を出す。
立川 小春
佐伯 唯
立川 小春
佐伯 唯
立川 小春
唯は慌てて校舎へと戻って行った。
立川 小春
そのとき、凛月があくびをしながら前から歩いてきた。
立川 小春
立川 小春
小春は凛月から目を逸らし、通り過ぎるのをただ待っていた。
その時、風が吹いてふわっと小春の髪がなびく。
付けていたサボン系の香水の香りが匂った。
七宮 凛月
凛月はハッとした様子で小春の腕を掴む。
立川 小春
この状況……
この状況は
なんだー!?!?