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【入れ替わり一日目】
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
起きると、
自分が狭い台所に立って
何やら料理をしているようだった。
（仁）瀧澤 希余
振り返り、
にこやかに答える自分。
いまだ、違和感しか覚えない。
いや、違和感だ。
片手に菜箸を持ち、
料理をしているのだから。
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
とりあえず、顔を洗うため洗面台に向かう。
鏡に映るのはくしゃっとした黒髪を持つ、
塩顔のイケメン。
鏡に向かって微笑むと、
自分で微笑んだくせに
心臓がキュンッとなった。
（希余）香坂 仁
そそくさと顔を洗い、
部屋に戻ると
（希余）香坂 仁
ローテーブルの上に、
完璧な朝食が用意されていた。
こんがりと焼かれたトースト、
玉子とトマトの炒め物、
紅茶にはミルクが注がれていた。
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
普通に焼いたトーストなのに、
玉子とトマトを炒めただけなのに、
ティーバッグの紅茶にミルクを入れただけなのに、
その全てが洗練されたような
特別な美味しさを感じた。
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（仁）瀧澤 希余
そう言って仁はスマホの画面を見せた。
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
仁がおずおずとスマホと取り出すと、
その画面は見るも無残にひび割れ真っ黒だった。
（仁）瀧澤 希余
（仁）瀧澤 希余
言いながら希余に渡す。
確かに、横の電源ボタンを押しても
うんともすんとも言わなかった。
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
希余は仁に、
昔使っていた古い機種のスマホを渡す。
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
仁は慌ただしく部屋を出て行った。
一人残された希余は、
朝食を食べ終わると片付けをして、
のんびりとテレビを見る。
ほどなくして、
仁からメールが届いた。
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
呟いて大きく伸びをする。
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
そんなことを言いながら、 パソコンに電源を入れる。
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
瀧澤希余は、
趣味で小説を書いていた。
最近では異世界転生モノにはまり、
その手のモノを多く書いていた。
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
そして、
自分の身に起こったことを書き綴ることにした。
・
・
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
夕方、
買い物袋を提げて帰って来た自分の姿を見て、
希余は笑いそうだった。
（仁）瀧澤 希余
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
邪魔にならないよう、
少し離れた場所に立つ。
希余は、仁の流れるような動きに目を見張る。
無駄の無い動き。
レシピなど一切見ることなく、
テキパキと料理を作っていく。
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
自分の台所なのに、
仁が使うと全く別物に見えてしまった。
グラタンとサラダ、スープと手際よく作り、
テーブルに並んだその様はまさにレストランのようだった。
（希余）香坂 仁
言いながら写真を撮る。
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（仁）瀧澤 希余
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
その日食べたグラタンの味を、
希余は一生忘れないことだろう。
特別なことはしていなかったように見えた、
それなのに
今まで食べたどのグラタンよりも美味しかった。
感動的な味だった。
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
（仁）瀧澤 希余
（希余）香坂 仁
こんな幸せなことがあっていいのだろうか。
勉強は別の人に任せて、
自分は好きなことをやって、
美味しい料理に舌鼓を打ち、
まるで極楽浄土にでもいるかのような感じがした。
こんな日が永遠に続けばいいと思いながら、
入れ替わり一日目が終わった。
・
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