菜穂
時計を見ると、8時を過ぎていた。
菜穂
菜穂
ベッドから飛び起きて、急いで制服に着替える。
鞄を取ると、階段を駆け降りた。
菜穂
菜穂
リビングにいるお母さんにそう言った。
お母さん
菜穂
お母さん
菜穂
お母さん
菜穂
水を一杯飲んで、玄関に向かう。
菜穂
お母さん
菜穂
家を飛び出して、走った。
学校まで歩いて30分。
走ると10分。
菜穂
走っていくと、学校へと続く国道に出た。
道の傍には田んぼが広がっている。
私の住んでいる愛森市は、地方都市の外れにある。
駅もそれほど大きくなくて、自然も残っているのだ。
風景には目もくれず、全力で走った。
学校に着いた。
菜穂
土のグラウンドの先に、色あせたコンクリートの校舎が見える。
愛森市立愛森高等学校。
市内に唯一ある高校だ。
校舎に入ると、上履きに履き替え、急いで階段を上る。
二階まで駆け上がって、廊下に出ようとした瞬間、
ドンッ。
菜穂
誰かにぶつかって、私はその場に転んだ。
菜穂
見上げると、制服を着た男子が立っていた。
菜穂
目線を上げると、金髪が目に飛び込んできた。
菜穂
その男子は、無言で私に手を差し出した。
菜穂
私はその手を掴んで立ち上がった。
菜穂
そうお礼を言うと、一瞬目が合った。
一見怖そうな雰囲気だけど、端正な顔立ちをしていて、イケメンだった。
でも、その表情はどことなく暗かった。
菜穂
チャイムが鳴った。
菜穂
私は小さいお辞儀をして、駆け出した。
菜穂
そんなことを思いながら、教室へと急いだ。
千夏
千夏は笑顔で言った。
菜穂
私はそう答えた。
千夏は高校に入って知り合った、私の親友だ。
とっても明るい性格の女の子だ。
菜穂
始業式を終え、2年A組の生徒は教室に戻っていた。
休み明けだからか、みんないつもより騒がしい。
千夏
菜穂
千夏
菜穂
私は顔を赤らめた。
千夏
菜穂
千夏は顔を覗き込んできた。
菜穂
千夏
千夏は笑った。
千夏
菜穂
千夏
千夏
千夏
千夏
千夏
菜穂
私は俯いた。
千夏
菜穂
千夏
菜穂
千夏
菜穂
千夏
菜穂
千夏
菜穂
菜穂
千夏
千夏
千夏
菜穂
千夏
菜穂
千夏
千夏
千夏
菜穂
千夏
直弥
直弥君がやってきた。
菜穂
直弥
彫刻のように整った顔に、清潔そうな黒髪。
直弥君は、いつ見ても爽やかだ。
直弥
菜穂
直弥
直弥
菜穂
直弥
菜穂
直弥
菜穂
直弥
菜穂
菜穂
菜穂
菜穂
直弥君は私をじっと見て、答えを待っている。
菜穂
菜穂
菜穂
直弥
菜穂
直弥
直弥
ポンッ。
直弥君は私の頭に手を置いた。
直弥
菜穂
私は頬を赤らめつつ、言った。
直弥
菜穂
菜穂
前を見ると、直弥君は私を見つめていた。
菜穂
ガラッ。
教室のドアが開いて、先生が入ってきた。
先生
クラスメイトは次々と席に座っていく。
直弥君は手を離すと、私に微笑んで、自分の席に戻っていった。
私はボーっと、立ったままでいた。
先生
菜穂
先生
気付くと、私一人だけ立っていた。
菜穂
慌てて座ると、みんなから笑われた。
先生
途端に教室が騒がしくなった。
菜穂
菜穂
先生
先生が声を掛けると、男子が入ってきた。
背がとても高くて、派手な金髪をしている。
菜穂
菜穂
菜穂
金髪に驚いたのか、クラスメイトはザワザワとし始めた。
先生
転校生
転校生は俯いたまま、黙っている。
菜穂
教室のざわめきが大きくなった。
転校生
菜穂
転校生
転校生はおもむろにそう言った。
その瞬間、クラスメイトは一斉に私を見た。
菜穂
菜穂
菜穂
菜穂
コメント
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ド、ドイウコトヤ
フォローありがとうございます!✨ 景色の描写の仕方がとても丁寧で、凄いなと思いました!✨ フォロバ失礼致します! 続き楽しみにしてます✨