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俺と…委員長と…

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俺と…委員長と…

16 - 俺と…委員長と…16

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2020年02月09日

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アヤメ…先輩… は…

中学の時に生徒会が一緒だった

アヤメが会長という 何かの間違いなんじゃ そう思えるような…奴

俺は1個下でクラス委員だから生徒会に 顔を出さなきゃいけなかった

その頃からおれは 人生が少し狂ってしまったのかもしれない

ケンシの通う中学

放課後の会議 自己紹介

ケンシ

2-3赤川賢士です

面倒くさいなと思いながらも 生徒会に出ていた

なぜこの学校は生徒会に2年も巻き込まれるんだろう

アヤメ

俺は生徒会長の久我彩夢
よろしく~

アヤメ

まっ
俺、適当にやるから
みんなもそんなに堅苦しい感じに
しなくていいからね~

最初の挨拶がこれだった

適当にやるって言っちゃう 生徒会長って何なんだ…

この人の噂は何となく2年でも話題に上がることがあった

というか 何でこの人が選ばれたんだろう…

とは言え投票で決まったわけだから 何かしらあるんだろう

ケンシ

…………

でも会議室の空気感は凄く明るかった

つまり雰囲気を作ってるのも この人なのだ

信じられないが 事実だった

会議が終わり下校しようとしたら

アヤメ

はいはいはいはいはい

アヤメ

赤川賢士くん
まちたまえ

ケンシ

えっ…?

アヤメ

君はここで俺と居残りだっ

ケンシ

はぁ!?

ケンシ

俺、2年ですけど?

アヤメ

わかってるよ~

アヤメ

でも生徒会長命令なのだっ

ケンシ

はぁ?

みんなは出て行ってしまった

ケンシ

だれか…

アヤメ

みんな良い子だから
帰ったよ~

「誰か居ませんかぁ!!!」

盛大におれの心の声が 出てしまったのかと思うくらい

周りを見渡した

しかし誰も居なかった

ケンシ

なん…のようですか?

アヤメ

俺さ
君のこと話はよく聞くよ

ケンシ

え?

アヤメ

何か頭が良くて
スポーツもそこそここなしちゃって

アヤメ

そしてイケメンときた

ケンシ

それは外野が勝手に
言ってることですから

と言うか 話し方に勢いのある人って あんまり得意じゃないんだよな

ケンシ

で、俺、何かしました?

アヤメ

したよ~したした!

ケンシ

全く身に覚えがないですけど…

アヤメ

いや~さぁ~

アヤメ

俺の好みじゃん?

ケンシ


このみ?

アヤメ

そう!

ケンシ

何がですか?

アヤメ

だから、俺の好みなの!

なんか面倒くさい

ケンシ

意味分からない

ケンシ

帰りますよ

アヤメ

まってぇ~~~~

アヤメ

違うの!
違わないけど!!

アヤメ

君が俺の好みの子!

ケンシ

はぁ~~~~???

この会話から始まった

アヤメがおれを追いかけ回すことになったのが…

アヤメ

ケンシ~
いる~?

ケンシ

いません!帰って下さい!

アヤメ

いるじゃん!

アヤメ

ケンシくぅ~ん

ケンシ

うっさぃ

アヤメ

なーなー
ケンシー

ケンシ

忙しいんで!

ケンシ

つか!アヤメ先輩来ると
女子がうるさいんですけどっ!

アヤメ

それは俺悪くないし

ケンシ

来なきゃいいじゃないですか!

アヤメ

誰も俺は止められないのだっ!

ケンシ

はぁ?

アヤメは教室に来たり移動教室の時 すれ違うたびに おれに全力アピールをするようになった

そんな騒がしい日々が3ヶ月くらい続いて

これから夏も本番になろうとしてきた頃

遂におれは窮地に立たされた

アヤメ

なぁ…ケンシ

ケンシ

もうみんな帰りましたよ!

ケンシ

俺らも帰りますよ!

アヤメ

俺、本当にケンシのこと
好きだぜ?

ケンシ

またそんなこと!

ケンシ

からかうのも
いい加減にっ

そう言った瞬間おれは アヤメにキスされた

ケンシ

んんっ!

アヤメ

ケンシっ

ケンシ

はぅ…っ…

アヤメはおれの顔を両手で押さえ 当時のおれには濃厚すぎる キスをしてきた

アヤメ

ケンシぃ

ケンシ

はぁっ…
んんっ…

コイツは本気だったと ようやく察した

アヤメ

舌…もっと出して…

ケンシ

やっ…あっ…

女子とはキスしたことがあったが 男とまさかキスをするなんて

ケンシ

はぁっん…
んんっ……

アヤメ

好きだぜ
本当に

ケンシ

やっ……
やめぇ…っ…

アヤメ

ケンシ…

アヤメは何度もおれの名前を呼んで 濃厚なキスを続けた

ケンシ

ちょっ…あっ…
んぁっ…

力が抜けそうになっていたが 必死で耐え アヤメを引っ剥がした

ケンシ

いっ!息!
止まるっ!

アヤメ

ちぇっ
もっとしたかったのにぃ

ケンシ

バッ!バカなこと言わないで下さい!

ケンシ


男だし!

アヤメ

俺も俺も!

ケンシ

そうじゃなぁい!!!!

アヤメ

俺は残念ながら
男だろうが女だろうが
気に入れば関係ないのだよ

ケンシ

いやいや、偉そうに言うなよ

ケンシ

しかも何で俺なんだよ

アヤメ

一目惚れ

アヤメ

からの~

ケンシ

か、から…の…

アヤメ

お前見ててやっぱ
俺の目に狂いはないと
確信

ケンシ

わからないっす

ケンシ

つか!そう言いながら
俺の体舐め回すように

ケンシ

触らないで下さい!

アヤメ

いいじゃねーか!

アヤメ

お前が悪いんだよ!

アヤメ

俺に気に入られちゃうから!

ケンシ

逆ギレ!?

アヤメ

イヒヒ
ニヤニヤ

コロコロ変わる表情や態度におれは 段々 アヤメと言う存在が 気になっていった

ケンシ

んぅあ″あ″あ″!
もぅあっ!

ヒカル

かっ!?
会長!?

ヒカル

どどどどど………
どうしたんですか!?

ヒカル

ここ病院ですよ!

ケンシ

ハッ!

ケンシ

すまない…
回想シーンで
少しやられてしまった…

ヒカル

え?

そう ここは病院

こんなところで遭ってしまったせいで 要らぬ過去を思い出してしまった

ヒカル

会長…
疲れてるんじゃないですか?

ケンシ

田上くんは心配性だな

ヒカル

でも顔に疲れが出てます
目の下も隈があるし…

ヒカル

そんな会長見たことない

ケンシ

俺は多少のことは
大丈夫だよ

ケンシ

君の心労に比べれば

ヒカル

たぶん僕も会長も
同じくらい心配してて…

ヒカル

同じくらい疲れてる

ヒカル

僕はそう思います

ケンシ

君に言われるようじゃ
俺もまだまだかな?

ヒカル

そっ…
そんなこと

ヒカル

ない………です……ょ…

正直 的を射てるようで ドキッとした

彼は確実に人として成長している

そうなってきたのは 目の前で眠っている カナタの影響だろう

ヒカル

ねぇ会長…

ケンシ

ん?

ヒカル

カナタくんのご両親…
大丈夫かなぁ?

ケンシ

そう言えば俺らが昨日居るときには
姿が見えなかったな

ヒカル

まさか
カナタくん
ご両親と仲悪いんじゃ…

ケンシ

それはないだろう
彼を見てればわかるよ

ヒカル

じゃあ凄くショックで
来られないんですかね…

ケンシ

どうだろう

ケンシ

他人の家庭に首を突っ込むような
野暮なことはしたくないけどね

ヒカル

そう…ですよね…

そんな話をしてたら看護師さんが 朝の検査をすると言い 病室にやってきた

ヒカル

あの…

ヒカル

カナタくんは…

まだ昨日来て今日なので 経過をみてるしかない

確かにそうだった

ケンシ

田上くん
神経質になりすぎては
だめだよ

ヒカル

は、はい…

ヒカル

僕…ちょっとロビーで
落ち着いてきます

ヒカル

何かカナタくんを目の前にしてると
心配すぎて…

ケンシ

そうだな…
頭を冷やすといいよ

ヒカル

…………

ヒカル

カナタくんのご両親
大丈夫かなぁ…

ヒカル

昨日、来てないわけないよね

ヒカル

どんな人だろう

ヒカル

カナタくんの親って
やっぱり似てるのかな…

ぼくは色々なことに想いを馳せながら 落ち着きを取り戻そうと 必死になった

ヒカル

そういえば会長…

ヒカル

あのアヤメさんって言う人が
来てからちょっと変だったな

ヒカル

いつもの会長らしくないというか…

ヒカル

よくわからないなぁ…
僕はあまりにも人と接してこなさすぎた

ヒカル

これからは本当に
もっと積極的にならないと…

ヒカル

人の気持ちをもっと
わかるようにならないと…

日を追うごとに 自分の意思が ハッキリ決められるように なってきた

そう言うことを実感できるようになった それもすべて カナタくんのお陰じゃないかと そう思った

ヒカル

カナタくん…

ヒカル

早く目を覚まして…

ヒカル

僕の名前を呼んで…

俺と…委員長と…

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