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妖魔銃殺者第7話

第1話 - 妖魔銃殺者第7話

2020年11月16日

#アクション

#長編

タピオカ丸

次に目覚めた時、目は開かなかった

正確には開けなかった

なぜなら俺の頭に誰かの手の感覚があったからだ

新藤那月

（な…んだ？何か感覚が…）

新藤那月

（誰かが俺に触ってる？誰だ）

新藤那月

（この状況で俺に触るのは純夏しかいないはず）

新藤那月

（しかし純夏が俺に触るとは思えない）

新藤那月

（だったら誰だ？目を開けて確かめるべきか？）

新藤那月

（いや、もし仮に純夏だった場合いきなり目覚めたら殺されるかもしれない）

新藤那月

（だが絶対何か理由があるはずだ）

新藤那月

（もう少しこのまま様子をみよう）

九条純夏

かみ…

新藤那月

（な、なんだ…髪？髪がどうした）

九条純夏

きれい

新藤那月

（きれい？どういう事だ、何か狙いがあるんじゃないのか？）

新藤那月

（褒めてる…のか？）

新藤那月

（やっぱり見て確かめるべきだ）

新藤那月

（薄目なら気づかないだろう）

俺は純夏にギリギリ見えないように薄目を開けた

新藤那月

（どうやらさっきまで目の前に座っていた純夏さんが俺の横に来て髪の毛を触っているらしい）

目を開けた時に見た純夏の表情が柔らかく、俺はしばらくこの状況に身を任せた

新藤那月

（やっぱり悪い気しかしないな…）

新藤那月

（やっぱり気付いてもらおう）

いきなり開けるのではなく、ゆっくり…まるで今起きたかのよう演じる

余程焦ってか、ガタガタと音を鳴らし自分の元いた席には戻らなかった

新藤那月

あの…九条さん…？

九条純夏

あらおはよう那月くん

新藤那月

あ、おはよう

九条純夏

で、何か用かしら那月くん

新藤那月

いや…九条さんの席…前

九条純夏

何を言っているのかしら私は元々ここの席よ

九条純夏

まだ夢の中にいるんじゃないのかしら

新藤那月

あ…そう…なのかな

新藤那月

（そんな筈はない、間違いなく前の席に座っていた）

新藤那月

あの純夏さん？

九条純夏

何かしら

新藤那月

俺が寝てる時…何か…した？

九条純夏

何を言っているのかわからないわ

九条純夏

私が寝てる貴方の間抜けな寝顔に干渉したとでも思っているのかしら

九条純夏

だとしたらとても気持ちが悪いわ、一回死んでみたらどう？

新藤那月

（えぇ…出会ってから1番辛辣）

新藤那月

（流石に傷つく…）

新藤那月

（恐らく何か事情があるのかもしれないな）

新藤那月

（これ以上踏み込むのはよそう）

新藤那月

それはそうと、後どれくらいなんだ？

九条純夏

次で乗り換えよ

新藤那月

（おお我ながらグッドなタイミングで起きたな）

その後何事もなく純夏と俺は電車を乗り換え、再び目的地まで電車に揺られた

次は〜野辺山〜野辺山〜お出口は右側です

新藤那月

野辺山？駅？

新藤那月

ってどこだ？

九条純夏

長野県よ

新藤那月

は？

新藤那月

え…な、長野？

九条純夏

えぇ長野よ

新藤那月

いや遠すぎだろ！

九条純夏

だから2時間って言ったじゃない

新藤那月

いやそれにしても…

新藤那月

えぇ…交通費足りるかな…

九条純夏

そこは問題ないわ……はいどうぞ

新藤那月

え？なんで？

純夏は俺に一万円札を渡した

新藤那月

いいのか？こんなに

九条純夏

えぇ大丈夫よ

新藤那月

そうか…悪いな…

新藤那月

（なんつう経済力だよ）

九条純夏

降りるわよ

新藤那月

お、おう

そこから駅を出て町へ行った

少し歩くと少し人の気配が少ないところに着いた

新藤那月

ここか？

九条純夏

えぇそうよ

新藤那月

なんだ…？ここ…

そこは綺麗でも汚くもなく普通の小さい店のようなもの。ただ少し違うのは…

【ラブリープリンセスホテル】〜最高の占いを〜

新藤那月

純夏…

九条純夏

何？那月くん

新藤那月

俺たちって…どこに行くんだっけ

九条純夏

鑑定士の所よ

九条純夏

もう着いてるじゃない

新藤那月

あぁそうか…

少し苦笑いしながら言うと、二人で中へ入っていった

新藤那月

（いや…いやいやいや！どういうこと？プリンセスホテル…ホテル？ホテルなのか？いやホテルだよな…）

新藤那月

（え、鑑定ってそういう意味？電車の事といいホテルって…まさか…そういう？）

新藤那月

（いやいや！落ち着いけ新藤那月）

新藤那月

（よくよく考えてみろ、ここは見た感じ泊まれるほど広くない）

新藤那月

（きっと店主がユーモアたっぷりな人なんだろう…）

新藤那月

（きっとそうだ）

九条純夏

失礼します

すると奥からタッタッタと足音が近づいてくる

？

あ〜！いらっしゃい〜

新藤那月

（え…女？）

？

あぁ〜！純ちゃん〜

九条純夏

きゃっ

奥から出てきたのは魔女のような三角帽に片眼鏡と言ったいかにもオカルトのような女だった

その女は勢いよく純夏に抱きついた

？

よく来たね〜純ちゃん！半年ぶり？

九条純夏

えぇそうね…そのくらいだわ…

九条純夏

いいから…早く離れてもらえないかしら

？

もう〜つれないな〜

女は少し不満げにそういうと純夏から離れた

新藤那月

（やけに明るい女だな…）

新藤那月

（第三者の俺でも仲がいいのは見て分かる）

すると今まで純夏にしか興味のなかった女が俺の方を見た

新藤那月

うっ…

やけに目つきが鋭く、歓迎されていないのはすぐに分かった

？

ははぁ〜ん、そういう事ね純ちゃん

九条純夏

…？そういう事とは？

？

ふっふっふ…

？

新しい彼氏を私に自慢しに来たって事ね！

女は自信満々に純夏に言った

九条純夏

？

純夏は不思議そうな顔をしている

九条純夏

な、何を言っているのかしら、相変わらず頭の悪さは深刻なようね

？

えぇ〜酷いよ純ちゃん〜

九条純夏

その純ちゃんって言うのやめて…って何回言えばいいのかしら

？

ごめんってば〜

？

で、本当はなんの用なの？

新藤那月

（やっと話が進むな…）

九条純夏

この人の鑑定をお願いしたいの

俺の方を指差しそう言った

新藤那月

いやこの人って…

新藤那月

（どんだけ他人行儀なんだよ）

？

ははぁ〜ん、なるほど

すると女はトコトコと俺の方へ近寄ってきた

？

はじめまして！

女はいきなりそういうと俺に手を差し出した

新藤那月

（握手か…）

新藤那月

あ、はい、はじめまして

握手をするとすぐに女が切り出した

？

奥で話そうか！長くなるだろうし

？

さぁ！入って入って！

女は強引に俺と純夏の手を引き中に招き入れた

キミティア＝ローリエ

改めて！はじめまして！

キミティア＝ローリエ

私はキミティア＝ローリエよ！
よろしくね！

新藤那月

ロ、ローリエ？

新藤那月

（俺が動揺するのも無理はない）

新藤那月

（ローリエと名乗る目の前の女は
どこからどう見ても日本人にしか見えないからだ）

新藤那月

えっと…

九条純夏

あぁ

九条純夏

ローリエと言っても彼女は日本人よ

九条純夏

私達でいう厨二病ってやつね

九条純夏

年は私達と同じ17で本名は…

キミティア＝ローリエ

ワーワー！ダメ言わないで！

九条純夏

冗談よ

キミティア＝ローリエ

もう…純ちゃんのバカ

新藤那月

（余程仲がいいんだな）

新藤那月

（少し微笑ましい…）

キミティア＝ローリエ

で、君の名前は？

急に真面目そうな顔で聞きだした

新藤那月

あ、新藤…那月と申します…

新藤那月

（いやどこで人見知り発揮してんだよ俺）

キミティア＝ローリエ

…

新藤那月

（な、なんだ…空気が重い…）

キミティア＝ローリエ

あっはっはっ！そんなに硬くなるなよ新藤くん！

女は俺の背中をバシバシと叩きてきた

新藤那月

（なんなんだこいつ…急に馴れ馴れしすぎだろ）

キミティア＝ローリエ

まぁ鑑定依頼はわかったけど

キミティア＝ローリエ

とりあえず事情を聞かせてもらえる？

ローリエはそう言うと台に肘をつき俺達を見た

新藤那月

（いや切替早すぎだろ）

九条純夏

えぇそうね…まずは…

そこから今まであった経緯と鑑定の依頼内容を全て話した

キミティア＝ローリエ

マルボロね〜

キミティア＝ローリエ

事情はわかったよ

新藤那月

（え…？マルボロ？）

新藤那月

（なにそれタバコ？）

九条純夏

そう、だからこの人の鑑定をお願いしたいの

新藤那月

（え純夏さんもスルー？）

新藤那月

（俺にはわからないノリなのか？）

新藤那月

（とりあえず指摘するのはやめておこう）

キミティア＝ローリエ

よし！いいよ！

キミティア＝ローリエ

緊急事態だし！その依頼受けるよ！

キミティア＝ローリエ

純ちゃんのお願いだしね！

九条純夏

助かるわ、ありがとう

キミティア＝ローリエ

いいのいいの！

キミティア＝ローリエ

じゃあ新藤くん？こっちきて？

新藤那月

え？

途端の出来事に不安そうに純夏を見た

九条純夏

大丈夫よ見てもらうだけだから

九条純夏

すぐ終わるわ

新藤那月

（えぇ怖いんですけど）

新藤那月

（行こうとしてる通路めっちゃ暗いんですけど）

新藤那月

（大丈夫なのか…？これ…）

キミティア＝ローリエ

そんな警戒しなくても大丈夫だよ！

新藤那月

お、おう…わかった

新藤那月

（知らないものを警戒するなは無理があるぞ）

ついていくと先に一つの小部屋があった

中に入ると赤暗い照明に真ん中に謎の水晶のようなものが置いてあった

新藤那月

（えぇ…おもっくそ怪しいんですけど…）

新藤那月

（俺これから拷問とかされるの？ってぐらいの雰囲気）

キミティア＝ローリエ

じゃあ銃だして？

新藤那月

あ、あぁ

新藤那月

（どうやら普通に鑑定をするようだ）

俺が銃を出した瞬間、目の前の水晶が光り出した

キミティア＝ローリエ

え…？どういうこと？

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