テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
みく
みく
みく
みく
みく
夏休み終わるの早いですね。(遺言)
君を見た瞬間のあの感覚は
忘れられないほど 痛いほど
何かひとつ 大切なものを得られた気がした
そう
あれは
俗に言うデジャヴというものだ
桃
桃
俺が自身を愛す理由と
君が同時に全部どこかへ行って
桃
それすらもまっさらに忘れた
___バサッ
最低な人間だ
桃
桃
なんで
こんな涙が頬を伝うのか
こんな、最低な俺の
桃
桃
そうだ
全部過去のこと
全部勝手に忘れて逃げようとした
俺の、
桃
最低で 惨めで
桃
伝えられなかった愛ばっかの夢
桃
さっきまで寝込んでたことなんか忘れて
見飽きた廊下を真っ直ぐに走る
橙
橙
桃
橙に 咄嗟に腕を掴まれた
桃
そのまま黙り込んだまま
俺は早く青に、
___いや
橙に謝らないと、青は怒るかな
橙は、全部忘れて卑怯に逃げようとしてる俺を怒り続けてくれただけ
怒るなんて、当然であって
でも、俺は橙とまた___
___だからこそ、怖いだけ
橙
桃
橙
桃
いや 俺こそ何を言ってんだ
橙
桃
橙
桃
橙
橙
桃
いっぱい迷惑かけてたなって
今になって心配させて
こんな真剣に 青のこと 忘れずにいてくれてたのに
赤も 黄も 紫くんも
桃
足が痛くたって、しんどくたって
走る足は止まらない
全部
君が好きだから
桃
失った君を
もういちど、なんて
無駄な悲願に縋りたくなるから
青
___ギュッ
全身で
愛おしい君を
青
青
桃
抱き締めた君の体は
案の定 冷たくて
忘れてしまったあとの君を抱き締めるのは初めてだなと気づく
桃
桃
青
青
君は俺の幻覚なのだろうか
いや、
青
亡霊としてこの世に存在している君なのか
そんなこと どうだっていい
青
青
青
青
泣き崩れるように
抱きついたままもたれかかる
ひんやりと生気のない体を受け止めて
こんなに冷たくなったのは俺のせいなんだって 今更ながらに思ってしまう
青
青
青
そんなんじゃないよって
言えなかった過去の言葉を愛に換えて
桃
桃
ひたすら君に叫ぶ
桃
青
ぎゅうっと抱きしめた君の体は 既に失ってるものだから
取り返せない、遠いものだ
青
青
桃
泣き止んだ君と海を眺めて
語るような優しい口調で続ける
青
桃
青
桃
青
なんて
今の俺には程遠い話だから 理解してるようで何も解らない
青
青
青
桃
消えてなくなってしまうんじゃなんて
青
桃
青
桃
桃
居なくなるなんて
絶対まだだ
青
青
桃
青にとっての未練って、
青
桃
君は寂しそうに微笑んで
青
なんて痛い感情を俺にくれる
桃
__俺は まだ何も知らないんだな
桃
もう1回
冷たくなってしまった君の手を
桃
桃
そう思ったのもつかの間
君に触れようとした俺の手は君を貫通する
手も捕まえられなくて 俺の手が青がいるはずの場所で宙を舞う
桃
桃
青
君を見れば 溢れる涙が光っている
青
青
そんな未練を晴らしたから
君は消えてしまうの?
せっかく
おれたち
青
君の姿は 半透明になっている
青
桃
青
青
桃
桃
もういちど、君から涙が溢れ出す
青
そのイヤリングを手にとって
泣き笑いのぐちゃぐちゃな笑顔で それを見せる
桃
桃
青はこのまま
青
青
消えてしまうなんて
桃
青
せっかく手に入った愛も
散り散りになっていく
青
青
それを目の前にして
泣き喚く事しかできない
桃
自業自得なんだよ
桃
桃
桃
桃
霊にとっての、青にとっての幸せが成仏なら
引き止めるつもりなんてないのに
桃
ほんとに最低だ
桃
青
辿り着けない愛なのか
導かれた愛を自ら断ち切った
そんな俺は 君を愛す権なんて
桃
桃
青
徐々に消えてく君を前に
もどかしさでどうにかなりそうだ
桃
桃
青
青
青
桃
そっか、
君の約束ならば
青
桃
抱きしめようと体勢を変えるも
体を貫通して抱きしめることすら出来ない
もどかしくって
もう 君のことは抱きしめられない
青
そう言って 右耳の真珠のイヤリングを俺に託す
桃
桃
青
桃
桃
次はそれを君に託す
青
青
桃
青
強い風が吹く
青
不安を煽られるような そんな風
君の姿が 薄れてく
桃
君が消えるよりも先に 涙でぼやけて見えなくなってしまいそう
「僕にとっての未練ってさ、」
桃
「桃くんに愛されることで……」
桃
青
青
青
青
桃
泣いたって 何か得られるわけじゃない
そんな事は分かっていても 人はどうしてか涙を流す
青
でもきっと
青
愛おしい人へ涙を流せるって 幸福なことなのだろう
桃
桃
最後に見えたのは
君の笑顔だった
桃
桃
笑って別れられるのなら
それは幸せなことだろう
桃
当たり前に生きてる自分を描けるのだから
生きる以外選択はない
桃
生きるか死ぬか選べるなら
生きる方を選ぶしかない
生きたくても生きれない
そんな虚しい事実があるだろうか
桃
桃
へこたれてうずくまって
そんなんじゃ何も変わらないのは分かってる
桃
桃
約束されたものでもないのに
明日もそこに在り続けるなんて勘違いをしてしまう
桃
それは
幸せなことだろう
桃
君の分まで
生きてゆこう
そう思うのに
君がいたはずの場所に縋る
君の余韻に涙を流す
桃
ごめん
大好きだよ
もう少しここで、君から離れたくない
いつか逢えるその日まで
目の前に揺れる海は
君のように眩しかった
コメント
5件
時差コメ失礼します! めちゃくちゃ感動しました、大泣きですっ😭😭 青くんは全部覚えている状態で愛していたのに、桃くんは全部忘れてしまっていて、青くんにとっては辛いはずなのに好きでいられる事にも感動でした😭 最後、2人の付けていたイヤリングを交換した時、思い出が詰まっている宝物を交換してるような感じがして涙腺が崩壊です😇 また2人が出逢えた時は愛し合って欲しいです😭😭
めっちゃ感動しました、ほんとにボロ泣きです!!!😭😭😭 青くんは全て覚えてた上で好きだったのに、好きになった相手の桃くんは全て忘れているって、よく考えたら辛すぎてボロ泣きしました……😭もう一度愛し合えたけど消えてしまうのも切なくて……、改めてほんとに神作です🥹💖
時差コメ失礼します! 最高すぎます…!!😭めっちゃくちゃ感動しました!!なんでこんな感動系書くのうまいんですか!普通に涙出ましたよ?!青君の未練が桃君に愛されることと桃くんからもらったイヤリングを見つけ出すことって言うのが出てきた時点で涙腺崩壊しました…!!ほんとにまじで神作です!! ホントに夏休み終わるの早いですよね?!やばい、宿題全然終わってない…!! あと1ヵ月くらいあってもいいと思いません?!