テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
⚠ 注意 ⚠
この作品は過激な表現を含みます。
西空ともり
山本紅里夢
私たちの旅はついに終わった。
当初の計画通り、ともりは今日に適当な駅を使って帰宅。
私も……その翌日には帰る。
そして、それからは高校を辞め、家のために稼ぐことになるのだ。
西空ともり
西空ともり
山本紅里夢
私は答えられなかった。
車の扉を閉める。
山本紅里夢
サイドミラーに写ったともりは、私たちが視界から消える最後まで手を振っていた。
西空ともり
家の最寄り駅を降りた時には、時刻が六時を回っていた。
夕焼けの空を見ながら、西空ともりは考える。
西空ともり
西空ともり
西空ともり
その時だ、目の前を歩く女性と目が合った。
藤原るる
西空ともり
西空ともり
西空ともり
藤原るる
藤原るる
西空ともり
西空ともり
ともりは微笑む。
西空ともり
藤原るる
藤原るる
西空ともり
藤原るる
藤原るる
藤原るる
西空ともり
何か軽いものがいくつか落ちた音。
焦る足音、大急ぎにこちらへ来る足音。
西空ともりは不思議とそれを聞いて、母親との再会をもう果たした気分になり、
同時に帰ってきたのだという実感を覚える。
西空ともり
西空ともり
次の瞬間、ともりは母親の腕の中にいた。
そして、母親もともりの腕の中にいた。
どちらが先かはわからない。ただ、二人は共に泣いていた。
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
胸助
胸助
小尻
小尻
胸助
腰乃
小尻
腰乃
腰乃
胸助
胸助
小尻
小尻
小尻
胸助
腰乃
!!??
胸助
腰乃
小尻
ギャル美
ギャル美
オタク君
ギャル美
ギャル美
ギャル美
ギャル美
ギャル美
ギャル美
ギャル美
友子
友子
ヲタク君
ヲタク君
友子
友子
ヲタク君
友子
ヲタク君
ヲタク君
ギャル美
オタク君
オタク君
ギャル美
ギャル美
オタク君
オタク君
友子
友子
ヲタク君
西空ともり
西空ともりは一つ前の空席を見る。
その瞳は寂しげに揺れていた。
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
たった一週間会っていないだけ。
しかし、西空ともりにとってその一週間は大きな意味を持っていた。
思えば、あの旅だって一週間の出来事だ。
ともりはつい、ふとした時に案じてしまう。
山本紅里夢が生きているのかを。
一年後
トラックの運転席と助手席、太い腕の大男に挟まれたところに山本紅里夢はいた。
大男①
大男①
山本紅里夢
大男①
大男①
山本紅里夢
大男②
大男②
山本紅里夢
山本紅里夢
そのアルバイトの帰り、夜道を一人で歩く。
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
おっと、いけないいけない、本音が漏れた。
山本紅里夢はお手洗いと、ストレスのはけ口である酒を求めて、
数十メートル先のコンビニエンスストアへと向かう。
西空ともり
西空ともり
藤原るる
藤原るる
二人は、模試の結果に一喜していた。
偏差値67。志望校判定B。
申し分ない結果である。一年前の西空ともりのことを考えればなおさら。
藤原るる
西空ともり
藤原るる
西空ともり
西空ともり
西空ともり
藤原るる
藤原るる
西空ともり
西空ともり
藤原るる
藤原るる
西空ともり
藤原るる
西空ともり
西空ともり
棚やら冷蔵庫なんかを漁る。
今現在での収穫は、お茶のペットボトルと煎餅と大福……
そして……
西空ともり
西空ともり
大げさに息を吸って叫んだ。
西空ともり
西空ともり
「えー? 私が行くよー?」
西空ともり
西空ともり
西空ともり
「わかったー! 気をつけてー!」
山本紅里夢
このたった数十メートルが、今の紅里夢にとっては果てしなく遠いものに思えた。
足……特にふくらはぎが限界で今にも攣りそうにピリピリとしている。
ふくらはぎも……感覚としては静かだが、いつ急に痛みを発してもおかしくないような不気味さがある。
いいや、それらだけではない。
もはや全身が、いつ限界の限界の向こう側に達するのだろうかという具合であった。
こいつらは私の脳で遊んでいるんだ。
アドレナリンで正しい体の状態を認識できなくなっている私を……
精神の狂いかけている私を……
どこでいつ、こいつを動けなくしてやろうかと考えているんだ。
紅里夢としては、今ここで全身を攣ってしまいたい気分でもあった。
周りには人が少ないし、歩き方がおかしくなっている以上、車に乗った連中にどういう目で見られようとも大差はない。
コンビニエンスストアに着いて、背後に何人かのレジ待ちのいる状況で動けなくなるよりはマシだろう。
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともりは目の前に並ぶ、お酒のおつまみなどに呆気を取られていた。
これは二つある商品棚の列の奥の方であり、もし彼女が振り返ったとて、
この時代には珍しい破廉恥気味な雑誌の表紙を目にすることはできなかっただろう。
当然、外を見ることもできなかった。
だが、もしかすれば光ぐらいは見れたかもしれない。
それができたからといって、山本紅里夢が消えても日常が続いたことと同じように、
この後の展開が変わることは決して無い。
だが、光だけでも見えていれば、まだ我々はマシな不幸でいられる。
彼女が、西空ともりが何の前兆もなしに死ぬなんて……
運命と必然性の世界に巻き込まれ、死ぬなんて。
我々にはあまりに耐えがたい。
山本紅里夢
奇妙な感覚が紅里夢を貫いた。
山本紅里夢
西空ともり
西空ともり
背後から、光が彼女を包む。
まるで爆発でも起こったのか、というような音がした。
実際、そのようなことは起こっていて、それは誰の目から見ても明らかだった。
山本紅里夢を何かが動かす。
彼女にはわからない。我々にもわからない。
ただ女神だけが知っていること。
紅里夢は行かなくてはならない。走らなくてはならない。
力が紅里夢を動かす。
突然のことであった、軽自動車がコンビニエンスストアへ突っ込んだ。
丈夫な設計のおかげで屋根や看板が落ちることはなかったものの、
その軽自動車は、コンビニにすっぽり収まってしまうくらいに深く入っていて、
建物内部への被害はままならないものだった。
山本紅里夢
ガラス片のマキビシを臆せず抜けて行くと、商品棚が派手に倒れてしまっていた。
そして、紅里夢は見たのである。
赤ボールペンのインクなんかではない、本当の赤を。流れる赤を。
誰かが挟まっているのだとわかった。
しかし、この商品棚を起こすのはなかなかに困難である。
女性一人で持ち上げるには重く、さらにはATMまでのしかかっている。
挟まれた人間はこのATMの下にちょうどいるらしかった。
紅里夢が助けを呼ぶと、それを答えるように指先が顔を見せたのだ。
まだ生きている!
そう思ったのも束の間、その手は動きを止めて、たらりと落ちた。
それは決死の動きだったのだ。
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
紅里夢は再び、その指先を見る。
もう動いてはいなかったし、動く気配すらない。
この時の紅里夢はまだ気づいてはいないが、紅里夢の立つところ一面、
散らばった商品の下はすべて赤くなっていた。
店員の女が来た。
紅里夢はこれで少し以前より安心したが、その女が動かないもので不安の反発が大きく起こった。
山本紅里夢
つまるところ、この女はわかってしまったのだ。
あたりが血だらけであり、これはたった一人から出ている血だと。
ATMは思っていたよりも、ずっと軽かった。これなら一人でも持てたと思った。
紅里夢は初めて持ち上げようとした時に重いと感じたが、あれはどうやら困惑からなる勘違いだったらしい。
しかし、それでも女と紅里夢は二人で動いた。
適切な行動ではない。
二人でやらなければ何かを失敗するような、自分の行動が何かとんでもないことに繋がるような、
そんな不安を互いに持っていて、それを互いに誤魔化し合っていたのだった。
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
山本紅里夢
紅里夢には一目見た瞬間にわかった。この死体が誰なのか。
山本紅里夢
山本紅里夢
紅里夢は一つのことを理解した。
あれほど仲を深めた、共に旅をしたこの老婆を、自分は数秒後に殺すのだろう、と。
憤り。血の色にも似た熱を持った殺意。
紅里夢の煩かった思考は、この敵を目にして静まり帰った。そしてただ殺すという結果のみを持って止まった。
大きめのガラス片を一つ拾って、それでこいつの首を斬ってやるんだ。
だが、残念なことにそうはならなかった。次に一歩進んだ途端、全身が悲鳴を上げた。
攣ったのだ。
藤原るる
藤原るる
るる先生の視線の先には、とあるライトノベルがあった。
藤原るる
『余命二週間の君と恋をした。』
情熱はいつか、剣となって。
『開演』
シューゲイザーの血は青い
2046-07-09
せめてもの幸運
桜の樹の下
サイケデリックで深海浮遊
取引
ぺぬん
キス
海の弾痕
【過去編】完……?
コメント
4件
消費税撤廃より待ってた
ああ、読み終わりました……この余韻、すごいですね。ともりが家に帰ってお母さんと抱きしめ合うシーン、もうそこで涙が出そうになりました。あれだけの旅を経て、ただ「ただいま」って言えることの尊さ。それからラスト、コンビニのあの事故……「光だけでも見えていれば」という地の文に、心臓をぎゅっと掴まれました。ともりは無事なんでしょうか。紅里夢のあの殺意も、全身が攣って動けなくなる皮肉も、あまりに苦しい。それでも読まずにはいられない、そういうお話でした。続きが気になります……!