テラーノベル
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「お兄ちゃん」
その呼び方だけは、ずっと変わらなかった。
名字が変わって、同じ家に住むようになった日から。
血は繋がっていなくても、 彼は"兄"で、私は"妹"。
それだけでいいはずだった。
⸺⸺少なくとも、お兄ちゃんにとっては。
私が抱いているこの気持ちは、 家族に向けていいものじゃないって、ちゃんとわかってる。
近すぎて、壊したくなくて、 言葉にする勇気なんて、最初から持ってなかった。
お兄ちゃんは優しい。 朝の「いってきます」も、 夜遅くの「ただいま」も、 全部"家族"としての距離で、当たり前みたいにくれる。
その無意識な優しさが、 私の心を、少しずつ苦しくさせていく。
「妹なんだから」
そう言われるたびに、 私は笑って頷くしかなかった。
でも⸺⸺ もし、いつか。 その目に映る私が、 "家族"じゃなくなったとしたら。
その関係は、 どこへ向かうんだろう。
知らないままでいられたら、 きっと楽だったのに。
これは、 気づいてはいけなかった恋が、 ゆっくりと形を変えていく物語。
新連載、スタート。
コメント
2件
ゆあのあ!? 義理の兄妹か、、最高なやつ🫵🏻🫵🏻 めちゃくちゃ楽しみなんだけど!!