※天使と星空のエゴの序盤あたりの話です
こはね
杏ちゃん、待って…!
冬弥
小豆沢!
こはね
ごめんね、青柳くん
こはね
行かせて
こはね
東雲くんのところにも行ってくる
冬弥
小豆沢だけで…大丈夫なのか
こはね
うん、大丈夫だよ
こはね
行ってくるね
そう言った小豆沢は、白石の後を追った
何故かなんてわからない
でも、なんとなく不安だった
小豆沢の身に、何かあるのではないか
冬弥
…小豆沢……
杏
ただいま…
冬弥
白石…!
冬弥
小豆沢は…
杏
玄関までこはねと帰ってきて、彰人を連れ戻しに行くからって
杏
…どっか行っちゃった
冬弥
…そう…か
杏
……
冬弥
……
気まずい
杏
……
杏
あの、冬弥
冬弥
?なんだ
杏
…その~、ごめん
冬弥
なにがだ?
杏
こはねといちゃついてるところ、邪魔しちゃったから
冬弥
い…、!?
杏
っはは!こはねが好きになるのもわかるかも
冬弥
…?
杏
顔が良くてクールなのに、こう言うところは可愛くて
杏
しかも気遣いもできてちょー優しい!
杏
…お似合い、だよ
悲しそうに笑って、白石が言った
杏
…お幸せに!
白石の頬に、涙が伝った
冬弥
…あぁ、
冬弥
ありがとう、白石…!
杏
恨みっこなしって言ったの私だから
杏
責任持って、応援する
杏
悲しいけどね
冬弥
…無理をする必要はない
冬弥
失恋は、相当辛いものだろう
杏
…流石、優しい冬弥なだけはある
杏
私が冬弥だったら
杏
そんな優しいこと、言えないや…笑
杏
こはねが冬弥を選んだ理由
杏
こういうところ、なんだろうね
冬弥
…そうかもしれないな
杏
あはは、不思議
杏
もう冬弥が憎い〜!嫌い〜!って感じがなくなってる
冬弥
…それはよかった
冬弥
俺は白石に嫌われたくない
杏
だよね
杏
私も冬弥を嫌いたくなんてないよ
翌日
杏
冬弥!!
冬弥
白石?どうし
杏
彰人、いたって!帰ってくるって!
冬弥
!…本当か!
杏
あ…喜ぶんだ
冬弥
…?何故だ?
冬弥
喜ぶだろう、普通は
杏
…こはねのこと、私まだ諦められてない
杏
きっと彰人だって同じでしょ
杏
…いいの?
冬弥
…あぁ、俺は
冬弥
俺の相棒が、帰ってきてくれるのが嬉しい
冬弥
それに
冬弥
小豆沢は、俺が好きだ
杏
!
杏
あっはは、本カレの余裕ってやつ?笑
杏
こりゃ勝てないな…笑
冬弥
はなから負ける気などない
冬弥
小豆沢は、誰にも譲れないからな
彰人
ただい…ま
冬弥
!彰人、おかえり!
杏
おかえりっ!
彰人
お前ら…
こはね
東雲くん
こはね
おかえり!
小豆沢が、まるで天使のような笑みを浮かべた
杏
『本カレの余裕ってやつ?笑』
余裕なんてない
あるわけない
今にでも小豆沢が、やっぱり白石が、彰人が好きとでも言うんじゃないか
そんなことをずっと、心配して…
彰人
…あぁ
彰人
ただいま
杏
…さて!
杏
彰人!!
彰人
うおっ、なんだよ
杏
今日のご飯当番だーれだ?
彰人
……オレ
杏
だね、はいいってらっしゃーい!
彰人
…ハイハイ
彰人
こはね、冬弥
彰人
なんか食いてえもんあるか?
冬弥
…今日は
こはね
うーん
こはねと冬弥
オムライスの気分かな/だな
こはね
…あ
冬弥
…ふ
こはねと冬弥
あはは!
こはね
同じ気分、だったね!
冬弥
あぁ、なんとなく、嬉しいな
彰人
んじゃ、オムライスな
彰人
杏、トマトダメだよな
杏
ケチャップは平気〜!
彰人
なんだそれ
杏
うっさいな!
こはね
ふふっ…
冬弥
…楽しそうだな、小豆沢
こはね
うん、なんかね
こはね
前の生活に、戻れたなって
冬弥
前の生活…
こはね
みんなの気持ちは、前とは違っちゃったけど
こはね
こうやって騒いで、笑って、楽しくやってるみんなが
こはね
私は…大好きだから
こはね
誰1人欠けてほしくなかったのは
こはね
この生活が、続けばいいのにって思ったから
冬弥
…そうか
彰人
できたぞ〜
彰人
杏、運べ
杏
はぁ~?運んでくださいでしょ~?
冬弥
…確かに、楽しいな
こはね
でしょ?
杏
なんで私だけ!こはねと冬弥は
彰人
ばーか、あいつら楽しそうだろ
こはね
ーー、ーー?
冬弥
ー…ーー!ーーー。ーー、
杏
…そうだね
彰人
お互いがんばろーな、こはねのせいで毎日地獄だよ
杏
でも、
杏
楽しいでしょ?
彰人
…まぁ…な
杏
毎日辛い思いをするけど、それ以上に楽しすぎるの、この生活
杏
やめらんないね
彰人
…だな
杏
ほら〜!食べるよ!
こはね
わぁっ!美味しそう
杏
それじゃ、手を合わせましょう!
彰人
小学校かよ
こはね
ふふ、いいんじゃないかな
冬弥
…あぁ、そうだな
杏
それでは改めまして
ビビバス
いただきます!
彰人が作ってくれたオムライス
白石がみんなに話を振り、笑わせる
小豆沢が…
幸せそうに、笑う
その瞬間、この部屋の空気は緩く、暖かい雰囲気になる
やはりまだ、好きな気持ちを捨て切れないのだろう
譲らない、これだけは
小豆沢だけは
こはね
青柳くん!
こはね
おいしいね!
君を
冬弥
…あぁ、
誰にも譲れない!
冬弥
美味しいな
冬弥
小豆沢
『君を誰にも譲れない!』
end
最後までご愛読いただき、ありがとうございました






