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-ジョゼフの自室-

ジョゼフ

今日の試合はさっきので終了みたいだな。(自室の扉を開け)

ジョゼフ

しかし、流石に疲れたな…。

ジョゼフ

少し仮眠でもとるか。(ソファに座り)

ジョゼフ

って、ん……?

アルヴァ

…!

アルヴァ

あぁ…先にお邪魔している…。(向かいのソファに座っており)

ジョゼフ

い、いやいや!?ちょっと君!?

ジョゼフ

人の部屋に勝手に入って来て

ジョゼフ

何くつろいでいるんだ!?

ジョゼフ

…あっ、いや待てよ。

ジョゼフ

もしかすると、部屋を間違えたという可能性もあるな。

アルヴァ

部屋を間違えた…、か。

アルヴァ

残念ながら、そうではない。

アルヴァ

私はこの手紙に呼び出されただけだ。

ジョゼフ

手紙…?ちょっと見せてくれない?

アルヴァ

あぁ、貴殿にも見解を述べてもらいたい。(手紙を渡し)

ジョゼフ

えっと…なになに。(手紙を受け取り)

ジョゼフ

「要件をお伝えしたい事がありますので、

ジョゼフ

写真家様の自室でお待ち下さい。」

ジョゼフ

……ど、どういう事だ?

ジョゼフ

と言うか、これ多分。

ジョゼフ

荘園の主からか…?

アルヴァ

何故そう思うんだ…?

ジョゼフ

こんな回りくどい事をするのは多分ね…。

ジョゼフ

わざわざ私の部屋で何をするつもりなんだ…。

アルヴァ

そう言えば、

アルヴァ

貴殿にも手紙が来ているようだが?(テーブルに目を逸らし)

ジョゼフ

えっ、私にもかい?(テーブルにある手紙を開けては)

ジョゼフ

「お互いが認め合わないと出られない部屋。」

ジョゼフ

……え?

アルヴァ

ふむ…それは一体どういう意味だ?

ジョゼフ

ま、まずい……!

ジョゼフ

噂で聞いた事がある、これは…。

ジョゼフ

この手紙の通りにしないと、一生部屋から出られないやつだ…。

アルヴァ

なんだその噂は…。

アルヴァ

そんな事をしなくても、

アルヴァ

まず扉を確認して……(扉に手をかけ)

アルヴァ

……。

ジョゼフ

も、勿論開くだろう…?

ジョゼフ

だってさっき私はそこから入って来たんだ。

ジョゼフ

すぐに鍵はかけてないよ?

アルヴァ

…ふむ。

アルヴァ

貴殿の扉は自動で閉まるのか。

アルヴァ

便利な機能だな…。

ジョゼフ

え、

ジョゼフ

ちょ、ちょっと待って!?(咄嗟に扉に手をかけ)

ジョゼフ

…あ、

ジョゼフ

開かないんだが…!?

アルヴァ

部屋の主でも反応しないとなれば…

アルヴァ

故障か?

ジョゼフ

いや君の部屋の扉は知らないけど、

ジョゼフ

私の扉は自動で閉まらないからね?

アルヴァ

私の部屋も自動ではないが?

ジョゼフ

質問を質問で返さないでくれよ…。

ジョゼフ

あっ、そう言えば鍵で開けれるんじゃ…?

ジョゼフ

……。

ジョゼフ

あれ、鍵が回らない…。

アルヴァ

…どうやら、お手上げのようだ。

ジョゼフ

荘園の主…、変なところで徹底してくれるじゃないか…。

ジョゼフ

ぐぐぐ…、やられた……。(その場で膝を折り)

ジョゼフ

そもそもどうして自室の鍵で開かないんだ…。

アルヴァ

…荘園の主は何者だ?

アルヴァ

こう、いとも簡単に密室を作り上げるとは

アルヴァ

なかなか恐ろしい者だ。

ジョゼフ

はっ!今思いついたぞ!

ジョゼフ

アルヴァ、確か君は寄託という能力が使えるそうだね?

アルヴァ

あぁ、そうだな…。

ジョゼフ

その能力を使って、外から開けてくれないかい?

アルヴァ

それは拒否する。

ジョゼフ

即答だな!?

ジョゼフ

アルヴァ…、君はこの状況を分かっているのかい?

アルヴァ

勿論、分かっている。

アルヴァ

だが、寄託を使用する場合は杖が必要だ。

アルヴァ

……ここまで言えば分かるだろう。

ジョゼフ

分かるって……あ。(相手の手を凝視して)

ジョゼフ

肝心の杖を持ってないじゃないか!

ジョゼフ

君いつも持ち歩いてなかったけ?

アルヴァ

試合外では特に使用する場面は無いからな。

アルヴァ

杖は私の部屋に置いてある。

ジョゼフ

なんて勿体ない事をしているんだ…。

ジョゼフ

君の杖があれば、荘園中移動がとても楽になるだろうに。

ジョゼフ

あ〜…、私にもそんな能力が欲しいよ。

アルヴァ

荘園中、電極だらけになるがそれでもいいのか?

アルヴァ

だが、もしここで寄託を使用しても

アルヴァ

成功する確率は低いだろう。

ジョゼフ

えっ、何故そう思うんだい?

アルヴァ

失敗して壁に激突したらどうする、

アルヴァ

私は無駄な労力は省きたい。(そう言いつつ、ソファに座り)

ジョゼフ

いやそれは少し見てみた…、じゃなくて。

ジョゼフ

それはやってみないと分からないよ?

アルヴァ

何か聞こえた気がするが…

アルヴァ

現時点で杖が無い場合、無意味だがな。

ジョゼフ

あぁ、そうだった…。(残念そうに)

ジョゼフ

じゃあやっぱり、

ジョゼフ

このお題とやらに付き合わないといけないか。(手紙を持ち)

ジョゼフ

お互いが認め合わないと出られない部屋、か…。

ジョゼフ

……ん?

ジョゼフ

あれ、よく考えるとこれ。

ジョゼフ

もう達成してないかい?

アルヴァ

それはどういう事だろうか。

ジョゼフ

ほら、

ジョゼフ

さっきまで私達は仲良く話していただろう?

ジョゼフ

普段君と話す機会が少ないし、

ジョゼフ

もうこれは認め合ったと言う事だね。

ジョゼフ

私はこの場を借りて感謝したいぐらいだよ。(相槌を打っては)

アルヴァ

…!

アルヴァ

……。

アルヴァ

……。

アルヴァ

……あぁ、そうだったな…。(真顔)

ジョゼフ

す、少し間があったのが気になるけど…

ジョゼフ

よ、よし!

ジョゼフ

お互い認め合ったんだし、もう扉も開くだろう!

ジョゼフ

さて、開くかな?(扉に手をかけ)

ジョゼフ

……。

ジョゼフ

……。

ジョゼフ

な、

ジョゼフ

何で開かないんだ!?

アルヴァ

やはり演技でも開かなそうだ。

アルヴァ

まぁ元から私は、演技が得意な方ではないから知れてるがな…。

ジョゼフ

そういや君、さっきから表情あまり変えてないもんね…。

ジョゼフ

くっ…、しかし私の演技が通用しないとは。

ジョゼフ

もう奥の手を使うか…。

アルヴァ

何かするつもりか?

ジョゼフ

このお題に付き合ってあげるのさ。

ジョゼフ

少し癪だけどね。

アルヴァ

ふむ、私も考えた結果

アルヴァ

お題に従った方が早く終わるだろう。

ジョゼフ

にしても、

ジョゼフ

私はとっくに君を認めているよ。

ジョゼフ

あっ、これは嘘じゃないからね?

アルヴァ

……。

アルヴァ

……仮に、その言葉が本当だとして。

アルヴァ

あまり話したことのない他人をすぐ認めるのはどうなんだ?

ジョゼフ

うぐっ、なかなか刺さる言葉だね…。

ジョゼフ

でもね、私も不思議なんだよ。

ジョゼフ

この荘園に新人が入って来た時の私は

ジョゼフ

軽い挨拶程度で済ませるけど、

ジョゼフ

君とは気が合いそうに思っている。

アルヴァ

ほう、理由を聞かせて貰っても?

ジョゼフ

えっ、理由かい?

ジョゼフ

そりゃやっぱり、共通点が多い事だね。

アルヴァ

貴殿との共通点だと…?

ジョゼフ

そうさ、

ジョゼフ

まず私達は協力狩りに出られない。

ジョゼフ

そして、お互いに1ダメージ以上の攻撃力を持っている。

ジョゼフ

ふふ、どうだい?

ジョゼフ

私の他に共通点が多い者はいないと思うよ?

アルヴァ

確かに共通点は多い。

アルヴァ

が、

アルヴァ

それとどう気が合うと言うんだ?

ジョゼフ

そ、それを私に言わせる気かい…。

ジョゼフ

まぁいいか、

ジョゼフ

提案したいのはね。

ジョゼフ

協力狩りの時間帯は暇になる事が多いだろう?

ジョゼフ

だったら、

ジョゼフ

私とお茶会を開こうじゃないか。(にこにこと笑みを作り)

アルヴァ

いや、私は大体自室で研究しているから暇ではない。

アルヴァ

すまないが、提案には乗れないな。

ジョゼフ

ちょ、ちょっと待ってくれ!?

ジョゼフ

まさか私の誘いを断るんじゃないだろうね…?

アルヴァ

そうだが…、

アルヴァ

何か問題か?

ジョゼフ

あるよ!ありまくりだよ!!

ジョゼフ

私が協力狩りの時間帯に、

ジョゼフ

どれだけ1人でお茶会を開いたか分かるかい?

アルヴァ

…あ、あぁ……。

ジョゼフ

君が協力狩りに出られないと聞いたからには、

ジョゼフ

是非ともお茶会に誘いたかったんだよ。

ジョゼフ

たまにでもいいからさ

ジョゼフ

ほら、

ジョゼフ

ね?

ジョゼフ

紅茶とか淹れてあげるからさ!(ぐいぐいと迫り)

アルヴァ

貴殿は諦めが悪いな…。

アルヴァ

……しかし、そうだな。

アルヴァ

たまになら、息抜き程度に邪魔をさせて貰おう。

ジョゼフ

ほ、本当かい!?

ジョゼフ

ふふ、そう言ってくれて嬉しいよ。(機嫌を良くして)

アルヴァ

そうでないと、ここから出られないからな…。(ぼそっと呟き)

ジョゼフ

よし、決まりだね。

ジョゼフ

じゃあ明日誘うからよろしくね?

アルヴァ

有言実行が早いな、まぁいいだろう。

アルヴァ

私も貴殿の能力について興味があるからな…。

ジョゼフ

ふ〜ん?私の能力に興味があるんだね。

ジョゼフ

まぁせっかくだし、

ジョゼフ

お茶会の時に質問を受け付けるよ。

アルヴァ

そうか、それは楽しみだ。(うっすらと口元を緩め)

アルヴァ

……そういえば、

アルヴァ

もう扉は開いているのでは?

ジョゼフ

あっ、肝心な事を忘れていたな…。

ジョゼフ

どれどれ?(ドアノブを回し)

カチャ‥(扉が開き)

ジョゼフ

えっ!?開いたぞ!?

ジョゼフ

さっきまでドアノブが回らなかったのに、

ジョゼフ

一体いつから開いていたんだ…?

アルヴァ

さぁ、どうだろうな……。

ジョゼフ

はぁ、全く…

ジョゼフ

開いていたなら何か合図でもしてくれたらいいのにね。

ジョゼフ

まぁでも、君とお茶会を開けるいい口実にはなったかな。

アルヴァ

……1つ疑問があるんだが。

ジョゼフ

ん、どうしたの?

アルヴァ

私以外にも

アルヴァ

協力狩りに出られない者は複数いる。

アルヴァ

他の者とお茶会を開かないのか?

ジョゼフ

知っているよ、けど…。

ジョゼフ

あくまで私の意見なんだが、

ジョゼフ

君が1番話しを聞いてくれそうに思ったんだ。

ジョゼフ

他の仲間は皆、結構よく喋るからね。

ジョゼフ

お陰で私は大体聞き手役に回っているよ。(苦笑いをして)

ジョゼフ

まぁでも、最近は。

ジョゼフ

全然お茶会を開いてないけどね…。

アルヴァ

成程、それで貴殿は私を聞き手役に回したいのか。

ジョゼフ

あ、バレちゃった?

ジョゼフ

でも今度皆でお茶会を開きたいな。

ジョゼフ

きっとアルヴァも気に入ると思うさ。

アルヴァ

どうだろうか、私はあまり騒がしいのは好きではない。

アルヴァ

それでは、扉も開いたから私は帰るとしよう。

ジョゼフ

ん、あぁ、そうだったね。

ジョゼフ

私の長話しに付き合ってくれてありがとう。

ジョゼフ

明日、忘れないでよね?

アルヴァ

そうだな、頭の隅に置いておく。

ジョゼフ

君が忘れても私が忘れないから安心してくれ。(微笑み)

アルヴァ

……あぁ、あと

アルヴァ

私は紅茶じゃなくて

アルヴァ

珈琲の方が助かる。

アルヴァ

では、邪魔をしたな。(そう言って、廊下に出て行き)

ジョゼフ

あぁ、分かったよ。じゃあまた明日ね。(相手を見送り)

ジョゼフ

……。

ジョゼフ

……。

ジョゼフ

って、

ジョゼフ

私は紅茶派なんだが!?

終わり

○○しないと出られない部屋

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