引き裂かれた友情 ♯2

奈津美視点

桜岡の入学式が終わった

ここは小学校、中学校、高校が繋がっているので、小学校の頃から通っている生徒と、新しく入って来た生徒でクラス分けをしている

私は1年2組だった

緊張しながら入ると、そこにはおしとやかな女の子がたくさんいた

綺麗に消されてあるホワイトボードには座席表が出ていた

私の席には他の人が座っていた

なかなか声をかけられないまま席のまわりをうろついてると、席に座っている女の子に

と、言われた

女の子はあわてて立ち上がって私に頭を下げてきたので、思わず

と、大きな声で言ってしまった

女の子はこのクラスの中でも特に華やかで、まるで人形のようだった

ふわっとカールがかけてあるセミロングの茶髪

大きくてくりくりしてて、まるで人形みたいな綺麗な目

桜岡のセーラー服をバッチリと着こなしていて、スカートから出ている足はとても白くて綺麗だった

可愛くて可愛くてついぼーっとしていると女の子が話し始めた

そういうと川嶋さんはニコッと笑った

川崎さんはきりっとしていてクールで、日本美人という感じがした

小動物のように愛くるしい鈴村さん

きちんとしていて清潔感がある結城さん

なんてすごい子達に囲まれたんだろう

私はここに居場所があるんだ

咲良なんて言う汚い人間とはもうおさらばだ

だって私はもう、桜岡の生徒だもの

そういうと川嶋さんは私の手を握ってきた

あぁ…

桜岡に入学して、本当によかった

咲良視点

入学式の日は特になにも起こらずに家に帰ってきた

私は自分の部屋に閉じこもると、すぐに制服を脱いだ

私は制服を脱ぐと、制服を部屋の隅に投げつけた

すると私のスマホからLINEの着信音が鳴った

スマホを手に取ってLINEを開くと、奈津美からメッセージが来ていた

咲良と奈津美のLINE

奈津美が画像を送ってきた

画像には奈津美以外に三人桜岡のせいとがいた

ムカついた

奈津美が送ってくる言葉一文字一文字に腹が立った

私は奈津美に送り返して、LINEを閉じた

奈津美視点

私は返信もしたくなくなった

知らない間に顔に出ていたみたいだ

私はあわてて笑顔を作った

すると美香はまた話し始めた

正直、今回来たカフェは私にはレベルが高かった

でも、せっかく仲良くしてくれてるのに誘いを断るわけにもいかない

カフェに来て気付いたけど、美香達はみんなお金持ちでお嬢様だ

お金遣いも荒いし、これから付き合っていくにはお金がかなり必要になるかもしれない…

実は不安だった

遊園地に行くために服揃えて、それでもお金使うのにその上遊園地にまで行くの？

とても私には無理

でもそんなこと言えなかった