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日本はゆっくりと目を開ける
見慣れた天井 差し込むやわらかい光
ここは
と考えて、すぐ思い出す
体を起こしかけて、 はっとしたように目を開く
日本
その声は、少し焦りが混じっていて
自分も気づかないうちに 探すような視線で部屋を見回していた
江戸
近くの椅子に座っていた江戸が ゆっくり振り向く
日本の肩が、ほんの少しだけ落ちる
日本
分かっていたはずなのに 胸の奥に、かすかに空白が残る
江戸
江戸
日本は、布団の端をぎゅっと握る
日本
そう言って少し笑うけれど その目は、少し寂しそうだった
江戸は日本の表情を見て 少しためらってから
静かに付け加える
江戸
江戸
江戸
日本の目がわずかに揺れる
日本
江戸
その一言で、 日本は何も言えなくなって しばらく黙ったまま、布団の上で俯く
やがて、小さな声でつぶやく
日本
江戸は、穏やかに微笑む
江戸
江戸
日本は胸に手を当てて、 さすってくれた感触を思い出す
言葉は少なかったのに たしかに、そばにいてくれた
日本
その問いに江戸はゆっくり頷く
江戸
江戸
日本は安心したように息を吐いて 小さく、でも確かに前を向く
日本
ありがとう
日本
その言葉に 江戸は何も言わず 静かにお茶を差し出した
次の国際会議
大きな会場に いつもより固い空気が流れている
日本は席に向かいながら 自然と"あの人"を探してしまう
少し離れた場所で いつも通り騒がしく誰かと話している アメリカの姿が目に入る
いた……
それだけで胸の奥が 少しだけ温かくなる
でも、会議が始まって、終わり それぞれが帰り支度を始める頃には
距離も人の流れも、簡単には縮まらない 廊下ですれ違うなんて、ないかもしれない
……そう思った、その時
角を曲がった先で、 本当に、ばったりと目が合う
あ……
ほぼ同時に、二人の声が重なる 一瞬あの夜と同じ、言葉のない沈黙
でも、今度は逃げない 日本は、小さく一歩だけ前に出る
胸に手をあてて 少しだけ息を整えてー
日本
たったそれだけ でも震えない声で真っ直ぐに
アメリカは一瞬 きょとんとした顔をして
そらからすぐに いつもの調子で笑う
アメリカ
ーとぼけて見せるが
あの人の"照れ隠し"だと 日本はもう分かっている
だから少しだけ微笑んで もう一度言う
日本
日本
その言葉にアメリカは ほんの一瞬だけ、視線を逸らす
アメリカ
短くぶっきらぼうに
でも、いつもより声は少しだけ低くて 優しかった
日本は、その答えに満足したように 深く頭を下げる
日本
アメリカ
アメリカはそう言って ぽりぽりと頭をかき いつものチャラい笑顔に戻る
アメリカ
そう言って、 日本の前を通り過ぎようとして
すれ違いざま、 ほんの小さな声で付け加える
アメリカ
日本は、少しだけ驚いて それから、はっきりと笑っだ
日本
二人は振り返らない
でも、二人の距離は 確実にあの夜より近くなっていた