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皆知ってるか!? スピネルの和名は「尖晶石」って言うんだぜ!!!!
胸元に埋め込まれたルビーに そっと手を添える。
脈打つように振動し、淡く光る。
どこか暖かくて、心地よい。
称賛の声、鳴り止まない歓声。
煩わしかったその声も 今では自分の存在を感じられる 唯一のモノ。
足に繋がれた鎖が音を立てて 私の足にまとわりつく。
上を見ると手の届かないほど 高い場所にある小さな窓に 鳥が羽ばたいているのが見える。
手を伸ばす事は、 もう辞めてしまったけれど
その鳥は私を励ますように 何度も何度も窓の傍を行き来する。
何かの気配を感じて後ろを振り向く。
影で顔が隠れて見えないが、 女性のようだ。
"それ"は酷く楽しそうに ケラケラと笑い始めた。
そしてこちらに顔を向けて口を開く。
???
1歩、また1歩と こちらに歩み寄る彼女から 影が消え、美しい顔が晒される。
そんな彼女の目は酷く歪んでいて
何も映してはいなかった。
Ruby
声が震える。
本当はもう、分かってる癖に。
???
掠れた声でそう呟いた彼女は
Spinel
色鮮やかな赤い欠片を残して 忽然と姿を消した。
Ruby
私は唇を噛み締め
静かに赤い涙を流した。