「義理のお兄ちゃんは恋愛対象ですかっ!? 第二話」
東雲 結愛
よし、帰ろっと。

東雲 結愛
あ、でも…。正門にはたくさんの女子がいるし…。

東雲 結愛
よしっ、裏門から帰るか!

?
おい、向こうの方に人はいたか?

東雲 結愛
ん…?

?
おい、ここだよ、ここ。

東雲 結愛
ん?なんか声が…

?
木の上!

東雲 結愛
ん?あっ!

?
あっちの方に、人はいたか…?

東雲 結愛
え…?私…?

?
ああ、お前だよ。ほかに誰もいねーだろが。

東雲 結愛
あ、はい、正門の方には、たくさん人いました。

?
あー、まじか。

?
どーすっかなー?

東雲 結愛
えっと、どうしたんですか…?しかも、なんで木の上に…?

?
え、ああ、なんかたくさんの女子がチョコレート持って、追いかけてくんだよ。

?
俺、甘いもん苦手なのに。はぁ…。

?
だから、バレンタインなんていう甘ったるいイベントは嫌いなんだよな…。

東雲 結愛
へぇ…。

東雲 結愛
え、ちょっと待って…。

?
ああ?どうした?

東雲 結愛
え、あなたって…

?
なんだ…?

東雲 結愛
え、有名な…藤堂先輩!?

?
はぁ?

?
何言ってんだ?

東雲 結愛
あれっ、違ったか…。

?
俺は、藤堂じゃない。

?
橘 夏樹だ。

東雲 結愛
え!?

東雲 結愛
こ、この人が…!?

橘 夏樹
何驚いてんだ…?

東雲 結愛
い、いや、だって、だってですね、え、え、え?

橘 夏樹
?

東雲 結愛
た、橘先輩は、めちめちゃ有名な方じゃないですか!?

橘 夏樹
ああ…そうか…?

東雲 結愛
は、はいっ!

橘 夏樹
じゃあ、改めて。

そういうと、橘先輩が急に木の上から飛び降りた。
いままで、葉や木の影で隠れていた顔が明らかになる。
私は、息を飲んだ。
橘 夏樹
橘 夏樹。高3。よろしく。

東雲 結愛
っ!!

差し出された手は、大きくて、白かった。
先輩の茶髪の美しい髪に、太陽の光が当たり、神々しく見える。
首元を大きく開けたシャツに、
すこしゆるんだネクタイ。
耳につけられている、綺麗な銀のピアスに、
整った顔。
背は、凄く高くて、
長い脚。
東雲 結愛
よ、よろしくお願いしますっ!

橘 夏樹
お前は?

東雲 結愛
東雲 結愛ですっ!

橘 夏樹
ふーん。そうか。

東雲 結愛
あの…ネクタイ…ほどけかけてます…。

橘 夏樹
ん?ああ、サンキュ。

橘 夏樹
女子に追いかけられて囲まれたときに、多分ほどけかけたんだわ。

東雲 結愛
うわぁ…大変ですね…。

橘 夏樹
ああ。でもまあ、毎年の事だしな…。

東雲 結愛
そうなんですね…。

橘 夏樹
あ、そろそろ俺、行くわ。

橘 夏樹
いつまでもこんなとこで隠れてたら、マネの蒼井に絶対叱られる。

東雲 結愛
蒼井…!私の親友なんです!

橘 夏樹
へぇ、そうなんだ。

橘 夏樹
あいつ、怒るとこえーよなー。

東雲 結愛
あ、確かに…。

橘 夏樹
んじゃ、またな。

東雲 結愛
は、はいっ!

行ってしまった…。
先輩が行ってしまった後も、心臓がずっと止まらない。
なんか、胸の奥がきゅっとして…。
なんだろう、この気持ち。
これが…
これが一目惚れっていうのかな…?