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私は暗くなる前に、他にもお札がないか確認するために1人で蔵を訪れた。

柘榴

えっと、ここから始めようかな

そうして、段ボールを開ける。すると、悪霊退散のお札が入っていた。丁度いい。

柘榴

あ、あったあった!よし、早く戻ろう

私はそのダンボールを手にして、本丸に帰ろうと出口に向かった。すると、再び昨日と同じ声が聞こえてきた。

ワタシノホンマル……カエセ

今…私の本丸返せって聞こえなかった…?いや、無視しよう。さほど霊力はない。え、ここって封印されてた場所だから霊が居てもわからない…。まずい。私は怖さに小走りで出口に向かった。そして蔵から無事に脱出出来た。

柘榴

……早く皆の所に戻なきゃ……っ!?

その途端いきなり身体に違和感が走ったと思えば息苦しくなって私はその場で意識が途絶えた。

フフフ…あははっ

今剣

あるじさま、おそいですね

岩融

そうだな……

2人で広間に待機していれば、他の刀剣達も集まってきた。

髭切

おや?そんな深刻そうな顔をしてどうしたんだい?

今剣

それが…せいふとはなしにいってから、まだもどってこないんです……

三日月宗近

?さっき俺が部屋に言った時は居なかったぞ?

岩融

なに……!?

鶯丸

そう慌てるな、茶でも飲みながら待とう

小狐丸

……何だか、嫌な匂いがしますね…

鶴丸

……

石切丸

何か、来る……

4人の予感は的中していた。そんな中、広間に柘榴が現れた。

柘榴…?

あ、皆こんな所に居た~

見た目も声も、いつもの柘榴だった。けど、何かが違うと4人は勘づいていた。

今剣

あるじさま……!ぶじでよかったです!

柘榴を見た今剣は、いつものように柘榴へと抱きついた。すると、柘榴はそんな今剣を押し飛ばした。

今剣

……え?

柘榴…?

触らないで。汚らわしい

今剣

……え?

いつもの優しさが見られない柘榴に今剣は困惑している様子だった。その様子を見ていた岩融達も違和感を覚えた。

私は目を覚ますと、辺りの景色は変わっていた。 そう言えば私…蔵の前で倒れたんだっけ…。体を起こし、辺りを見回す。すると、いきなり女性が目の前に現れた。

柘榴

だれ……?

前任

私は、あの本丸の前任

柘榴

ここはどこ?

前任

ここは私の作った、空白の世界。お前を閉じ込めとくためにね

柘榴

何でそんなこと……

前任

あの本丸は私のなの。殺されたから手放すしかなくなったけど…今でも私の本丸。だからお前の身体に憑依したってわけ

柘榴

憑依!?私の身体を使って何する気!ただでは済まされないわよ!

前任

んー……何しようかな…。また夜伽も味わいたいし、その前にアンタが刀剣男士に嫌われる様なことをしてやりたいね

柘榴

…やめて……みんなを傷付けることだけは…

前任

ふふふっ、いい顔。お前はここで見てなさい…じゃあね

そう言って、前任は空白な空間から姿を消した。それと同士に私の姿と刀剣男士の姿が映っていた。

柘榴…?

触らないで。汚らわしい

え?私が今剣を押し飛ばしてる……?な、んで……やめて、やめてよ……。これ以上皆を傷付けないで……お願いだから…。そんな私の気持ちをお構い無しに、前任は好き放題行動していく。

柘榴…?

ねぇ、宗近…部屋に行こう?

三日月宗近

(コイツは、主であって主ではない…。きっと前任だ…名前の呼び方、絡み方…全てが嫌な記憶と一致する。けど、見た目も声も…俺の好きな主…胸が高鳴る。)

そう言って柘榴は俺の首に手を回してきた。嫌なはずなのに、抵抗なんて出来なかった。

三日月宗近

…分かった…

鶴丸

三日月!!

小狐丸

三日月殿…、行ってはいけません

柘榴に憑依した前任と部屋に行こうとする三日月を皆止める。それは、辛い思いをした仲間だからだ。このまま行ったらいけないと、皆が訴える。そんな中、騒がしさに他の刀も集まってきた。

薬研藤四郎

なんだ?騒がしいが……

山姥切国広

何かあったのか?

ぞろぞろと集まってきた刀剣男士に、面倒くさそうな顔をする前任。

柘榴…?

何でもないよ?気にしないで

加州清光

ねえ、今度は俺でしょ?約束したじゃん

大和守安定

は?清光じゃなくて僕でしょ?ねえ、主

柘榴…?

(何言ってるの?私が審神者だった時は…コイツら私に寄り付きもしなかったのに…この女には自ら抱く宣言……?ムカつく…心底ムカつく……)

柘榴…?

抱かせるわけないでしょ、お前なんかに

加州清光

えー、ケチぃ

大和守安定

ははっ、どんまい清光

柘榴…?

(暴言を吐いたつもりなのに…笑ってる!?なんなの、一体なんなの……!)

もっと、もっと……この女が嫌われるように……!

三日月宗近

(前任は、困惑しているな。俺たちは、主に鍛えられているから傷つかなくなってるのかもしれないな…。それなら、いつも通りに接すれば……)

三日月宗近

ほう、主よ。そんなに抱かれたかったのか…それなら、今夜は腰が砕けるまで抱いてやるが…どうだ?

柘榴…?

……え!?

小狐丸

それなら、私も。主が満足するまで、何度でも

柘榴…?

……なんなの!?昔は、そんなんじゃなかったじゃない!

薬研藤四郎

?何言ってんだ?大将

そう言って前任だと気付いてない薬研が近付けば、前任は手を振りあげて薬研を殴った。ゴッと、鈍い音がなる。

薬研藤四郎

っ……

一期一振

!薬研…!大丈夫か?

薬研は叩かれた衝撃によろけながら殴られた事に驚いた。そして切れた口からは血が流れ出る。一部始終を見た一期は心配して薬研に駆け寄った。

柘榴…?

どいつもこいつも…この女の為に…ムカつくのよ…!

そう言って地団駄を踏む前任。薬研が殴られたせいか、皆警戒も強まっていた。

陸奥守吉行

アイツは、主じゃないぜよ…

山姥切国広

……

大倶利伽羅

明らかに違う

柘榴

……嫌……嫌嫌嫌嫌…もうやめて!

薬研が殴られた所も見てしまった。私が殴ったんだ……薬研を…。私の身体…使わないでよ……やだ…。何も出来ない私は、涙が溢れて止まらなかった。そして大事な刀剣が傷付けられているのを見るのが辛すぎてどうしようもなかった。次々と前任の腹癒せの為に殴られる刀剣男士。薬研の次は厚、次は浦島、次は物吉。短刀を目掛けて襲い掛かる前任。見る限り、もっと小さい短刀は部屋に居るのだろう…お願いだから被害を少なくして…私が戻るまではっ。すると、目の前に眩い光が現れた。

柘榴

……!?

そんなに泣くでない…

柘榴

だ…れ……?

光と共に現れたのは、華奢で赤と黒を基調とした人物が立っていた。

小烏丸

我が名は小烏丸。政府とやらに頼まれて来たのだが、何かお困りのようだな。この父が来たからには、心配することはない

そう言って、小烏丸という人物は近くに寄ってきたと思えば泣きじゃくる私を優しく抱き締めてきた。

柘榴

……っ、助けて…っ……皆を…私は、どうなっても…いいっ…から……

小烏丸

ふむ、子らも主も助けてやろう。だから安心するといい

柘榴

小烏、丸……

小烏丸

主、お主は綺麗な心を持っているな…穢れのない、綺麗な心を。悪など、飲み込んでしまえばいい…

柘榴

悪を……飲み、こむ……

柘榴は泣きつかれたのか、安心したように小烏丸の胸で意識を飛ばした。

小烏丸

おやおや…この我を差し置いて…、眠ってしまわれたか…。でも安心するんだ…必ず助けよう

四天王が突然ブラック本丸の審神者をやることになりました

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