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柘榴…?

離しなさいよっ……!!

蜻蛉切

っ、これ以上害を加えるなら、離すわけにはいかないっ…!

蜻蛉切が暴れる前任を必死に押さえ付ける。それでも前任の力は強く、他の刀も前任を押さえ付ける。

柘榴…?

お前達が言うことを聞かないから害を加えるの!当然でしょ!?

同田貫正国

っ、おい!動くなっ……!

そんな騒がしさに、部屋にいた短刀達が警戒しながら広間を覗いていた。

包丁藤四郎

主……何してるんだ?

小夜左文字

……主

いつもとは全く違う柘榴の姿に、短刀達は酷く怯えていた。そんな怯えた短刀を見れば、後藤と信濃が察して声を掛けた。

信濃藤四郎

皆、部屋に居よう

後藤藤四郎

そうだな、今…俺たちは行かない方がいい…

後藤と信濃は、薬研や厚が殴られた姿に、今自分達は中に入るのは適切ではないと思っていた。すると、いつの間にか包丁と小夜が広間の中へと入っていってしまった。

後藤藤四郎

お、おいっ!信濃、チビ達は頼んだ!

信濃藤四郎

わかった!

残りの短刀達を信濃に任せて、後藤は中に行ってしまった包丁と小夜を追い掛けた。

包丁藤四郎

主!!どうしちゃったのさ…!何でこんなことするの!

包丁は柘榴の前に来れば、柘榴の腕を掴み揺さぶって声を掛けた。

小夜左文字

主…いつもの主に戻ってよ…っ

小夜は今にも泣いてしまいそうな顔をしていた。そんな短刀を他所に前任は暴言を吐く。

柘榴…?

触らないでよ、鬱陶しい!短刀なんか、私は求めていないのよ!

包丁藤四郎

えっ…主…?

小夜左文字

………

柘榴の姿をした前任の言葉に、ショックを受けたのか放心状態になる包丁と小夜。そんな2人に再び手を上げようとする前任を皆止めに入る。

燭台切光忠

っ、手を出すなんて、許せないね!

柘榴…?

離せ離せ離せ!

和泉守兼定

っ!なんて力だっ……!くっそ!

一期一振

包丁、こちらに…!

江雪左文字

近寄らない方がいいです、今は……

皆が前任を取り囲み押さえつけている間に、一期と江雪が包丁と小夜を前任から離した。

包丁藤四郎

何で……何で主は……

小夜左文字

…主は、僕たちが嫌いになったんだ……

愛を注がれていた短刀にとってはショックが大きかったのか、涙をポロポロと流しながら座り込んでしまっていた。そんな2人に目線を合わせるように一期は腰を下ろし声を掛けた。

一期一振

主は今、怨霊に取り憑かれているんだ…だから、今の主は主じゃないよ……だから主を信じてほしい…

2人を安心させるように一期は頭を撫でた。

にっかり青江

っ、怨霊と言えど……主の身体だから安易には斬れないね……

大典太光世

俺の霊力じゃ……足りないのか…っ

手の付けられない前任に、斬ってしまおうか悩んでいるにっかりだが、大好きな主に傷を付けることは出来ないと躊躇っていた。

柘榴…?

お前達、刀解してやる……そうすれば、あの女だって絶望に満ちる…あははっ

すると、取り囲んでいた刀剣達を吹き飛ばし、先程殴ったせいで弱っていた薬研の胸ぐらを掴めばニヤリと笑った。

薬研藤四郎

っ……

一期一振

薬研!!!

そこまでだ

薬研が折られる決心をし、ぐっと目を閉じれば見知らぬ声が広間に響いた。それと同時に、前任が薬研から引き離された。

柘榴…?

痛い!…離せ!

痛い?痛いと感じるなら、早くその身体を手放せばいいだろう、そうすれば痛みも感じなくなる

謎の人物は有無を言わせない勢いで、更に柘榴の腕を強く掴んだ。

柘榴…?

っ、なんでっ……!

まぁ、お前がこの身体に居座ると言ってもそれはさせない。……俺に殺されるんだ、名誉に思え!

そう言えば、手に持っていた御札を柘榴の心臓辺りに押し付けた。

柘榴…?

っ…ぁあ!!

前任が苦しみ出したと思えば、その札に吸い取られるように悪霊が身体から抜けていくのが目に見えてわかった。苦しみに満ちた前任は完全に御札へと封印され、朽ち果てた。そして、柘榴の身体は砂のように消えてしまった。

薬研藤四郎

……!大将…?

柘榴の身体ごと消えてしまったことに戸惑いを隠せない刀剣男士達。その様子に、謎の人物は笑った。

これでいいんだ。やるべき事はやった

鶴丸国永

……主は?主はどうなったんだ!?

加州清光

まさか…主ごと殺した訳じゃないよね……?

加州の言葉に、皆の表情が強ばった。

大和守安定

……そんなこと、ないよね…?

そんな呑気なことを言ってる謎の人物に痺れを切らした山姥切は掴みかかった。

山姥切国広

アイツは……主をどこにやったんだ…!

俺にも分からない。ただ、俺の役目は果たしただけだ

明石国行

なんなんです?さっきから……自分らにとって、主はんは大切な存在なんです…それなのに、そんな呑気に…役目役目と

すると、謎の人物を見ながら鶯丸が口を開いた。

鶯丸

……大包平…!

…お前か

2人は見つめ合いながら顔を確認する。その様子に、周りは少し困惑していた。

鶯丸

大包平、主をどこにやったんだ?

大包平

知らないと言っている

鶯丸

いくら大包平でも、主を粗末に扱う事は許さない

この展開は、再開を喜ぶ流れだが…今は殺伐とした雰囲気が流れていたそして、柘榴の行方を知っている人物はここにはいなかった。

あれから何時間くらい眠ったのだろう。すごく安心して眠れた気がした。そんな中、遠くから誰かに呼ばれる声がした。

小烏丸

……きろ…

柘榴

……ん…

小烏丸

そろそろ起きろ

身体を揺さぶられ、私はゆっくり目を覚ました。

柘榴

ん……んん……、あれ…私…

小烏丸

眠っていたんだ、ぐっすりとな

柘榴

いつの間に……!

小烏丸

眠った時は驚いた…まぁ、相当泣き疲れていたんだろう

小烏丸は優しく頭を撫でてくれた。そして、私は眠る前のことを思い出した。

柘榴

そう言えば…前任は!?

小烏丸

それなら、大包平と言う刀が退治してくれたから、もう安心するといい。さぁ、本丸に帰ろうか。そなたの本丸に

小烏丸はこちらに手を差し出してくる。だが、私は素直にその手を取れなかった。

柘榴

……私、皆に嫌われてないかな…前任とは言えど…見た目は私だったし…。それに、合わせる顔なんて、ない……

俯いた私に小烏丸は髪を撫でてくれる。

小烏丸

そんなことで嫌うなら、それまでの関係性だったってことよ。本当の信頼があれば、何があっても壊れることは無い。父はそう思うぞ?

柘榴

自信なんて……ない……

小烏丸

はぁ…けども、この空間にずっと居ることは出来ぬ…。そうだ、我が本丸まで連れて行ってやろう。その間、主は眠っているといい……

小烏丸なまえに手をかざせば、催眠をかけたように柘榴を眠らせた。そして、お姫様抱っこをすれば虚無な世界から脱出し本丸へと向かった。

四天王が突然ブラック本丸の審神者をやることになりました

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